体育館の新人留学生の二人。
勇者「あの世界で一番だったんだけどなぁ、、
上には上がいるってホントだったんだな。」
神官「ココのトップは最強勇者だって神さまが言われてた。
でも奥さまがあんな方だなんて、、、
オレなんかに見えるだけの加護でも怖いくらいだぜ。
並の聖女じゃあないぞ。しかも結婚なんかしてるのに。
まあ、あの薬神の加護をもってる神官と女の子の神官もスゴイけどな。
オレ、、帰るまでにアレくらいになれるだろうか、、。」
勇者「あのチビッこいヤツがトップ以外で一番強いなんて思ってなかったよ。
だってあーんなチビだったんだぜ。」
神官「だけどアイツ、、なんだって急に弱くなってたんだ?
皆で寄ってたかってレベル上げをさせてたんだけど、、。」
勇者「うん、、、魔法戦士の言う事にはなんだか禁忌に近い
アブナイスキルを持ってたんだそうだ。
勇者のレベルが上がるにしたがってソレも引きずられて上がっちゃったんだそーだ。
この間アイツの親たちが死んだんだそーだがそのスキルのせいで
魂がヤバイことになったらしい。
親の為にレベルを戻してソレを封印したんだそーだよ。」
神官「それで初心者コースからやり直しか、、、
ココの神さまってスゴイよな、そんなコトができるなんて、、
それにしてもアイツってコナすのが早いよな、、オレ、、
アレが初心者用だって聞いてビックリだったんだけど。」
勇者「一度やった試験をもう一度やるみたいなもんかもな。
経験があるから道が見えてるってとこだろう。
でもオレ達はやっと初心者コースをコナしたのにあんなにスイスイいかれると
やっぱりちょっと落ち込むよな。
オレだって勇者なんだけど、、。」
神官「ココは勇者だらけだけどな。
アイツはトップの一番弟子だと皆が認めてるヤツなんだ。
レベルが1になろうとソレは変わらないんだろう。
現に大分レベルが戻って来てるしな。
そー落ち込まなくてもいいさ。
アイツに比べたらオレ達が初心者だってだけの事だよ。
それにココに来た頃に比べたら大幅にレベルアップしてる。
オレ達の世界の神さまのご希望には応えられてると思うゾ。」
勇者「うん、、確かにレベルアップしたよな。
神さまがココに留学してほしいなんてことを言われた時は驚いたけど
アノ〔禁忌のオーガ〕なんて話を聞くとなぁ。
万が一オレ達の所にソレが現れたらって思うとコワイもんな。
オレ達を強化しておきたいって神さまが思われても無理ない話だよな。」
神官「ココの世界は魔法も力も制限がかかってるんだそうだ。
世界の住人全部にパワーウェイトが掛かってる様なもんになっちゃうらしい。
連中はココの住人だから多分スタート地点がオレ達とは違うのかもしれない。
そのオカゲでオレ達の目標も高くなったけど見えるからな。
トレーニング方法もかなり工夫してくれてるからアレを持って
帰らせてもらえば仲間の強化ができると思う。
まあ、オレたちで敵わない敵ならココへ救援要請をだせば
助けに来てくれるって話だぞ。」
勇者「う~ん、、でもソレってちょっと恥ずかしくないか?
連中より弱くてもオレだって勇者なんだし、、。」
神官「まあ、まだ帰るまでには時間がある。
初心者コースはクリアできたんだ。
中級コースは明日からだからまた頑張ろうぜ。
期待してくださってる神さまもおられることだしな。」
勇者「そーだよな。落ち込んでるヒマなんか無いよな。
時間はまだあるけど有限だもんな。
オレ達のすることは決まってるんだ。
アイツラを目標に頑張ろうぜ。」
けなげな新人留学生たちはマモルくんを自分達が結果的に励ましてるとは
気づいていないのでした。
後輩に頑張られると先輩って負けてらんないって思うもんですからね。