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死んでも神さまからは逃げられなかった魔術師。

あの方は王族ではあったが王位を望めるほどの位置にはいなかった。

本当に末席の方だったのだ。


それでも、、いや末席だったからこそ王族であることに

こだわりがあったのかもしれない。


王政が過酷なものだったのは私にも分かっていた。

でもそのせいであの方にまで色々不都合なことが起きた。

元の生活を取り戻したいと望まれても無理はない、、。


ソレはある日私のベッドの上に現れた。山のような書類の束。

最初は意味が分からなかったが魔術的な処理をしてみて

ソレがとんでもない代物だと分かった。


そーしてあの方の為にソレを使ってみようと思ったのだ。

国はまだクーデターの混乱から脱していなかったから

〔素材〕には困らなかった。


そして予想外の効果が出てしまった。

ココまでのことができるなんて、と喜んだのも束の間だった。


私を尋問している男は何者なのだろう?

死んだはずの私に尋問だなんて、、、


「神さま方からの依頼であなたの尋問を任されました。

もう生き返ることはできませんが尋問に素直に応じて頂ければ

拘束空間での期間は短くなるでしょう。


あなたのあるじはまだ生きて居ますが社会的な元の地位を

取り戻すことはもう不可能です。


貴方が使ったのは禁忌とされている技でした。

できうる限りのものを消去させていただきました。

主もそうなるところだったんですよ。


いろいろと詳しく教えていただきたいですね。」


オーガの軍団を殲滅したのは何人もの勇者とその仲間だったとソイツは言った。

彼等はあのあたりの世界群では最強の勇者の弟子達だという。


「最強勇者はあなたたちの本拠を消去した人物です。

少しは覚えていますか?一見強そうに見えなかったでしょう?

ですが本人が希望すれば神にも昇格できるだけの実力を持っているので

並の人間では対抗は無理ですね。


主の為に証拠隠滅をと自害されたのはなかなかの覚悟です。

ですがあのオーガは禁忌なんですよ。

魂までも魔物に変化させてしまいますのでね。


アナタの主のこれからにも影響するでしょう。

協力していただけますね?。」


コイツは神ではないのか?では一体何なんだ?


「私の事が気になりますか?

アナタと同じですよ。

本来なら罰を受けるべき身ですが神さまのお慈悲を持って

ココで色々お手伝いをさせていただいてます。


重ねて言いますがあなたの主のためを思うなら全部お話して

いただけるのが最善ですからね。」


神さまなら強制的になんでも分かるんじゃあないのか?


「おできになりますよ。

でもお忙しい方々ですし力を行使されると影響が大きい方も多いんです。

アナタのあの世界の安定に影響が出かねません。

主の安全と安泰をお思いならこちらに協力してほしいですね。」


全てを話すことにした。

もう生き返ることはないがあの方の為にできることがあるなら

ためらうことではないだろう。


結局私のしたことはあの方に昔はもう戻らないと確認させただけだったな。

元に戻るという夢を見させただけだった、、、。


だが方法は禁忌なものだった。知らなかったとはいえ、、、

あの方にはその責は負わせたくない。

全てを話してすべての責を私に負わせていただこう。


あの書類が何処から来たかは分からない。

だがアレを使おうと決めたのは確かに私なのだから。

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