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生きるために

土下座の形で頭を下げていると優しく声がかけられた。


「そんなことかい。美鶴さん、頭をあげてくれ。もともと、一人で過ごすのに寂しさを感じてきたところだったから、美鶴さんさえよければここに住んでいいと言おうと思ってたからの。薬の知識があるならむしろこちらからお願いしたいくらいだ。未来の医学にも興味があるしの。こんな老いぼれでよければわしの知識も授けよう」


この人はどれだけ優しいのか。

一文無しで放り出される心配がなくなった安堵感と、ゲンさんの優しさに感極まって涙が出てきた。


「本当にありがとうございます……!! 拾ってくれたのがゲンさんでよかったです……!」


「こらこら、泣くんでない。困っている人がいると放っておけないただのおせっかいじじいだから気にせんでよいのだ」


そのおせっかいのおかげで私は全く知らないこの世界で生活していけることが決まったのだ。

感謝せずにはいられない。何度感謝しても足りないくらいだ。


こんな小娘にいつまでも泣かれていては迷惑だろう。手の甲でぐいっと涙を拭ってまっすぐゲンさんを見据える。


「ゲンさんの足手まといにならないようしっかり頑張ります! よろしくお願いします!!」


そう言って再び深々と頭を下げる。

あいわかった、と言うゲンさんがにこやかに微笑んでいるのがわかった。

今日からお世話になります!






―――――――かくして私は戦国時代で薬師の弟子をすることが決まったのである。


栗花落 美鶴、23歳、元薬大生!

右も左もわからないこの過去の世界で腕のいい薬師を目指して頑張ります!!!







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