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迷子な貨客船の船長。

 オレ達はコノ海で商売をしている。

慣れた海だし慣れた仕事のハズだったんだ。

よりによって迷子だなんて・・

戻れたらいいが戻れなくても仲間連中の酒のつまみの話にされるだろう。


どこでもいいから島が見えれば今の場所が特定できる。

なのに嵐でほかの船と逸れてから三日もカケラも見えない。

イラついていたら見張り担当が変なガキを連れてきた。

密航者なんて久しぶりだな。


そう思ったんだが違うという。

「異世界人」ってなんだよ!? 魔術師だぁ? 

そんなのは王族貴族に雇われてるハズでこんなチビが名乗って

イイもんじゃあないゾ! 


ああ・・実演されて納得せざるを得なかった。

部屋の中の暴風なんてあり得ないもんな。


変なチビだったがオカゲでこの船の位置が特定できた。

襲ってきたスパクオークスも軽く撃退してくれた。

海に落ちた仲間も拾ってくれたし回復魔法まで使ってくれた。

船は多少壊されたがあいつがスパクオークスの足を手に入れて

くれたんで薬酒が造れたから補填ができる。


嵐に遭ってとんでもないアンラッキーだと思ったがアイツの

おかげでラッキーがやって来た。


足の代金を払おうとしたら半分しか受け取らなかった。


「皆さん頑張ったんですからソレは「みんなで一杯」の

代金にでもしてください。

あ! オレの船賃は引いといてくださいね。

ココのお金が無かったんで払えませんでしたけど足の代金があれば払えますから。」


仕事に対価を払うのは当然だ! と言う。

払えなくても払う方法を探すし金でなくても別の物で払おうと思って居たと言う。

そこまで言われたらなぁ。

でも途中乗船だからな。きっちり半額にしといたぜ。


コッチもいろいろ助けてもらったので港街とか神殿のこととか

挙句はこの国のこととか教えてやった。

これからのことは神殿ででも相談してみるという。

ふ~ん・・神殿ね。結構信心深いヤツらしい。


薬酒用の酒を分けてくれた荷主は常連客で仲も悪くない。


「魔術師なのにまだあんな子供だってのが信じられないね。

何処から来たのかも分からないが悪いヤツでもなさそうだ。

オレも魔法使いとか護衛で雇うことはあるけどあれほどの実力者は見たことがないよ。

オカゲで無事に港に着けたし彼は幸運値が高いのかもな。

いやぁ・・うらやましいねぇ。」


そうだな・・幸運ばかりは欲しくても買えるもんじゃあない。

アイツのオカゲでオレ達にも幸運がやって来たんだろう。


ありがたく幸運を祝って酒盛りでもしよう。

「みんなで一杯」の資金はアイツが置いて行ってくれたからな。

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