狼獣人な神さま。
緊急救援を要請したのは恥ずかしい限りだった。
だがここの戦力はもう尽きた。
どうせなら最強と名高いあの勇者を呼んでみたかった。
だが来たのはそれほど強そうにも見えない並の勇者と子供達が五人、
魔族だがあれはイワクつきの魔法は使えない魔王だったよな。
あとはドラゴンの幼生か・・
まあ・・ドラゴンはアレじゃあどうせペットだろう。
最強勇者は留守だそうで来られるまでの間に合わせだそうだ。
間に合わせ・・ねぇ。
だが驚いたのは一番小さい子の魔力量と使い方だった。
城壁の外にまた城壁を設置して罠まで造っていた。
なんだか空が曇っていると思ったら雹は振らせるわ雷を雨のように落とすわ、
もう人とは思えない・・・。
天候を操るなんてのはそれだけで神の領域のハズだ!
師匠にはとても及ばないと謙遜してるけどあの子は自分が人の範疇から
はみだしてるって気が付いてないのか?。
結局負傷はしたようだけれどオークの軍団は撃退した。
だが問題はそのあとだった。
禁忌の技を使って〔造られた〕オーガ・・
やってきた最強勇者は平凡な容姿の男だったがその怒りはすさまじかった。
あの魔王がなだめなかったら・・・
結局上の方に連絡して最強勇者はすべてをことごとく〔消去〕した。
カケラと言えども残しては置けないということで。
〔消去〕なんて言葉をこんなに恐ろしく感じるとは思わなかった。
あれから禁忌のオーガについての警報が廻っている。
ココの世界だけでは済まなかったようだ。
いったい誰がなんの目的で禁忌な技を使っているのか・・
あるいは使わせているのか・・
あの最強勇者の怒りの前にはソイツ等は多分一溜りもないだろう。
だが正面切って来るとばかりは限らない。
あの子供達もオーガが元は人だったということにショックを受けたようだった。
これから最強勇者と共にあの禁忌のオーガと戦わないといけないかもしれない。
多分・・そうなる・・だろう。
戦力として有望すぎるくらいだからなぁ。
まだ子供なのに・・
最強勇者があの子たちをそんな場面に引き出さないことを祈り・・願った。
自分が神だってことをちょっとの間忘れていたことに気付いて赤面した。