2-1欠番の帰還ー邂逅
### 邂逅
東京の朝は、まだ眠っていた。
だが、裏側では嵐の前の静けさが漂っている。
「春日、起きろ」
渋谷の声が、薄暗い部屋に響く。
俺はベッドの上で目をこすりながら、刀に手を伸ばす。
まだ昨日の戦いの余韻で身体は重い。
「……また戦うのか?」
「そう。秩序派も混沌派も、黙ってはいない」
渋谷は、窓の外の街並みを見つめたまま言う。
その背中には、強い覚悟が宿っていた。
俺は刀を握り直す。
傷はまだ疼くけど、心の熱さが痛みを上回っていた。
「第一巻の戦いのあと、何も変わってない……いや、状況はより複雑になった」
渋谷が手にした紙を差し出す。
「今日の秩序派会議の内容よ」
そこには、秩序派内部の争いの痕跡が書かれていた。
* 一部の派閥は欠番の力を恐れ、排除を検討
* 他の派閥は欠番を保護し、統合の道具として利用
「……味方も敵も、はっきりしないな」
「だからこそ、春日が欠番として中心に立たなきゃ」
渋谷の瞳が、強く光る。
「欠番としての存在が、東京の均衡を左右する」
その瞬間、窓の外で黒い影が動いた。
――人影ではない。
光を反射したスーツ姿が、ビルの影に溶け込む。
「……誰だ?」
「新しい敵かもしれない」
胸の奥に、戦慄が走る。
刀を握り直し、俺は立ち上がった。
「行くぞ、渋谷」
「ええ、準備は万端」
俺たちはビルを出る。
東京の街は、今日も無邪気に光っている。
だが、裏では欠番としての戦いが再び始まろうとしていた。
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