第68話「結・続きは本編で!」
「どうやらエレメンタルワールド以外の作品は本編として認識されていないらしい」
天上院姫はそう言い、そこまで聞いて、天上院咲は遺憾になった。
「は? それ誰基準? まさか戦空や聖典基準とかふざけた幻想発言はやめてよね? そんな基準点ねーから」
それでは今までの咲の努力は無駄だと言いたげではないか。
「まあそれは解るんだけど、エレメンタルワールドをもうちょっと咲みたいに気軽にハードル下げて進行すれば続けられるんじゃないかな? 元ネタが自分達だって解った以上、問題は四重奏と絡んでないと言うより、エレメンタルワールドの本編と書いてないから、咲は不遇の扱いを受けていたことになる。つまりエレメンタルワールドⅡで咲の出番を増やせば、咲も桃花も、正統な評価を受けられる可能性が高いって算段だ、問題はエレメンタルワールドⅠと繋がっているのか否か、しか関わっていないと思われる」
そこまで言われて、咲は何となく腑に落ちた。
「ふむ、つまり知らなかったから本編扱いされてなかっただけで。EWⅡだと自覚した上で私や桃花先生が活躍する場を与えられれば、ちゃんと評価されるってわけね」
「そゆこと、でも今までの感じからすると。打ち切りでも何でも、ちゃんと完結させなきゃズルズルと長続きするのは眼に視えてるからちょうどこのタイミングで完結するのはアリだとおもうんだ」
姫の意見に咲は同意する。元々このドアの世界だって、VR世界での不自然な体の痛みの緊急回避のために開いた部屋だったわけだし。
原因がEWⅠの先に用事があって、それ以外は考える必要が無いのなら、Ⅱをやるべきだ、と自然と判断出来る。
もっとも、神経とネットワークが繋がっているVRゲームが元ネタだとは聞いていないので、その庭には戻れない。元々間違っていた庭だったと言うだけだから、あるべき場所に帰れば良い。綺麗に整った道では無いが、さっさと移動した方が良いというのもある。
つまり、咲が主人公の世界線だと何も好転しないという、誰得なのか解らない不幸に見舞われている。〈本当の主人公じゃ無いから選ばれない〉という理不尽極まりない判断と判定を他者から食らっている。
「つまり姫姉ちゃんの意図としては、なら四重奏と同じ土俵で戦ってやろうじゃない、って提案な訳ね」
「そゆことそゆこと〈これはエレメンタルワールドⅠの正統続編です〉っていう、うたい文句ならちゃんとついて来てくれるじゃろ? まあそれに見合った内容になるかどうかは不確かじゃが……、てわけで。イベント〈いらなくなった約束をキミに〉は、そっちのタイトル名でやった方が良いと判断する。このまま続行してたらEWの番外編扱いでずっと続くことになる、それは咲だって不本意じゃろ?」
世界は四重奏で回っている、というより、エレメンタルワールドで回っていたらしい。
桃花は実力で主役をもぎ取った感じではあるが、生憎咲はそこまでの信頼を得られていない……。ということになる。信条戦空よりも、湘南桃花よりも頑張っているのにだ……。
「正統な評価を得るためにこのドアを閉める。という認識で良い? それだったら良いけど……まあ、名残惜しいのはあるけどさ……」
ここまで行くと実力不足なはずがない。単に毛嫌いされているか、選ばれなかっただけにもみえる。じゃあ同じ土俵で遊ぼう。という話だ。
「んーわかった。じゃあドア閉めて鍵をかけるよ、私がやるからね?」
咲が頑固にドアの開け閉めを譲らなかった。
ここでしっかり終わらせる。なぜなら本物だから。
そうなってから咲はドアを閉めて鍵をカチリッと閉まったのをチェックしてから、そのドアごと不思議な空間に消えていった――。
完結。




