高校生勇者のパーティ。
神官
「まさか欠損部位の復活ができる薬なんてものが有るなんておもわなかったね。
アレのできるのって高位の神官だけだと思ってたよ。」
魔術師
「オカゲでお前の左足だって生えてきてるんだろが!
ココの高位の神官と言ったらあのもうほとんど寝たきりみたいな神殿長さまだろ。
どう考えたって無理ってオレでもわかるぞ。
ちったあアイツラに感謝しろよ。」
神官
「感謝はしてるさ。でもオレも神官だからなぁ。
ちょっと自分が不甲斐ないっつーか・・・」
戦士
「メタボロにやられて欠損だらけになっちまったオレラが生きてんのは
お前が魔力切れになるまで回復魔法を掛けてくれたおかげだぜ。
内臓がはみ出してたんだぜ、オレなんかよぉ。」
武闘家
「まあ、なんにしても勇者が生きてたってのがもうオレには驚きだったぜ。
チラッとアイツが吹き飛んだところが見えちまったからな。
神官の女の子のくれたっていうアイテムのオカゲって聞いて
また驚いたんだが・・・」
神官
「しかも吹き飛んだはずの手足やら胴体やら全部元通りだなんて
神殿長さまでも一度には無理だと思うぞ。
元の世界の聖女さまがやってくれたって言ってたけどアレって
もう神さま並なんじゃあないかと思うな。」
戦士
「しっかし神様も救援要請なんかが出せるんならさっさとだしてくれりゃあ
オレ達が無理なんかしなくて済んだだろうと思うんだけどなぁ。」
神官
「あー・・ソレな・・・
一応ソノ世界のことはソノ世界でってのが基本なんだそうだ。
他所の連中になんでもかんでも押し付けるってのも・・な。
だけど勇者の世界の連中って召喚されるとレベルが低くても
むちゃくちゃつえーんだって話なんだよ。
ドンドン強くなってくのはあの勇者のアンチャンで見ただろ。
召喚するとお手軽で問題解決となっちまうもんだからダメだって分かってても
やるヤツラが結構いるんだってよ。
まあ・・ココもやっちまったんだがな。」
武闘家
「誰に聞いたんだ? そんなの・・
あ! アイツラか!
連中よくそんなことをペラペラお前に教えたなぁ。
秘密なんじゃあないのか? 」
神官
「無理矢理な召喚をすると向こうの世界にもコッチの世界にも
穴が開くそうなんだ。
まあ、神さま方が直してるんだっていうんだけど結構ヤバイらしいんだよ。
だから召喚を知ってるヤツには教えてるって言ってたよ。」
戦士
「それにしてもあんなに勇者がゾロゾロくるなんてなぁ。
まあ、みんなガキなんだけど。
アレでドラゴンに対抗なんてできるのかね? 」
魔術師
「お前らチビの奴に付いてたトカゲに気が付いてないのか?
アレって変身してるけど魔族だぞ。
さっき覗いたら妙な魔道具を造ってやがった。
どうも偵察用らしいんだが良く分からなかった。オレでもな。
異世界の連中にはオレラとは違うドラゴンへの手がありそうだ。
オレ達が手伝えるのは前回の時の様子を教えるくらいだろう。
オレ達の手足が元通りになる頃までなんてドラゴンも連中も
待ってないだろうからな。」
彼等は魔術師の〔遠見の魔法〕で観戦してたのですが
あまりの速攻に何も言えませんでした。
そうしてシッポを切り落とされてしまったドラゴンに
かえって同情してしまったとさ。どっとはらい。