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魔王城の貴族。

 王は・・魔王は強ければイイと思っていた。

だが・・それだけではダメだと王は証明した。

やりたい放題でも皆が付いて行ければともかく付いて行けないとなると・・


神官たちは戦争をやめるようにと神様から神託が下りたと言う。

この世界の神は魔族なんだそうだがそれでも戦争を止めようというのは

世界にとって良くないからだそうだ。


だが、魔王様は無視している。

確かにこの世界で一番の魔力を持っていれば世界を全部わが物とできると思う。


しかし・・その部下である我々は世界一ではないのだ。

自分にできることは部下も当然できると思ってるようだ。

できたら苦労は無いんだが。


大陸のほとんどを占拠はしたがコレを管理できるだけの体制は整っていないし

整えている間に全体がバラケてしまいそうだ。

散発的だが抵抗運動らしきものもある。


なんとか魔王さまを説得して事態を改善したいと思っていたら

〔勇者〕がやってきた。

魔王城にはかなり強力な結界が張ってあったはずだが軽く突破して

魔王さまに謁見を求めて来た。

最初から「戦闘する気」という訳でもなさそうだ。


魔王さまは退屈しておられたようで謁見を認められた。

彼等は異世界の勇者でココの世界の神さまに頼まれてきたと言う。


魔王さまは神さまの言う事でも聞く気は無い。

結局、「戦って勝てたら一つ言う事を聞いてやる」という魔王さまの言葉に従って

3対1ながら対戦となった。


あー・・やっぱり魔王様のほうが強い。


と思ったら魔王さまは妙な透明な容器に閉じ込められていた。

でも、誰も助けようとしない・・まあ、できない。

魔王さまほどでなくても彼らの魔力は我々を凌いでいた。

手出しができる訳もない。


これでもう魔王国は終わりかもしれない・・と思ったらなんと

神さまの意向に沿って停戦と戦後処理をしたいと言われた。


賠償金やら、国境線やら細かいことは多々あったが

どちらのメンツも立つように話が組み立てられた。

貴族たちは領地を拡大したい者もいたようだが

神さまのご意向とご威光には逆らえない。


そうしているうちに魔王さまは弟君に王位をゆずられた。

「飽きた。」

それだけだった。


王をやめて何をなさるのかと思ったら魔道具作りに熱中されている。

勇者の少年が使った魔道具に興味を魅かれたようで彼が置いて行ったものを

研究して色々妙な代物を造られたようだ。


最近はアチコチの国から引き合いがあるそうで楽し気に忙しく過ごされている。


弟君は思いがけなく王になられたのだが前魔王さまに実力では敵わないことが

分かっているせいか控えめな性格のせいなのかごく普通と言って良い

政治をされている。


前魔王さまは位を下りられたが魔王国が世界一の国なのは

誰も否定できないだろう。


勇者には負けたがこの世界の一番はあの前魔王さまだ。

魔道具で負けたのであって実力で負けたのではない。

気まぐれに世界を蹂躙されたが気まぐれがあの魔道具に向かっているうちは

多分世界は平和だろう。


勇者たちの帰って行った世界のことをどうやらココの神さまは

ご存じのようだと神官たちが言っていた。

前魔王さまが暴走されたらまたあの勇者に来てもらえるかもしれない。


まあ、そんなことにならないように前魔王さまのご機嫌をとっておこう。

我ながら魔道具の良し悪しと褒め方が分かって来たと思う。

内緒で造らせてみたコピーは結構儲かったしな。



 なんだか妙なコトをしちゃってる貴族さん。

バレないといいんですけどねぇ。

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