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宰相の息子(転生者)。

 オレは死んだ。とある山の展望台から落ちたんだ。

眺めは最高だったよ。でも下を覗いたのが悪かった。

下に人? が倒れてるみたいに見えたんだ。

まあ、よく見ようとしたんだけどね。


気が付いたらじいさんと少年がお茶してる白い部屋だった。

お茶を勧められて事情を説明されて善行と悪行がちょうど

プラマイゼロなので転生できますよ、と言われた。


ただし、違う世界、異世界へだそうだ。


オレのいたあの世界は人が増え過ぎな傾向なので

あの世界の中での転生よりは他の世界への転生してくれると

神さま達も楽なんだそうだ。


〔楽〕って言われてもねぇ・・・


さほどチートな能力は付かないし記憶も消えてしまうけれど

そちらの世界の世界では恵まれた階層にしてくれると言う。

プラマイゼロなのに? 


召喚で転移すると肉体と魂の両方なので世界自体に制限が掛かっている反動で

チートな能力に目覚めてしまうそうだ。

魂だけの転生だと肉体が無いのでそれほどチートでは無いと言う。


でも、魂にも制限が掛かっていたせいでそれなりのエネルギーが

蓄積されているので転生先の異世界にとっては何と言うか

刺激になるんだそうだ。点滴みたいなもんかね? 


まあ、どっちにしてももう死んじゃってるんだから天国にも地獄にも

行く資格がないと言われたら素直に転生するより他に道は無いよね。


元の世界に転生もできるけどそうなると人間ではない種族になる可能性が

大きいと言う。

人間以外の人型の種族も元の世界には実はちゃんといて別の社会を造っていたり

人の社会に紛れていたりするという。


あー・・やっぱり人間でいたいと思っちゃったんだよ。

別に他の種族が嫌いな訳じゃあないんだけどね。


ということで転生したはずだったんだけどココの神さまの言う事には

聖女の魔力の暴発のあおりで手元が狂ったんだそうだ。


普通に母親から生まれるはずがこの国の宰相のちぎれた左腕が

勇者と聖女の魔力の影響で変化してできた体に落っこちた。

おかげで妙な転生になってしまったと・・


オレが落っこちなかったらこの体はどうなっちゃったのかね。


前世の記憶は消えるはずだったのに残ってるし成長も早すぎる。

一週間が1ヶ月分の速さって早すぎだよね。

おかげで1年で4歳を越えちゃってるよ。


神さまが夢に現れたので文句を言ったら勇者と聖女の魔力が切れるので

もうスピード成長はココまでだそうだ。


でもまあ、宰相の息子扱いなので生活に不自由は無い。

1年したら勇者がこの世界に遊びに来たと言うので招待した。

聖女の暴発した魔力やら勇者の回復魔法やらの影響で今の体はできてるそうなので

ある意味親に近いかもと思ったんだ。


ところが勇者は知り合いだった。

取引先の会社の営業さんだった。

彼によるとオレはまだ行方不明だと言う。

困ったね。


未練が無い訳じゃあないけどもう死んじゃってるからなぁ。

家族に知らせたいと言ったら勇者はちゃんと相談に乗ってくれた。


オレはもう元の世界には戻れないけど勇者は戻れるので

家族に夢で知らせてみてくれるそうだ。

ありがたい・・・

もう、元の世界のことは諦めるしかないと思っていた。

記憶も消えるはずだったし・・


親より先に死んじゃったしね。


死んだことを知らせるだけでも区切りにできる気がする。

オレも・・家族も・・・


あの勇者な営業さんと聖女さんには感謝しか無いね。

まあ・・普通に母親から生まれたわけじゃあないので

〔へそ〕が無いんだけどさ。

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