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チャラ男父(初心者勇者)。

 息子は最近様子が変わってきたように思う。

母親が死んでから女の子たちと〔お出かけ〕をよくしていたのだけれど

男の友達ができたのが変化の元らしい。


遅く生まれた一人息子で妻は甘やかして育てていた。

もう親猫が子猫をなめまわしているようだった。

なのに・・アレの最後に息子は間に合わなかった。


息子は男の友達ができて少しは立ち直ったのだろうか?


ある日息子が家に帰ってこなかった。

なので探しに出た。友人の家は聞いていた。


彼は小学生にも見えるくらいの子だった。

最近彼の話を息子はよくしていた。


息子とは知人のマンションの前で別れたという。

なので二人で話しながら家までのコースを歩いてみた。


あの子の最近の様子なんかを聞いてみる。

勉強の成績が上がって来たのは別の友人が指導をしてくれているからだそうだ。


ヤレ! と強く言ってもなかなか言う事を素直には聞かない性分だというのは

色々稽古事をさせようとしたときに思い知った。

まあ、アレはオレの趣味を押し付けただけだったしな。


だが勉強はある程度は頑張ってもらわないと困ると思っていた。

友人のおかげで勉強に意欲が出たと言うならそれはありがたいことだ。

友人の影響というのは侮れないものだな。


自宅の前まで来たときに突然友人の彼が腕を引っ張った。

えっと思ったが自分が反対方向に引きずられていると感じたのが

意識の最後だった。


気が付けば友人の彼と一緒に妙な場所に居た。首輪付きで。


息子は召喚されたのだと言う。

しかも本来召喚されるはずだったのは私だったようだと。

なんてこった! 

もう怒りまくったね。


でも、息子と友人のマモルくんは冷静だった。


召喚理由とか敵対相手とか色々聞き出していた。

あー・・コレは怒りは一時引っ込めておかないとみっともないかもしれない。

一応オレは大人なんだしな。


結局変身ロボのパチモンなヤツラは息子とマモルくんが片付けた。

オレは交渉係だったね。


お互いに誤解し合ってたのでソレが解けたら話は早い。

お互いの利益を損ねない範囲で譲歩し合うというのは結構難しいけど

今回は人間側がちょっと誤解の度合いが強かったからやりやすいくらいだった。


多少の譲歩を勝ち取ったし彼らの任務も遂行できるようにダークエルフ側にも

納得させられた。

まあ、これで召喚された任務は完了だね。

勇者だって言われたけど戦闘は無しだった。


マモルくんがココの神さまにお祈りして帰してくれるように頼んでたけど

ちょっと頭が真っ白だったよ。

イベント関係の会社に関わってるので美女は見慣れてるつもりだったんだけど。

女神に眼を奪われるな! って無理だよなぁ。


マモルくんがなんだか可哀そうな子を見るような眼で見てるのに気が付いて

我に返ったね。


あー・・息子がそばにいたのになぁ・・・


元の世界に戻って息子に色々説明された。

なるほど・・息子やマモルくんが冷静だった訳だ。

息子は勇者ではないので召喚される可能性はオレより低い。

レベルは低くてもオレのほうがそうなる可能性が高い。


息子たちに師匠と呼ばれていた青年に勧められて体育館で

多少の訓練を受けることにした。

もしオレの召喚に息子をまた巻き込んでも足手まといに

ならないようにしないとな。


そう思ってたんだけどなぁ・・

召喚以外で異世界に飛んじゃうことがあるなんて思ってもみなかったね。

穴に落ちたんだと説明されたけどそんな穴が存在してるなんて

思いもしないもんなぁ。

アソコはウチのリビングだったし。


多少はレベルが上がったと思ってたけどまだまだオレは

初心者な勇者だったようだ。

それでもオレは大人だからな。

交渉は仕事の内だし慣れたものだ。


息子たちの足手まといにならずに済んだし無事に帰ってもこれた。

マモルくんがアイテムボックスの魔法を教えてくれたので

装備その他を備えても置ける。


召喚はもうコリゴリだけど完全には防げないと言われたら

やっぱり備えておくのが一番だろう。


最近、体育館の利用者が増えてるようだ。

おかげで摸擬戦の相手には不自由しない。

さて、今日も相手をしてもらいに行ってみるかな。

マモルくんどころか息子のレベルにも遥かに遠いんだけどね。

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