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『十二都刀戦(じゅうにととうせん)』  作者: 匿名希望


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黒幕の手札



### 黒幕の手札


東京の夜は、依然として静かに揺れていた。

だが、その静けさは欺瞞に満ちている。

都市の裏側で、黒幕の手札が静かに動き出していたのだ。


「黒影だけでは、欠番を完全に抑えきれない」

黒幕は低い声で呟く。

指先が机の上の端末を滑ると、東京全域の秩序派・混沌派の情報がスクリーンに浮かび上がる。


「……なるほど」

渋谷の頭をよぎる、かすかな予感。

黒影は確かに戦闘の前線を担ったが、黒幕はその背後で秩序派の内部争いを操り、欠番の行動を制限していた。


「欠番・春日……君が中心に立つなら、私の計算はより面白くなる」

黒幕の声には、冷静な興奮が混ざっていた。

「黒影を使い、派閥を操作し、都市全体の均衡を試す――

 これが私の手札の一枚」


スクリーンには、赤い点滅が東京の各所に散らばる。

黒影の行動範囲と秩序派・混沌派の派閥動向をリンクさせ、欠番の判断を揺さぶる。

――欠番を孤立させるための精密な罠。


一方、東京の別の場所。春日と渋谷は、夜の街を見下ろしていた。


「……黒影の背後に、確かに大きな力がある」

俺は刀を握り直す。

「黒影だけじゃない。もっと上の存在が、俺たちの動きを操っている」


「春日……どうする?」

渋谷の声には焦りはない。冷静に、次の一手を考える眼差しだ。


「情報を制御する。都市全体の重力と流れを読む。そして、黒幕の手を逆手に取る」

欠番として、中心に立つ者の判断は、戦闘以上に精密さを要求される。


黒幕は、まだ直接姿を現さない。

だが、手札は確実に揃っている。

黒影の再起、派閥内部の混乱、都市の均衡――すべてが欠番を試すための布石。


「……次は、こちらの番だ」

俺は刀を握り直し、渋谷と共に都市の夜に溶ける。

黒幕の手札に翻弄される前に、欠番として先手を打つ。


東京の夜は、欠番と黒幕の頭脳戦の舞台となる。

戦いは戦闘だけではない。

情報、心理、都市全体の戦略――すべてを制する者が勝つ。


欠番・春日、その中心力が再び試される夜。


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