黒幕の介入
### 黒幕の介入
東京の夜は、静寂に包まれていた。
だが、その静けさは欺瞞に満ちている。
都市全体を舞台に繰り広げられた黒影との戦いが終わった瞬間、別の影が動き出した。
「……やっと動く時が来たか」
低く響く声。
黒幕が、自らの影を動かし始める。
これまで黒影や派閥を通して操っていた力を、直接投入する瞬間だ。
「春日……欠番、君が中心に立つなら、私の力もまた直接試されることになる」
黒幕の瞳には冷徹な計算が光る。
その目は、都市全体を掌握し、欠番を試す獰猛な狩人のそれだった。
東京の街路、ビル群、地下通路――
黒幕の力が、都市の構造そのものを揺るがす。
建物の重力バランスが微妙に変化し、道路の一部が封鎖され、仲間の動きが制限される。
「くっ……これは……!」
渋谷が端末を操作しながら叫ぶ。
「黒幕の力……直接介入か。黒影の比ではない」
俺は刀を握り直す。
欠番として、都市全体の流れを読む力が試される。
だが、黒幕の操作は予測不能の変化を伴い、都市全体を制御する難易度は格段に上がっていた。
「春日、全員に退避指示を出せ!」
渋谷の声が響く。
「都市全体の流れを制御する……重力操作、空間の歪み、情報の同期……」
俺は集中力を最大まで高め、仲間の安全と反撃の隙を同時に作る。
黒幕の力が直接戦場に介入するたび、都市の景色が揺れる。
ビルの屋上が微かに傾き、街路の信号が乱れ、光の反射が錯覚を生む。
まるで東京全体が、黒幕の意志に支配されているかのようだ。
「……これが黒幕の本当の力か」
俺は心の中で覚悟を決める。
欠番として、中心として、都市の均衡を守るためには、全力で黒幕の介入を制御しなければならない。
光と影が交錯する夜。
東京全体を舞台にした戦いは、黒影戦とは比べ物にならないほど複雑で危険だ。
欠番・春日、その中心力と戦術判断力が試される。
「……来い、黒幕」
刀を握り直し、俺は都市全体の流れに意識を集中させる。
東京の夜が、欠番と黒幕の頭脳戦、力のぶつかり合いの舞台となる。
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