第9巻・第1章 目覚めし力
### 目覚めし力
都市が再び活気を取り戻し、復旧作業が続く中、春日たちはその静けさに安堵していた。
だが、安寧は長く続かなかった。
「春日、また新たな波動を感知した」
渋谷の声が、春日をはっとさせた。
彼の目が鋭く光り、すぐに刀の波動を感じ取る。
「……これが、斬光の刀士が言っていた『未開の力』なのか?」
波動は確かに、これまでのものとは異なっていた。
都市全域に広がるその力は、まるで眠っていた大地が目を覚ますかのような、圧倒的なものだった。
春日と仲間たちは、それぞれの刀を手に、再び集結する。
「何か、大きな力が動き始めている気がする」
春日が慎重に呟くと、仲間たちもそれぞれに自分の刀を確かめるように握り直した。
「『未開の力』の目覚め……一体、何が始まるんだ?」
「これだけ強い波動を感じるなら、間違いなく何かが動き始めている」
「敵の仕掛けだろうか?」
仲間たちの言葉に、春日はしばらく黙っていたが、やがて冷静に言葉を紡ぐ。
「斬光の刀士の言っていた通り、この力が目覚めたことで、新たな敵が現れることになるだろう」
春日は目を閉じ、赤い波動を感じながら、次の戦いの準備を始める。
その時、再び渋谷が呼びかける。
「春日、北区の地下から波動が強くなっている。どうやら、この力が地下深くから発信されているようだ」
「地下……?」
春日は、これまでに見たことのない波動の発信地点を確認する。
地下――都市の下層に眠っていた力が、目を覚まし始めている。
それは、この都市が抱えていた深い闇を示しているようだった。
「行こう」
春日は仲間たちに声をかけ、まずは地下に向かうことを決意する。
その直感は間違いない。新たな力が覚醒した場所には、何か大きな秘密が隠されているはずだ。
春日たちの刀は、この新たな力を相手にする準備が整いつつあった。
だが、その先に待つものが何であれ、すでに彼らの心には決意が満ちていた。
未開の力が目覚めたその時、春日たちは新たな戦いへと足を踏み入れる。
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