勇者が苦手な王さま。
サブタイトル変更しました。
勇者が引退すると言い出した。
まだ、そんな歳ではないと思うが・・
首輪が付いているからそんなワガママは言えないはずだ!
と思ったのだが外れてると見に行った者がいう。
一体どうやったんだ!
亡き父王はアレを外さなかった。
内心で外してやりたいと思っていたことは知っている。
だが魔族がいつまた攻めてくるか分からない状況でできなかったのだ。
首輪を外せば勇者の仕事なぞ放り出して逃げるだろう。
私だってあの立場なら逃げたくなる。
もっとも逃げてもこの世界から逃げることはできない。
召喚した魔導師でもできなかったのだから。
報告だと新しい勇者を召喚しようとしたようだが来たのはまだ
成人もしていない子供たちだったらしい。
まあそれなりに強いそうだからアレが鍛えればちゃんと勇者になるかもしれない。
そー思ってたんだが・・・
元の世界に帰ると言う。
一体どうやって・・
召喚した子供たちの仲間が迎えに来て一緒に帰るのか。
首輪はもう無いから引き留めることもできない。
長い間魔族と戦わせたのにほとんど報いることも無かった。
もともとココの世界の者ではないのだ。
帰りたいと思っても無理はない。
勇者が周りの者を鍛えていたのは知っている。
だがどうも勇者の期待ほどの者はいなかったようだ。
勇者には気おくれがしたし会えば気おされてしまう。
罪悪感もあるし・・・
王都に来ないように通達したが居ないと魔族がまた出た時に困る。
だから王都から遠くないあの砦を与えたのだ。
もっとも欲しいとも思ってないのも分かってはいたが。
勇者が居なくなったらどうしたらいいんだろう。
並の人間だけでは魔族に勝てなかったから勇者を呼んだんだ。
勇者でさえ殲滅できず北の山脈の向こうに追い出しただけだ。
また別の勇者を召喚しようか・・・
だが勇者からの上申書だとそんなことをするとこの世界に穴が開いてしまうそうだ。
この世界自体を危機に陥れると。
そんなこと・・信用できるのか?
だが・・ホントだとすると・・・
対魔族のための学校を造れとも書いてあった。
そうだな・・勇者が1人で数人を鍛えるより効率はいいだろう。
勇者の代わりのできる人材を集める・・か。
勇者1人の代わりを大勢で・・・
たしかに他に方法は無いかもしれない。
勇者に頼らず自分達でなんとかしないといけないのか。
「自分達のことは自分達で」
なんだか子供の自立みたいだな。
子供・・自分で自分のことをできないうちは威張っても子供だということか。
まあそれでも子供にもプライドはある。
あの勇者に頼らず自分で立とうとするフリぐらいはしないとな。
勇者がココに居たのを過去のことにできたならこの国は大人になったと
威張れるかもしれない。
在位中にそう確信できたらいいのだが・・・