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血迷地下鉄

作者:
掲載日:2026/04/30


地下鉄揺れて帰路に着いていた途中のこと、


そう、

私がまだ若造の未熟者だった頃、


いつも通りの地下鉄に乗っていて、

この時間帯に乗る人間は意外にも多く、

毎日に乗るので見慣れた顔ばかりの車両の中で、


だが、

いつもとは違うことがあり、

それは、電車が止まらないということで、


それは各駅停車なのにも関わらずに、

ここ一時間ほどずっと止まっておらず、

走り続けていて、


私は少し前にそれに気づき、

戸惑っていたが、

他の乗客が何も反応せずに至って冷静なのを見、


まあ疲れているだけだろう、

もうそろそろ着くだろう、

そんなことを考えていたが、


やはり電車が止まることはなく、

そうしていると窓の外に別の電車が見えて、

隣を通るが、


その中に、

私とこの車両と全く同じ乗客が乗っていて、


だが、

少し違い、


窓の向こうの私は、

まだ乗り込んだばかりの、

何も気が付いていない顔をしていて、


次の車両には少し前の私が、

そして次の車両には、

少し老けた私が、


通り過ぎていき、

皆私を見ているが、


その顔は驚き、

絶望、

諦念、


そして考えてしまうこと、

まさかずっと出られていない、

出られないということを考え、


私は脱出を試みるが、

扉も窓も開かず傷も付かず、


ずっと走っている電車を見て、

他の乗客にも話しかけるが、

うんともすんとも言わず、


そうしているとまた車両が通り過ぎ、

白髪の痩せ衰えた自分が見えて、


その人は私を見て、

にまにまと君の悪い笑みを浮かべている、


そんな光景を見て私はもう、

どうしようもないと思い、


深く眠りについた。






そう、私は今も車両にいる。

そうしてまた、車両が通り過ぎて、

昔の若い自分を見て、見続けている。


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