おとーさん勇者(鈴木氏)。2
妻が入院してしまった。
妊娠にも驚いたが双子だと聞いてもっと驚いた。
なのでできるだけ彼女の負担を少なくしようと
これでも頑張ったんだが・・
会社は最近、事業拡大の方向に動いているので
出張過多な生活だが部下どもに任せる範囲を拡大して帰宅時間を早めている。
まあいずれは拡大するつもりだったんだが妻の妊娠がキッカケになったのは確かだね。
フフフ・・オレの家族の幸せのためにガンバレ部下ども!
息子は勇者でしかも召喚されやすい魂を持っている。
そう聞かされたときは驚いたがなんとか戻ってくるので
バイトなあの人と勇者な営業さんには感謝だね。
妻が入院してる間の息子をどうしようかと思ったが
勇者の奥さんの聖女さんが預かってくれると言う。
あー・・それならまた召喚されてしまっても簡単に連れ戻してもらえるだろう。
事情を知らない人の前で消えちゃったりしたら一大事だし・・
義母が妻の面倒をみてくれると言ってくれた。
でも、孫とはいえ息子まではやっぱり負担が大きいと思う。
まだ中一な息子を他人に預けるのは少し不安だったがどうやら息子は
あの勇者の弟子なポジションにいるらしい。
ふ~ん・・師匠か・・・
それなら強化合宿とかで出かけたのとさほど変わらないかもしれない。
仕事以外であの営業さんと繋がりができるとは思わなかったね。
まあ、仕事のほうも彼は目立たないながらも優秀なことは分かって来た。
言うばっかりでなかなか成果を出せない部下どもに見習わせたいくらいだよ。
う~ん・・オレの部下教育ももう少し改善しないとあの勇者な営業さんに
してやられそうな気がする。
恩があっても親しくても仕事や金の話は別だからね。
息子はどうやら旅行先でまた召喚されてしまったらしい。
なにがあったは根掘り葉掘りは聞かないことにした。
無事に帰って来たんだ。それだけで充分だ。
息子が話したくなったら言って来るだろう。
いまだに小学生に見えてしまう息子だが妻にはいろいろと
気配りやら手伝いやらするようになった。
兄になる自覚の芽生えなのかもしれない。
少しは頼りになるかもしれないな。
ハハハ・・頑張ってもらうかね、お兄ちゃん。