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手品師なクラスメイト。3

サブタイトル変更しました。

 まさか二度も召喚されるとは思わなかった。

まあ、今回は友人の兄の高校生勇者の召喚に巻き込まれたんだが。


神官たちはどうやら魔王に脅されて勇者を召喚したらしい。

ココの魔王はほとんど世界を支配しているようだ。

勇者をわざわざ召喚してどうするんだろう。


友人の兄はオレを巻き込んだことをワビてくれたがソレは

彼のせいじゃあない! 

勝手な召喚をした神官たちと脅してソレをさせた魔王のせいだ。


でも魔王に面会しても文句をつけることができなかった。

圧倒的と言っていい存在感に押しつぶされそうだった。


でも友人の兄は勇者だった。

戦うことを命令されても怯んだ様子も無くオレを除外するように

申し入れてくれた。

巻き込まれただけなのだからと。


魔王は除外を許さなかった。

「お前一人ですら退屈な対戦になりそうなんだ。

少しでも面白くしたいからソレはダメだな。

二人がかりなら勝てるかもしれないぞ。」


足手まといだとは分かっていた。

でもそこまで言われたらせめて一発くらいは入れたいと思うよな。

だからオレ・・頑張ったんだよ。


足を引っ張らないように。

魔法が最大威力で出せるように。


勇者はオレをかばいながら戦っていた。

力も技も魔法も遥かに及ばないのがオレにすら分かった。


オレの魔法は当たっても魔王にはまるで効かないようだった。

でも同じところに当たるように狙い続けたんだよ。

ほんの少し表情が変わった時は嬉しかったけどお返しが来て

オレの意識は飛んでしまった。


気が付けば傷だらけで魔力は封じられていた。

勇者も同様の扱いをされていたけど彼の方がひどかった。

でも前回よりはマシかもしれない。

欠損部分は無かったから。


おざなりな治療だけで放って置かれたので牢番に文句を言った。

当然のように無視されたけど。


でもマモルがきてくれた。

傷だらけのオレ達に回復魔法を掛けようとしたけど止めた。

あの魔王はコイツとも遊びで対戦する気なんだ。

魔力のムダ使いはさせたくなかった。


それでもマモルは回復魔法をかけてくれた。

魔力の回復薬をちゃんと持ってるから大丈夫だと。

それだって大事なモノだろうに・・


3時間も戦い続けるマモルを助けることもできずにただ

見ているだけというのは辛かった。

魔王がマモルで遊んでいるのが素人なオレにも良く分かった。

でも目を離す訳にはいかなかった。


〔あーっ!!! 魔王さま! 後ろーっ!!! 〕


一瞬何が起こったのか分からなかった。

そうして対戦相手の魔王は怒りに眼がくらんだのかマモルの土魔法で拘束され

魔道具で封印された。


見ればマモルはペットボトルを持っている。

中には魔王の姉君だという美少女が入っていた。


結局前回召喚されたときの魔族の神さまがおいでになって解決したけど

あっちの姉君のほうがホントの魔王だったそうだ。

マモルは風魔法でソレを見抜いていたらしい。


「実力はともかく勝負は君の勝ちだよ。」


魔族の神さまはなんだか上機嫌でそうおっしゃった。

なるほど・・実力は遥かに上でも勝負に負けることも有る。

まあ、強いヤツが勝つんじゃあない、

勝ったヤツが強いんだって言うもんなあ。


ともかくオレ達は無事に帰還できた。

ココは魔法はほとんど使えない世界だしオレ達の国の中には華々しい戦闘も無い。

でも平和の良さをあの世界に行って実感できた気がする。

命がけで戦うなんて実体験しないほうがイイことだろう。


ココの世界になんで制限が課されているのかは分からないけど

魔法が無くても人間は生きていけるんだと思う。


まあ、〔手品〕が楽しくないとは言わないけどね。

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