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クーデターでワリを喰った端っこの王族。

まあ、ほとんど誰も気にも留めない王族、それが私だった。

王に何か言えるような立場でもなかったし言う気も無かった。

言えばどーなるか前例だらけだったしな。

無害だと王にも貴族にも思われていたんだよ。


クーデターではどちらにも与しなかった。

ソレが悪かったんだろう。

、、、、どっちからも恨まれたんだよ。

事後にはいろいろ不都合なことにはなったんだがそれほど気にしてなかった。

部下たちには気の毒だったが、、、。


まあ命を取られたって訳でも無い。

冷遇ぐらいで済んでよかったと思ったくらいだった。

でもあの魔術師は違ったんだな。


アレはオヤジに恩があったんだそうでこっちが思ってた以上に

今回の事を気に病んでいた。

私の気持ちを勝手に解釈してくれてまさかあんなことを始めるなんて

思ってもみなかった。

気が付いた時にはもう勢いが付き過ぎた馬車のようだった。


何処かにぶつかるかひっくり返るかしないと止まれない。

そんなふうに見えたんだ。

もう何を言ってもコイツには無駄だと思えたよ。


あのオーガの軍団が壊滅してなんだかマヌケ面の男が乗り込んで来た時は

なんだかホッとした。

コレで終わりにできると。


魔術師はさっさと自害した。

オーガの秘密も責任も全部引き受けて死んでしまった。

オマエは私のためのつもりだったんだろうがこの後を

私にどーして欲しかったんだ?


勇者だと名乗った間抜け面は魔術師が私の為に暴走したと察したようだった。


「アレは神さまから〔禁忌〕と認定されています。

できる限りのモノは〔消去〕させていただきます。」


あー、、多分関係者一同が〔消去〕の対象なのだろう。

まあ、ココまでの事態は予想もしてなかったとはいえ私は責任者だからな。


できたら部下の〔消去〕は最小限にしてもらえないかと頼んでみた。


「大元の書類、記録その他、本拠地なココ、あの軍団の全てなどですが

ココの神さまはアナタ方までは〔消去〕をお望みではありません。

あ、、多少記憶の消去が必要な人はいるかもしれませんが心配は要りませんよ。

何しろ専門家がすぐに来ますから。


出頭して死にたいのなら止めませんが生きて居たいなら逃亡しても

ソレを止めないとイケナイ義務も私にはありません。

私の任務は禁忌のオーガと製作者の処置なんです。


責任は魔術師がとりましたしね。

まあ、死んでも神さまからは逃げられませんけど。」


コレって逃げろって言ってるのかな?


クーデターの鬱憤が溜まってなかったとは言わない。

でも何もしなかった私はそーなっても当然だったろう。

オーガの軍団で国の占拠はしたが人的被害はさほどでもない。

連中は逃げるばかりだったし、、、


こんどは私が逃げる立場になっただけだな、、。

まあ、それもあの魔術師を止められなかったせいだから自業自得だろう。

それでも誰にも無視されるような立場になってもアレは私の為に行動してくれた。

いささか迷惑とはいえアレも忠義なヤツだったんだろう。


恨みも感謝もあまり無いのが自分でも可笑しいよ。


元に戻れないのは残念だとは思うが死ななかっただけマシだ。

悪名が付いてしまったが完璧に無視されてたのを思えば

チョットは見直されたかもしれない。


王族はもう無理だろうがかえって身軽になった気がする。

そーか、、、私は以前より自由になったのかもしれない。

王族でなくなればこんな騒ぎに巻き込まれることももう無くなるだろう。


自由か、、、自由な私が生きていけるかどーかは分からない。

だがあの魔術師ほどでなくても忠実な部下がいてくれる。

コイツラに生き方を教わってみてもいいかもしれない。


王族の端っこで何にもしていなかった生活よりはなんだか

楽しそうな気がするからな。

おやまあ!捕まえる気が無いんですね、勇者さん。

まあ、部下の魔術師に振り回されただけの人だもんねぇ。


なんだか逃げる気になったようです。

出頭したら死刑一直線だもんね。

ウップン晴らしも済んだからあとは逃げるだけ、、

ハハハ、、なんだかピンポンダッシュにも見えてきちゃった。

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