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ガキドワーフくん。

 オレは変わり種なんだそうだ。

この歳になってもヒゲが生えて来ない。

若く見られるのはしょうがないが一人前とも見てもらえない。


代々鍛冶師の家だが家は兄貴が継ぐしいつまでも一人前には見てもらえないので

鍛冶師になるのは諦めた。

まあ・・才能が他の兄弟には及ばなかったしな


では何で食っていくか・・・

体力には自信があるが戦闘はしたことがない。

結局体を使う肉体労働になった。

土木作業や荷物持ちだ。


今回はダンジョンボスを倒しに行くと言うベテランたちのパーティのお供だ。

合間に戦闘訓練もしてくれた。


強いパーティだと思ったよ。

でもボスはもっと強かった。

全力で戦っているのがオレにも分かるのにキズすらなかなか付けられなかった。

そうして皆全滅寸前になった。


もう何もできることは無いと思ったけどこぼれた荷物に

実家のじいちゃんが独り立ちの餞別にくれた巻物があった。

本当に助けが必要な時に使え! と言ってた。


もうだめだ! こんなものを使ったって助からない! 

と思いつつ少ししかない魔力を通して作動させたんだ。


出て来たのはみんな子供(ガキとしか思えない連中だった。

でも・・ムチャクチャ強かった。

あっという間にボスを倒してしまった。

もうぼーぜんとしちゃったよ。


ダンジョンをでるまで延々とお説教をくらったけど

オレはお前たちより遥かに年上なんだとは言えなかった。


帰還手段を探すというので実家のある領主の街へ案内した。

神殿のえらそうな神官にダンジョンの攻略を頼まれていた。

神殿長さまの病気を治したいからと。


じいちゃんから魔道具のことを聞き出して帰ってきた連中に教えたけど

神さまにお願いして帰れるようになったと聞いて安心するやら

ちょっとがっかりするやらだった。

でもどうやら少しは役に立ったらしい。


病気の治った神殿長さまは王族の呪いを解いたそうだ。

アイツラは戦闘が強いだけじゃあないらしい。

なにやらスゴイ薬を製造つくったりもしたそうだ。


あとから連中は異世界の勇者だと教えられた。

勇者ってスゴイんだな。どうみてもガキだったけど。


でもまあ、もらったマジックポーチのおかげであのベテランパーティに

入れてもらえた。

基本荷物持ちだけどそのうち強くもなれるだろう。

ボスは面倒見のイイ人なようだからな。


アイツラ並みに強くなれるとは思えないけどそれでも

ホントに強いヤツらを見たってのは励みになっている。

何度思い出してみてもガキな連中だったんだけどな。

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