第三巻・第一章 影の黒幕
### 影の黒幕
東京の夜は、まだ眠らない。
高層ビルの谷間に、冷たい風が吹き抜ける。
だが、その暗闇の中で、静かに動く影があった。
「……ようやく欠番が動いたか」
低く響く声。
薄暗い部屋の中央に座る人物の姿が、影に溶けるように見える。
黒影とは違う、その存在感は圧倒的だ。
黒影が都市の一部を操っていたに過ぎないことを、ここにいる者だけが知っていた。
「欠番、春日……君の力は確かに強い。だが、それだけでは都市全体を支配するには足りない」
影の黒幕が微笑む。
その笑みには、冷酷さと計算高さが混ざっている。
――東京全体を舞台に、欠番と黒影を使った試みは成功した。
だが、本当の戦いはこれからだ。
部屋の窓から夜景を見下ろす。
東京の光と影が、微かに揺れる。
欠番・春日が中心として守る街。
だが、その力はまだ、黒幕の計算の中にある。
「次は、私が直接手を下す番だ」
黒幕が立ち上がる。
その瞳は、欠番を試すように光る。
一方、東京の別の場所では、欠番・春日と渋谷が夜空を見上げていた。
「春日……何か不穏な気配を感じる」
渋谷が警戒を促す。
「……ああ。黒影は撤退したが、その背後に黒幕がいる」
俺の手は、自然に刀に伸びる。
欠番として、中心として、準備はできている。
――東京の均衡を揺るがす、新たな影。
――欠番・春日、その戦いは第二巻を超え、都市全体を巻き込む大規模戦へ。
「……来るか、黒幕」
俺は刀を握り直し、渋谷と共に夜に溶ける影を見据える。
東京の夜が、再び欠番と新たな敵の戦いの舞台となる。
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