クラス委員長。
委員長だなんて威張っても結局のところ雑用係やマネージャーと変わりない。
こんなことまで委員長の仕事だなんて思わなかったし。
友人が読み終わったライトノベルを貸してくれたことがあったから
異世界転移だとか召喚だとかの言葉は分かってた。
でもケモ耳な獣人さんを直にこの目で見るとはねぇ・・
魔族と魔法で戦ってほしいなんて言われたけどそんなことは
どうしても現実感が湧いてこなかった。
「魔法なんかオレ達の世界には無いんですけど。」
チビのマモルくんが反論してた。
でも、どうやら私たちはココに来ただけで魔法が使えるそうだ。
それでも戦争なんかできる訳がない。
訓練してみても使えなかったら戦争には行かせないでと
お願いするのが精いっぱいだった。
妙な腕輪まではめられちゃってたし。
イケメン君とマモルくんはなにやら話していたけどココが神殿だと聞いて
お祈りを始めた。
異世界の神さまにお祈りって・・・
と思ったら神さまが出て来た。獣人じゃあない神さま・・
魔族だって・・そんな・・戦わされる相手・・・
なんて混乱してたら勇者をやって魔王をなんとかしてほしい!
とマモルくんが頼まれていた。
元の世界に帰してくれることを条件に引き受けちゃったよ!
みんながマモルくんに全部押し付けようとした。
ヒドイと思ったらさすがにマモルくんも切れた!
「ワガママ言わんと訓練! レベル上げ!
もしオレがダメなら帰れないし魔族にやられちゃうんだゾ!
手伝わなくてもイイから自分の身を守るくらいの力はつけとけよ!
ココが戦争中で負け戦側にいて下手すりゃあの世行だって理解しろ! 」
まあ、腕輪も発動されちゃったしね。
イケメン君は笑ってみんなを色々指導してくれた。
マモルくんとイケメン君とチャラ男くんは召喚は初めてじゃあないんだと言う。
「マモルくんはああ見えて強いんだ。
皆知らなかっただろうけどね。
大人の勇者に弟子入りしてるしタダじゃあ負けないよ。
でも、ココは異世界だからね。情報も足りないし。
イザとなったらみんなバラバラに逃げ出さないと命が危ないかもしれない。
魔法が使えれば生存率も上げられると思う。
何よりマモルくんの足を引っ張ってほしくない。
ということでスパルタでいっちゃうよ。
あー・・でもコレは帰っても多分使えないんだけどね。
オレ達の世界はそういうところだから。」
文字通りのスパルタだった。
みんなちゃんと魔法を使えるようにしたのは流石と言うべきだろうね。
召喚経験者3人で出かけて行って魔王に勝って来た。
スゴイはずだがみんな本気にしなかった。
マジックアイテムで勝ったと言われてやっと納得していた。
西遊記のひょうたんの話は知ってたけどそんなもの
いったい誰が造ったんだろう?
元の世界に帰してもらえたけど5分しかたっていないのにはみんな驚いた。
コンビニのバイトにしか見えなかったけどあのお兄さんは
この世界の神さまなんだそうだ。
元の世界で元の生活に戻れたけどみんな『手品』ができるようになってしまった。
まあ、悪用? するとゲンコツ女子さんのゲンコツの餌食に
されちゃうんだけどね。