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街のおばさん、もとい、おかあさん。

 まぁた居なくなった! 

最近すぐに居なくなる。

4歳になったとたんに前より動き回るようになって迷子の常習犯だ。


すぐ居なくなるくせに大泣きして迷子になったのは親のせいだと

八つ当たりしてくれる。

しょうがない・・また迷子発見の魔法を使おう。


ほらピカピカ光って見えるからすーぐ見つかるよ。

あれ? 背が伸びてる? んなばかな! 


と思ったら肩車されてるのか。

ちっこい子なのに肩車して親を探してくれてたんだね。

うんうん、感心な子だよ。


え? なんで光ってたのかって? 

なんだ、知らないのかい? コレは迷子を見つける魔法さ。

コイツみたいにすぐ居なくなっちゃう子を探すのさ。

簡単だよ。おばさんなアタシでもできちゃうからね。


え? やってみたいって? 

ほら! こうこうこうやって・・

なんだ、上手いじゃないの、ホントは知ってたとか? 

あ、知らなかった・・ふふ、じゃあアタシは先生だね。


教えてもらったお礼? 

この子を見つけてもらったお礼をしたいくらいだよ。

じゃあ、ギルドの場所を知りたいって? 


アンタみたいな子がギルドなんてアブナイよ。

あー、大人とその前で待ち合わせか・・

街の人なら誰でもギルドは分かるだろうから・・

ナルホド・・


アタシもそっちのほうへと帰るから一緒に行ったげるよ。

え?荷物を持ってくれるって? 

へぇ、持って逃げたりしないよね? 

ハハハ・・冗談、冗談。(マジで持ってかれると困るけど。)


さりげなく息子と手をつないで荷物も下げて付いてくる。

息子はどうやら気に入ったらしい。

別れ際になっても手を放そうとしない。


そしたら背中のバッグから何か取り出した。

羽根みたいな・・どこかで見たような・・・

ああ! イーンパの実だわ。

あれは熟してはじける時にあんな羽がグルグル回って

遠くに飛ぶんだった。

もっとちっちゃいんだけど。


来る途中の森で見たって? 

へぇ、故郷にあるオモチャに似てたんで懐かしくて造っちゃったんだね。

トンボって言うのか・・ふふ、変な名前だね。

でも、アタシでも作れそうだわ。


分かれ道の所にある小さな広場でやってみせてくれた。

軽く飛んでいくのに息子は夢中になった。

分かれるのは寂しそうだったけどあのオモチャがあれば暫くは気がまぎれるよね。


笑顔で息子に手を振っていくあの子は見た目より大人な気がした。



どうやら〔トンボ〕はココの子供たちのお気に入りになったようです

手作りが簡単だったので作る事自体も遊びになったんですね。

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