プロローグ 異世界召還の日
間に合わず、中途半端になってしまった。
短いです。
2015 02 20 改稿しました
長い回廊。
古風な石造りの城の一角といった幻想的な風景が、目にとびこんできた。
日が斜めから差し込んでいて、いかにも幼い少女が憧れそうなお城といった感じだった。
......雰囲気と、外見はねっ!
心の中で僕はそう叫びながら、雰囲気というか、幻想というか、またもや異世界召喚のテンプレというか。前二つをぶち壊してる原因を盗み見た。盗み見たーーと言うのは万が一にもやつに見つからないようにするためである。
巨大な巨人。何か被っている気がしなくもないが、突っ込まないで。それだけ切羽詰まってるって訳さ。
でも、巨人っていってもラ○ュタに出てくる手が長い機械みたいなやつくらいの大きさで、某ホラー風進撃漫画のような大きさじゃない。というか、これの何倍もの大きさのやつが進撃してくるってすごく怖いよね、あの漫画……と現実逃避しつつ、今の状況を悲観した。
ーーサブキャラじゃなければなあ。
そんな悲観する僕を慰めるかの様に、そよ風が僕の髪の毛をさらっていった。
いい忘れていたが僕の名前は映画。
どうやら、状況はーー
「《エターナルアグレッシブオンライン》にサブキャラで転生又は召喚されてしまったようです。自分のホームの空中要塞ーーもともとは空中庭園だったやつーーに。しかも、何故か魔物が住み着いているというおまけ付き。そのせいで制御部までたどり着けません」
ーー以上。
この場をどうやって切り抜けるか、と考えながら、こうなる直前のことを思い出していたーー。
「あっ。《潜伏》切れた。ちょ、何か巨人向かってきてるんですが!? これだから、サブキャラはーーっ! レベル1からあげときゃ良かったーーっ!」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
それから、10時間前。
「起きなさい。起きなさいってば、映画」
「ーーはっ」
映画は久しぶりにいつもの目覚め方をした。
というのも、ある事情で、最近はこの置き方をしていなかったからなのであるが。
年頃の少年が夢に見るであろう、美少女幼馴染みに起こされるというシチュエーションだ。
「起きなさい。起きなさいってばーー」
聞きなれた声が聞こえた。
それと同時に体を揺すられる感覚。
それで、ああもう朝なんだなと自覚した。
「うっーー」
まだ眠気が残り重くなっているまぶたをなんとかこじ開ける。
目の前が何も見えなかった。
一面、銀である。
一瞬、驚き体を勢いよく起こす。
すると、どこぞの王室が使うような銀色のシルクのような美しい髪が目に入った。......物理的な意味で。
「いでで!」
先程の銀一面の視界はーー
これまた見慣れた特徴的な色ーー幾多の幼馴染みである少女の髪の色であると気付いた時には時すでに遅く。映画は幼馴染みの髪が目に入り、悶えた。
「あっ、大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ」
「そう。良かった。いきなり起き上がるんだもん」
幼馴染みーー雪峰神楽はそう言いながら、斜め上方向を見た。
ソコには電球から延びているひもがあった。神楽はおもむろに立ち上がり、そのひもを弄りながら周りを見渡して、映画に怒ったような口調で言った。
「またこんなに散らかしちゃって」
「し、仕方がないだろ。男一人で生活してるんだから」
ようは汚いということを言いたいのだろう、と映画は理解したがそれなりに掃除もしている身として、反論した。
「そっか。じゃあ、私がここに一緒に住もうか。そうすれば男一人で、じゃなくなるでしょ」
「な、なにバカなこといってんだ!」
「ふふふ、冗談よ。でも、一応お母さんからも許可貰ってるのよ。幾多ちゃんなら大丈夫だろうって」
「......おばさん、なにいってるんだ」
映画は呆れた。
年頃の娘を独り暮らしの男の家に預けるとは.....
確かに小学生の頃は頻繁に此方から遊びに行ったりして泊まったりもしたが、それは小学生だから許されることであって、今日、高校に入学する子供に言うことじゃないと思うなあ、と映画は思う。
まあ、長い付き合いで幾多にとっておばさんは第二の母と呼んでも良いくらいの存在だったので、信用されていると思えば嬉しいことだ。
「あ、」
そこでうろちょろしていた神楽はあるものの前で動きを止めた。それは、
「まさか、今日寝起きが悪かったのってこの点けっぱなしになっている《エターナル・アグレッシブ・オンライン》のせい?」
つけっぱなしになっているコンピュータ。
その画面に映るゲーム。
《エターナル・アグレッシブ・オンライン》
何の変哲もない、フツーーのMMORPGだ。
VRでもないし、何かクソゲーでもない。
最近のアップデートでサブキャラが作れるようになったくらいが特徴か。
面白さでは、とても良いのだが、いざ説明となると困るゲームでもある。
だが、転生システムや、練り込まれたストーリーはプレイヤーをハマらせる。
かくいう僕もその一人だ。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
さて、なぜ神楽がこのゲームを知っているかというと、僕が教えたからである。
普段神楽は、ゲームなどはしないのだが、僕が強烈に進めたせいで、やってみようという気持ちになったらしい。
昨日は、新しくキャラを作った神楽とサブキャラを作った僕で一回りダンジョンなどに行ってきた。
と言うか、この神楽、初期キャラで、種族をランダム設定で選んで、聖人とか言う種レア族になっていて凄かった。強さ自体はレベル相応だが回復魔法や聖魔法のブースト率が半端ではなかった。
勿論悪いという意味で半端ではないというオチではない。
余談ではあるが、僕のメインの方の種族は、神天使だ。人のことは言えないような気がするが、これは運ではない。努力だ。......まあ、解放条件が、「ホームゲームで200000000000スコア(カンスト)を全ユーザー内で一番最初に達成する」だ。
ホームゲームは、自分で買ったホームのオプションでやれるミニゲームで、ある程度の広さのホームと、莫大なお金を使うので、あまりやる人が居なかったのだ。
......それにしても某消しゲーと某mと書いた帽子被っている人のゲームはrpgにサブコンテンツとしてだすか!? 運営ぇ。しかも後者はnewじゃない方の2の難易度だったし。
サブのほうとは言うと、人間でレベル1。剣術と潜伏スキル、水魔法を修練度2で習得している状態だ。
修練度というのは、10が最高で、スキルは最初に選ぶ二つ以外は特定の行動で開放され、スキルポイントを消費して手に入る。レベルが上がるごとにスキルバーにセットできるスキルの数が上がる仕組みにもなっている。上級プレイヤーなら1000くらいは皆取得条件を満たして、30個くらいのスキルをセットしているのではないだろうか。
まあ、その話はおいといて、
昨日の最後の方には、神楽はこのゲーム(ホームゲームではない)にハマったようで、うきうきしていた。
ナノニ。
何故だ。
なぜこんなに怒こっている!?
般若かっ。と叫びたくなる顔だった。怖いから言わないのだが。
理由を聞いてみる。
「映画が寝坊するからでしょ」
はい、すみません。その節はどうも......ご迷惑をお掛けしました。
「何か過ぎたことになってる!? 現在進行形です!」
◇
と言うことで、神楽にひとしきり怒られた僕は、寝床のある2階から、下ろされてきた。
「ハイ来てきて。」
「......ひ、引っ張るなよ。階段だぞ」
階段を降り、ダイニングを通過し、キッチンの近くにあった、テーブルに座る。
そこには、神楽が用意したであろう朝食が並んでいた。
メニューは、トーストと、それにあったコーンスープ、その他もろもろだ。
その他って言うなら、最初から言うなってね。ははは。
それはともかく、口にごはん(パンだが)を運ぶ。
テレビもつけ、ニュースをチェックする。
「料理どう?」
「美味しいよ。85点!」
「100点じゃないのね」
「ああ」
一呼吸おいて。本音を。
「二色ご飯じゃないからな!」
「そっち!?」
何だか神楽が驚き、
「味じゃなくてメニューですかそうですかていゆうか二色ご飯ってすごく簡単なんですがそんなの好きって何なんですかまあ知ってましたけどこれを評価してください」
一気にいった。
その後、僕たちは、登校の準備をしてーーーー
その日、学校につく前に、ある出来事が起こった。
でもまだこのときは、
そんなことになるなんて微塵も思っていなかった。
幾多「展開遅くね?」
作者「すみません。時間があまりないのです」
神楽「私、ちょこっと出てきただけですよね? これから2年も離れるのよね、幾多と。出番遠くないですか?」
作者「多分序章で再開までいくよ。この物語の本筋は傍観だからね」
幾多「(じとー」
神楽「更新ダイジョブですか?」
作者「......」
作者(まだこれ以上何も書いてないなんて言えない)
と言うわけで、ためを作るので更新遅くなります。