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三十人目の召喚者の魔法剣士。

いきなり異世界に召喚されて闘技場で最強闘士と闘えって

納得できると思うか?思える訳ないだろ!


だが首輪をはめられてしまった。

隷属の首輪だった。

もちろん外してみようともしたしレジストもしてみたんだが

ココのモノはオレの世界のよりレベルが上だった。


結局ココの最強闘士と闘ったんだが、まー強い強い。

オレはオレの世界では結構強い方だと思ってたんだがアレはもう

人外かもしれない。


だからオレの前に召喚されたっていうチビ助が闘うことになったと聞いた時は

可哀そうになったね。

アイツは魔法も使って無い。

多分できないんだろう。そー思ったんだ。


ココの闘技場は魔法もオッケーなんだが先読みのスキルでもあるのか

今までは相手の魔法は上手いコト避けてきたようだ。


だがチビ助が使った魔法はすごかった。

多分、大魔導師並だと思う。

長柄の得物で追撃までかけていた。

最強闘士は避けてみせたがアレは多分オレじゃあ無理だな。


「魔法を温存してやがったんだな。


だがお前のそのレベルじゃあもうそんなには魔法は

打てないだろう。

いいぜ!打って来いよ。受けて立ってやる!!。」


「じゃあ、最大威力で行かせてもらいます。

死んでも文句は言わないでくださいね。」


ガキのくせに魔王より生意気だ!とかなんとか闘士はわめいていたけど

結局チビ助の雷魔法と雹でケリがついた。

魔法避けの結界の外の観客まで気絶してたからアレは多分

魔力だけの電撃じゃあなかったかもな。


チビ助はオレ達他の召喚者の首輪まで軽く外すと召喚主に

元の世界に帰すように要求した。

まあ、あんな首輪なんかハメたがるヤツだ。

できる可能性は低いだろうと思ったんだがその通りだったね。


「アナタは妹さんを思ってのことでしょうがオレにだって妹は居るんです。

弟だっています。

なのに親はもう居ないんです。

オレが帰ってやらないとアイツラは一緒に居ることすら

できなくなるかもしれない。

まだ最初の誕生日すら来てないのに!。」


そう言うとチビ助はぶっ倒れちまった。

まーあのレベルで最強闘士と闘ったんだ。

色々無理がかかってたんだろう。


オレは鑑定とかはできないがダチにもらった魔道具がある。

何気なくチビ助を鑑定してみて驚いたね。


『最強勇者の弟子・レベル1に戻りし者』


なんだコレ!?

レベルはそれほど高くないがレベル1じゃあない。

ココの闘技場でも中くらいのレベルだろう。

一度レベル1に戻ってこのレベルまで戻してきたってことか?

この歳で?


チビ助の胸の上にいつのまにかトカゲが乗っていた。

召喚主の妹が追い払おうとしてたので止めた。

だってソレは鑑定の魔道具を通したらドラゴンだったから。

こーんなチビッこいドラゴンなんて見たことないぞ!


目覚めたチビがそっとなでていた。

アレはチビ助の仲間なのか、、、


結局チビ助の助言で神殿にお参りして神さまに元の世界に帰してもらえた。

まあ、チビ助には感謝しかないね。


オレの世界の神さまは事情を色々聞いて来た。

分かった事は全部申し上げた。

チビ助のことも。


神さまはチビ助がレベル1に戻った事情をご存じだった。


「あの子はこの辺りの世界群では最強の勇者の弟子なんだよ。

元のレベルは君が呼ばれた世界の勇者より高かった。

だが禁忌に近い特殊なスキルを持っててね。

そのせいで両親の魂が危ないことになってしまったんだ。


結局レベルを1に戻さなければスキルの封印ができなかった。

どーするかは彼が選択したんだが迷った様子は見せなかった。

まだあの通り子供なんだが『勇者』そのものだね。」


そーか、、見かけどーりのチビ助じゃあなかったんだな。

アノ鑑定の魔道具くらいじゃあ見えない経験がアイツには

山のようにあるんだろう。

アノ歳で、、、。


ソレはなんだか気の毒な事のようにも思えた。

ガキがガキでいられるのは人生のほんの短い時期だけだ。

なのにチビ助はもう大人のような気がしたんだ。

まだ、アノ歳なのに、、、


「、、、なのに親はもう居ないんです。

オレが帰ってやらないとアイツラは、、、、」


ああ、、弟妹のためか、、、


異世界にいるチビ助にオレがしてやれる事など一つもない。

ただアイツがこの世界に帰してくれたことに感謝の気持ちを

忘れないことくらいだろうか。


せめて祈ってやることにしよう。

アイツの行く先が平穏なものであるように、、と。

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