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獣人族に拉致された魔術師。

アイツはダチだと思ってた。

だからまさか拉致されるなんて考えても居なかったよ。

まあ、アイツは獣人族の上の連中に命令されてたらしい。

でも、協力依頼でもなく最初っから拉致なんだもんなぁ。

素直に言う事を聞く気になれなかったのも分かるだろ?


なんだか訳のわからない書類の山を見せられて解読しろと命令されたんだ。

最初は分からなかったよ。

魔術で暗号みたいになってたからな。

勇者というか実力者を召喚するためのモノだと分かった時は

ちょっと興奮しちゃったね。


森のためのゴーレムに召喚陣が付いてるのは師匠に聞いたことがあったんだ。

でもオレ達魔術師が何人もかからないと書類の召喚陣は作動させられない。

単純に魔力が足りないからな。


森のゴーレムは時間をかけて魔力を集めて目の前の森から

魔力の強くなり過ぎた魔獣を召喚する。

まあ、魔力を巻き上げてゴーレムの維持に使う訳だ。


でも異世界からとなると目の前からなんぞより遥かに大きな魔力が要る。

なのでゴーレムの魔法陣を書類の魔法陣に書き換えた。

魔力が溜まるまでちょっと時間がかかったけどな。


でも連中の思うようにするのも業腹ごうはらなんでそこはあんまり

役には立たないようなヤツが来るようにしたんだ。

強い奴に来られると何か絶対やらかしそうに見えたから。


でもあんなに何人も呼び出されたんでかえってマズイと思ったんだよ。

呼び出された連中も気の毒になったしな。

無理矢理言う事をきかされてんのはオレと同じだし。


なので今度は強いヤツを呼び出せるように書き換えたんだ。

獣人どもに対抗できるヤツなら何とかできるかもって思った。

まあ、賭けみたいなトコもあったんだけど、、


でも、なんと出てきたのはまだ5・6歳のガキだった。

あれぇ~、、おかしいな、、、

コレでよかったはずなんだけど、、、


そー思ってたら最初に呼び出した連中が〔敵〕だってヤツラに

捕まっちゃったらしい。

獣人の親玉は残ってたヤツラを全部まとめて〔敵〕にぶつけたけど

どーやら本物の〔勇者〕だったそーだ。


オレはソイツラに開放してもらえた。

分かってることは全部ゲロったよ。

隠してもしょーがないし獣人連中にも仕返しになるかと、ね。


勇者達もアノ召喚陣できたそーだ。

強いヤツを!と思ったけどまさかそんな強い連中とはねぇ、、


あの最後に来たガキもホントは天才なんだそーだ。

勇者をてこずらせるほどの天才、、、、

あんなガキなのになぁ、、


オレは実行犯みたいなものだから叱られるかと思ったんだけど

そんなことは無かった。

寛大な方なんだな、ココの神さまって、、。


でも異世界からの召喚は向こうの世界にもコッチの世界にも

穴を開けてしまうんだそうだ。

世界の危機が来たかもしれないなんて言われたらなぁ。

恐縮するしかなかったよ。


獣人どもは神さまに叱られたらしい。

暫くは神さまに謹慎処分だそーだ。

ダチだったアイツも、、、


ちょっと気の毒だとは思うけど無理矢理拉致されて勝手な事に

こき使われたオレの気持ちも少しは分かって欲しいね。

イヤミの一つも言ってやりたかったけど当分は会えないからなぁ。


でもアノ神さまは寛大な方だから死ぬような目には会わないだろうとは

思うけどね。

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