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隊商の護衛。

 この街から王都へのコースは道がちゃんと整備されてていいんだが

盗賊と魔物が結構多い。

行先が王都なせいで盗賊にはもってこいな稼ぎ場なんだろう。


おかげでオレたち護衛の仕事も切れずに有るんだがな。

今回応募してきたのもほとんど顔見知りだった。

けどアイツは初顔だったよ。

おまけにガキだった。商人も渋るよな。


でも、魔法を実演して見せられて「雇え! 」って思わず言っちゃったよ。

魔法使いが今回のメンバーに居なかった訳じゃあないが

おんなじ呪文なのに威力が違うんだ。

ガキなのにな。


臨時雇いの賄いのネエチャン達に気に入られたようで他の護衛が徒歩なのに

荷馬車に乗せてもらってやがった。

まあ、ガキは得だなぁって思ったよ。


マメな奴でネエチャン達を手伝ったりしてた。

合間の休憩のときには鳥とかウサギなんか狩ってきてスープの具を増やしてたな。

美味かったけどさ。


なんといっても便利だったのが〔索敵〕ができたことだ。

アレを持ってるヤツって大抵軍隊に居るんだけどな。

おかげで魔物だろうが盗賊だろうが全部事前に分かる。

分かってると対応しやすいよなぁ。

おかげで久しぶりに楽な護衛だったよ。


魔法使いは面目をつぶされたと思うかと思ったけどいつのまにやら

弟子扱いしてやがった。


「精度はオレのほうが上だってほめられた。

ちょっとコツを教えたらスゲー上手くなりやがったぜ。

あんなに嬉しそうにされるとこっちも嬉しくなっちまった。

水魔法はアイツの方が上手かったんで教わったんだ。

おかげで出せる水量が大幅に増えちゃったよ。

商人がもう大喜びしてたぜ。」


水の分が減れば運べる荷物が増えるからな。

嵩張るし重いし、でも必要不可欠だからな、水は。

水場の有る所ばっかりじゃあないし。


王都にあと少しって所で盗賊が多めに出たんだがアイツが盛大に

電の魔法をかけてくれた。

アレって勇者の魔法だって聞いたことがある・・


「自称勇者さんに教わったんです。

でも、あの人が本物かどうか分かりませんけど。

威力もとても敵いませんしね。3発が限度なんですよ。」


3発も打てればもう最強だろう。

現に盗賊は一網打尽だった。

早馬で騎士団に知らせて引き取ってもらったが報奨金が出たんで

臨時ボーナスになったぜ。ありがたや。


そういえば王都の近くの砦には魔族を追っ払った勇者が居る。

アレとどっかで会ったことがあるのかもしれない。

メンバーの魔法使いと同じで教えたくなっちまったのかもな。


魔法使いは雷の魔法を習ってたが盛大とはいかなかった。

でも実験台にされたらシビレと痛みが同時にきて一瞬ひるんだね。

戦闘中なら隙が作れるだろうから便利かもしれない。


こんなチビッコいガキでもこんなヤツがいるんだなぁ。

末恐ろしいってこういうヤツのことだろう。


王都で別れたが大人と合流して実家に帰省するそうだ。

まあ、あんな奴だからまたどこかで会うかもしれない。

ネエチャンたちは心配してたが大丈夫だろう。

あの見かけに騙されるヤツが続出しそうだしな。

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