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イケメン神官。2

 足手まといなのもマモルくんの方が強いのも分かってた。

それでも連れて行ってくれるように食い下がった。

ゲンコツ女子はオレの彼女だ! 


最初の魔物はトドメを刺すだけだった。

でもショックは大きかった。

「呆けてないで馬車の乗客に回復魔法! 」

指示されないと動けなかった。

自分でも情けない限りだった。


「ゲンコツ女子の状況が分からないからできるだけレベルを

上げておいたほうがいいと思う。

キツイかもしれないが・・頑張ってくれ。」


確かにキツイことだった。でも文句は言えない。


マモルくんは魔物を売り払い街でギルドに登録して

オレのレベル上げをしながら軍資金を稼いだ。

からんできた大人もうまくあしらって情報を手に入れていた。


オレ・・登録の時に同い年だと証言しただけだ・・


ともかく王都に勇者が居るらしいと言うので移動した。

船で三日、馬車で三日。

マモルくんは船の護衛さん達と早速仲良くなっていた。

攻撃魔法と回復魔法はどうやら使えば使うほど精度が上がる。

なので護衛さん達のお手伝いをした。

お礼を言われたけどこっちがお礼を言いたいと思った。


マモルくんは蛇みたいな魔物を売ったお金を護衛さん達に分けていた。

要らないと言われてたけど

「次に会うことがあったら助けて下さい。」

と言って受け取ってもらっていた。


また会う・・多分もう二度と会うことなど無いだろうに。

受け取ってもらうための言葉だと分かっていてもなんだか切なかった。


別れの停泊地で宴会になったけど気が付いたらお酒を飲んでしまっていた。

マモルくんが護衛さん達を怒ってたけどそこまでしか記憶が無い。

ココの成人は16歳だとあの塔の街で聞いてたのに。

まあ、護衛さん達を怒っても・・ねえ。


王都に着いたけど彼女が城に居なかった。

魔王さんに協力してもらって見つけたがマモルくんは踏み込むのをためらった。

義賊の勇者にひどい扱いをされてたら・・と。


でも、たとえどんな扱いをされてても放っておくなんてできないし、

なんとしても二人で元の世界へ帰りたい。


そうこうしていたら2人で王都を出て行った。

追いかけて郊外の草原で捕捉。

彼女の首輪を見た途端頭に血が上った。

あれで攻撃しないでいるなんて無理だろう! 


強かった。

自分もレベルが上がって来たと思ってたのにあっという間にやられて飛ばされた。

でも追撃は来なかった。

マモルくんが割って入ったから。


魔王さんに手伝ってももらわずあっという間に義賊の勇者に完勝してしまった。


あきれて茫然としていたら彼女が泣きながら抱き付いて来た。

うん・・君が無事ならあとはもう・・どうでもいいや。


マモルくんほども強くないけど君がこうして側にいてくれれば

強い男のフリくらいはして見せよう。

一緒に帰ろう。

あそここそがオレ達の世界なんだから。

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