砦な街の責任者。
久しぶりに友人に会えたと思ったら彼は荒野の向こうの
オークの国への大使だという。
魔物の国へだなんて・・・
だがアレは荒野の向こうで人の国を幾つか属国にした。
誰かが行って探る必要があるのは分かる・・だが・・
捨て駒同然なのに彼は出かけて行った。
だがそれから消息が途絶えてしまった。
彼の三男くんが突然訪ねて来たのには驚いた。
潜入してバレて逃げて来たと・・
先日の荒野の縁での小競り合いはソレか!
彼の一行を助けたという怪しい三人組。
尋問を命じて足止めした。
そして三男くんとこれからどうするかを相談した。
相談の最中に彼等はポンと言う感じで出現した。
・・・高位の魔導師しか使えないと言う転移の魔法!
魔道具も無しにできるなんて!!!
足止めは失敗したようだ。
護衛料を取りに行くと部屋を出た。
兵士と騎士を連れて戻ったが魔法で皆拘束された。
だが・・コレなら、友人の大使を救出できるかも!
神殿に行きたいと言ったが神殿はもう無い。
何十年も前に魔物の氾濫で廃墟になったのだ。
三男くんは案内するので親を助けてほしいと懇願した。
戦争には巻き込まれたくないというので大使の救出のみを頼むことにした。
こちらに付いてくれれば強力な戦力なんだが・・
だが彼等は戦争を防いでくれた。
オークの国を解散させ王だった召喚者は元の世界に帰した。
この世界の神の依頼だったそうだ。
神がおられたとは・・・
友人は神殿を復興させるそうだ。
属国だった国に寄進と奉仕をさせて。
三男くんは神官になるそうだ。神殿の最初の神官か・・・
この国の者が最初の神官なら荒野の向こうの国よりすこしは有利かもしれない。
あの怪しい三人は異世界の勇者達だったそうだ。
事故で迷い込んだだけでココにいたのはほんの偶然みたいなものだったらしい。
有り難い偶然・・だな。
戦争になればこの街はきっと最前線になっていたはずだ。
神殿が復興して信者が巡礼にでも来るようになればきっと
もっと発展した街になるだろう。
ココが砦を兼ねた街だということも忘れられる日がくるかもしれない。
そんな平和な風景が殺風景な印象のこの街の上に見えた気がした。