隊商のお姉さん。
アタシたちは隊商の専属って訳じゃあないのよ。
王都に居る親戚に会いに行くのに隊商の賄いの仕事を引き受けて
連れてってもらうって言うまあ便利で美味しいお仕事をしたの。
護衛付きで旅ができるなんて安心安全だからね。
魔物やら盗賊やらがゾロゾロな道中なんだもの。
あの子は護衛に応募してきたんだけど商人さんは雇うのを渋ってたわ。
でも、魔法を実演されて納得したわね、私たちも。
見ていた他のベテランの護衛さん達が思わず推薦してたもの。
魔物とか盗賊とかもすぐ見つけちゃうもんだから護衛さん達に見張り当番を
余計にさせられてたのよね。
「おかげでこんな楽な護衛は久しぶりだぜ。」
なんて言ってるのが聞こえたわ。
荷馬車の多い隊商なので速さがゆっくりだから護衛さんたちは
歩きだったりするんだけどやっぱりあの子ってちっちゃいから
皆で場所を開けて乗せてあげたのよ。
こんなチッコイのに・・って言ったら
「一応13歳なんだけど・・」って言うから驚いちゃった。
もっと下に見えたから。
盗賊が大勢で私たちにまで攻撃が来そうになったりしたけど
ちゃんと守ってくれたのよ。
護衛のベテランさんがあきれたくらいの魔法をいっぱい使いまくってくれたわ。
ペットの変なトカゲを可愛がってたわね。
あれも変な顔なのに妙に愛嬌があったわよね。
役に立つ感じは全然無かったけど。
アタシたちの賄い仕事も手伝ってくれたわ。
まあ、男の子だからたいしたこと無いんだけどやっぱり
手伝ってもらうと嬉しいわね。
包丁の使い方のコツなんか教えたら喜んでたのよ。
なんでもお母さんに子供ができたんですって。
色々お手伝いがしたいみたいね。
随分離れた兄弟ができることになるのね。
あの子の時も大変だったんだって心配してたわ。
早産なんて下手したら子供も母親も死んじゃう事も有るんだものねえ。
あぁ、そうか・・それであの子って少しちっちゃいのか。
まあでも、あれだけの魔法が使えるんなら仕事にも困ることは無いわよね。
王都に着いてお別れするとき心配だったんだけど大人と合流して
田舎に戻るんだって言ってたから大丈夫よね。
商人さんや護衛さん達他の隊商の皆にもちゃんと挨拶してアタシたちにも
手を振って行っちゃったけどまたどこかで会えたらいいなって思ったの。
可愛くて魔法が使えてなんでも手伝ってくれてしかもイザとなったら
守ってくれるなんてイイわよねえ。
もっと歳が上なら理想的だってみんな言ってたの。
まあ、もうちょっと身長があるとベストだとは思うけどね。