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『十二都刀戦(じゅうにととうせん)』  作者: じょんどぅ


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光の先に



### 光の先に


地下の空間が静まり返り、まるで時間が止まったかのような感覚に包まれた。しかし、その静寂を破るように、前方の空間が不規則に揺れ始める。


「……また、何かが動き出したのか?」

春日が警戒を強めながら、仲間たちに目を向ける。

「なんだ、あの光……?」

渋谷が声を漏らすと、その指先がまるで焦点を定めたかのように、空間の一点に集中する。


その光は、先ほどとは異なり、異次元から伸びてきたかのような、青白く輝く筋となっていた。

それは瞬く間に地下の空間を貫き、まるで扉のように空間に広がりを見せていく。


「この空間……まさか、まだあの扉が開いているのか?」

千鶴が眉をひそめて言うと、春日はうなずく。

「でも、あれは……監視者の力を封じ込めたはずだ。じゃあ、あの扉は一体……?」


その問いに答えるかのように、光がさらに強くなり、まるで空間がひとつに繋がっていくような感覚が広がる。

「お前たちが力で扉を封じたと思っているのか?」

突然、空間の奥から響く声が響き渡る。その声は、まるで地下の奥深くから発せられたように、不気味に響いていた。


「監視者の後継者が敗れた今、この扉の力を制御する者が現れるべきだと、私は待っていた」

その声が現実のものとなり、光の中から現れたのは――


「……貴様は誰だ?」

春日が即座に反応し、手にしていた刀を握り直す。


光の中から現れたのは、全身を黒い鎧に包んだ人物だった。

その鎧は、まるで暗黒の力に染まりきったかのように、光を一切吸収しているかのようだった。

顔は隠れており、只者ではない雰囲気が漂っている。


「私は、この世界における“扉”の番人……アビス・ガーディアンだ」

その人物が名乗りを上げると、周囲の空間が再び震え始める。


「扉の番人……? お前があの扉を開いていたのか?」

春日の問いに、アビス・ガーディアンは冷たい声で答える。

「私は、この扉を守る者。そして、あなたたちが封じ込めたものの真の力を引き出すために、待ち続けた」


その言葉に、春日たちはしばし動揺を隠せなかった。

「真の力……?」

「その通りだ」

アビス・ガーディアンが口を開くと、鎧の隙間から黒いエネルギーがひしひしと漏れ出す。

「監視者の力を超越した存在、それこそが真の扉の力だ」


その言葉を聞いた瞬間、春日はある思いに駆られた。

「監視者の力を超えた……?」

「その力を呼び覚ましたのが、あなたたちだ」とアビス・ガーディアンは冷笑を浮かべて続ける。

「君たちが戦ってきた者は、あくまで前座に過ぎない」


その言葉に、春日たちの心に一層の不安が広がる。

「お前は、何を言っている?」

千鶴が鋭く問い詰める。

「扉を開くということは、この世界を終わらせることだ! それを、お前が望んでいるのか?」


アビス・ガーディアンは、無表情のまま言った。

「私の役目は、終わらせることではない。この世界を新たな次元へと移行させ、真の力を与えることだ」

「お前が望んでいるのは、世界の終焉ではなく、終わりのない“新しい始まり”だと言いたいのか?」

「その通りだ」

アビス・ガーディアンは静かに答える。

「だが、それを実現するためには、君たちがその扉の力を完全に理解し、その力を支配することが必要だ」


その言葉に、春日は再び悟った。

「つまり、お前は俺たちにこの扉を開かせようとしているということか……!」

「その通りだ。君たちの力では、この扉を完全に封じることはできない。だが、君たちがその力を受け入れ、全てを支配する覚悟を持つなら、扉は永遠に開かれ続ける」


その瞬間、アビス・ガーディアンの周囲から黒いエネルギーが急速に広がり、空間を歪め始める。

「お前たちに与えられた試練はこれからだ。君たちは、今この瞬間に“選択”を迫られている」

「選択……?」

春日はその言葉に鋭く反応した。

「お前の言う選択とは、一体何だ?」


アビス・ガーディアンが冷笑を浮かべると、その顔の下で何かが変化を始める。

「君たちが今、全てを支配する力を手にするか、それとも世界の秩序を保つために扉を封じるか。どちらかを選ぶのだ」


その瞬間、周囲の空間がさらに歪み、無数の扉が現れる。

それらの扉は、すべて異なる力を宿し、様々な世界を映し出しているかのようだった。

「さあ、君たちに決める時が来た」

アビス・ガーディアンが冷たく宣言する。


春日たちはその言葉に迷いながらも、必死で考える。

「俺たちはどうすればいいんだ?」

渋谷がつぶやく。

「もし、扉を開けることが世界を破壊することになるのなら……」

「でも、あの力を制御することができれば、この世界を新たな次元へと変えることができるかもしれない」

千鶴がしばらく黙って考え込む。


春日はふと、仲間たちの顔を見た。

「みんな……俺たちは、どんな選択をしても一緒だ。どんな力を手にしても、俺たちはみんなで戦うんだ」

その言葉に、仲間たちは静かにうなずいた。

「それが、俺たちの選択だ」


その時、アビス・ガーディアンが微笑んだ。

「ふふ、素晴らしい。では、試練を受け入れなさい。君たちがその力を手にする準備ができているなら、扉は開かれるだろう」


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