黒影との遭遇
### 黒影との遭遇
東京の夜は、冷たくも鋭く光っている。
高層ビルの間を吹き抜ける風に、ネオンの光が揺れる。
その静寂を裂くように、黒影が現れた。
「……ここで会うとはな、欠番」
黒影の一人が、闇に溶けるように立つ。
その刃先は異様に光り、空気すらねじれるかのようだ。
「俺は、逃げない」
刀を握り直す。
欠番として、中心として、立つ覚悟を胸に。
「なら、見せてもらおうか……その力」
刃が交わる。
火花ではない。
空間そのものが歪み、ビルの壁が微かに揺れる衝撃。
黒影の動きは計算され尽くし、どの隙も見せない。
「……速い」
渋谷の声が背後から届く。
俺は刀を振るたびに空間の重力を調整し、攻撃をかわす。
欠番としての制御力が、初めて本格的な戦闘で試される瞬間だ。
「なるほど……欠番の力か」
黒影が一瞬の間、刃を止める。
だが、その瞬間を逃さず、俺は反撃に転じる。
刀先が黒影の胴をかすめ、体勢を崩させる。
「やった……!」
しかし、黒影はすぐに立ち直り、逆襲の刃を振るう。
攻撃の軌道は予測不能で、重力さえ歪む。
「渋谷、援護を!」
渋谷が駆け入り、光の小型刀で黒影を押し返す。
その隙に、俺は再び攻撃の構えを取る。
――欠番の力は制御だ。
ただ拒否するだけではなく、空間と時間を操作して攻撃を分散させる。
それが俺の武器だ。
黒影も気づいたのか、一瞬だけ間合いを保つ。
「面白い……だが、まだ甘い」
互いに息を整え、視線がぶつかる。
この戦いは、一瞬の油断も許さない。
だが、俺は理解している。
黒影との戦いは単なる力比べではない。
情報、駆け引き、精神――すべてが欠番の中心として試される戦いだ。
「……俺は欠番だ。
中心として、東京を守る!」
刀を振り抜く。
光と闇が交錯し、ビルの屋上に轟音が響く。
戦いは、まだ始まったばかりだ。
黒影の正体も目的も、全てはまだ掴めない。
だが、欠番としての覚悟だけは確かにある。
――誰も犠牲にはさせない。
――俺が中心なら、世界を止めることも、守ることもできる。
夜風が、刀の軌跡を揺らす。
東京の夜は、欠番と黒影の戦いで静かに震え始めていた。
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