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読んでもらう方法(小説ではないです)

作者: 小桃 綾

 職場の後輩はよくミスをします。

 ミスの原因のほとんどが『手順書を読んでいない』ことです。

 後輩は聞いたことがないのでしょうか。

 手順書は先輩たちの血と汗と涙で出来ているということを。


 私がこの仕事に就いた頃は何度も読みましたが、仕事内容を覚えた今は読んでいません。

 久し振りに手順書を読み返してみました。


 今の業務と一致しない古い記述が数カ所あるし、説明不足なところもありました。でも、読み手が考えながら読めばちゃんと理解でき……そうか! 


 読み手に頼っちゃダメなんだ! ちゃんと作者が伝えたいことを100%読み手に伝わるように書かなきゃいけない。それによく読んでみるとこの文章は何も感想が浮かばない。こんなの読まされても読み手が困るだけだ。読んでもらうための工夫が必要なんだ!


 そう気づき、私は手順書の文言修正に取り掛かりました。


----------

<修正前>

・帳票の数字を読み、その数字を入力欄にキーボードで入力する


<修正後>

 白き紙面に刻まれし数の調べを瞳に映し、指先は黒き鍵盤を奏でるように、電子の箱へと写し込む。



<修正前>

・OKにカーソルを合わせて右クリックする(画面が切り替わり入力画面が表示されます)


<修正後>

 矢の如き光のしるしを『許し』の扉へ導き、右の指先で眠る恋人の頬を優しくつつくように、静かに合図を送る。(世界は頷き、次の幕が開く)



<修正前>

・帳票を半分に切り取り、納品書と印刷されている方はお客様あてに送付、(控)と印刷されている方は現場保管する


<修正後>

 一枚の証を二つに裂き、名宛て人のもとへ飛ばす片翼と、ここに留まり記憶を守る片翼。紙は二度とひとつになれぬ運命を背負いながらも、それぞれの場所で与えられた使命を果たす。

----------


 タイトルの修正は手順書一覧や紐づく関連手順書にも影響するので諦めます。

 ちゃんと前書きとして『後輩が手順書を読まないので手順書を更新しますが普通の手順書では読んでもらえない件について』とメモ書きを添えて、上司にレビューしてもらいに行きました。


 上司は全部読んでくれましたが、承認印を押さず無言の笑顔で返してきました。


 PV1です。

 レビューどころか☆1すら貰えませんでしたが。

 何がダメだったの? 短編がダメですか? 好みのテイストではなかったですか?

 まさか、ジャンル違い?

 今日は暇で平和な一日でした。

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― 新着の感想 ―
…………まあ、マジレスするなら自分でマニュアルを作らせるのが一番覚えるよね。 自分が教える場合を考えて作らせると、調べる&尋ねるで、それなりのが出来る場合も。それを添削してさらなるレベルアップも出来る…
手順書やマニュアルなどの文書は読んで貰わないと困るので、「読んでもらうための工夫が必要」という視点人物の発想自体はとっても正しいですね。 現状に即していない部分などはキッチリと訂正する必要があるでしょ…
上司に出す時に「今までの手順書は破棄させてもらう!」と宣言しないとwww
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