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『十二都刀戦(じゅうにととうせん)』  作者: 匿名希望


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黒影の分断作戦



### 黒影の分断作戦


東京の夜は、静かに広がっている。

だが、街の影では、黒影の策略が静かに動いていた。


「春日、状況を確認」

渋谷が端末を操作する。

スクリーンには、黒影の複数部隊が街の各所に配置される様子が映っていた。


「……西側だけじゃない。東も、南も……分断してきた」

俺の胸に、緊張が走る。

黒影は、俺たちを都市全体で孤立させる作戦を取っている。


「欠番として、中心に立つ者を分断させる……巧妙だ」

渋谷が冷静に分析する。

「街全体を使った罠、情報戦と連動している。

 一瞬でも判断を誤れば、渋谷も俺も孤立する」


「……でも、逃げられない」

俺は刀を握り直す。

欠番として、中心に立つなら、分断されても戦わなければならない。


ビルの屋上から、俺たちは接近する黒影の部隊を確認する。

数は明らかにこちらより多い。

だが、焦ってはいけない。

欠番の力で、空間と重力を制御すれば、数的優位を補える。


「春日、俺が右側の包囲を抑える。君は左側の黒影を処理しろ」

渋谷が指示を出す。

「了解」

俺は深呼吸し、刀を構える。


黒影たちは静かに迫る。

だが、俺が動くと、重力の歪みで歩行が乱れ、攻撃の軌道を少しずつずらすことができる。


――欠番としての制御力。

戦闘だけでなく、都市全体の戦術を操る力。


「……来る!」

黒影の一人が高速で斬りかかる。

空間が裂ける衝撃に、俺は刃を合わせる。

しかし、別方向から別の黒影が迫る。


「くっ……分断作戦か」

俺は重力を操作して軌道をずらし、二体同時に迎撃する。

渋谷も右側で光の刃を振るい、黒影の動きを抑える。


だが、黒影の数は多く、徐々に包囲の輪が狭まる。

「春日、中央に戻って一気に突破する!」

渋谷の声が叫ぶ。


「……分かった」

俺は刃を握り直し、欠番の制御を最大限に集中する。

都市全体の空間と重力の流れを読み、黒影の動線を断つ。


ビルの屋上を駆け抜け、街路を跳び、黒影の包囲網を裂く。

光と影が交錯する都市の迷路で、俺は欠番としての中心を保つ。


――誰も犠牲にしない。

――中心として立つ以上、逃げることはできない。


黒影の分断作戦は、確かに効果を発揮していた。

しかし、俺と渋谷の連携と欠番の制御力によって、その輪は破られつつあった。


夜の東京が、欠番と黒影の駆け引きに震える。

戦いはまだ、都市全体を舞台に続く。


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