第46話「承・EWの王と契約の定義」
再び咲の教室の中、またまた天上院姫が入って咲と相談していた。
教師&監督である咲は、まずGM&総監督の天上院姫に〈王〉についての定義確認をしてから授業を再開することにする。
「ああ~、何度もごめんこっちの問題で……」
「まあ自称なのか通称なのか知らないが一応私も〈神〉だし……、この世の〈王〉と〈契約〉については整合性取らなきゃと思ってね……」
確かにと思うし、良かれと思って外界で変質しているのならば、それに合わせた方が良い方向に転ぶだろうという判断だ。
「じゃあまず、精霊王と国王と、その契約者に何が起こるかの再定義をお願い」
咲は生徒達に教える前にまず自分が総監督から教わらないと話が進まないと感じた。
「うむ、まずEWの法則としてはまだ手探りなのでその発言は固定しないが。真に最上位の存在ならば、男性で、仕事以外の契約書は結んでいない。つまり最も異能な存在とはかけ離れている状態な。この場合、神や王との異能の契約は結んでいない事になる〈異能無し〉って所だけは強調しておきたい」
つまりGM姫にとっては、これが無いと始まらないという事なのだろう。
その上で。
「まず、現状確認だが。精霊と契約は結んだ経験はあるが、国王と契約を結んだ覚えはない、たぶんどこかで想子が付加価値変質したんだろうな」
ここまでは今までのおさらいである。
そのうえで王の再定義をする。まず精霊王の定義。
「精霊王との契約はファンタジーでの契約権となる、要するに非常識の王を契約者の体内に量子単位で小さくして、力を執行する。と定義する」
「国王との契約はノンフィクションでの契約権となる、ここは常識の王を契約者の体内に量子単位で小さくして、力を執行する。と定義する」
その上で現代風にアレンジする。
「例として国王と呼んだが、今回の咲の生徒達に関しては〈人種〉だ、だからここの生徒たちがルート通りに進むとしたら。日本人の王、ギリシャ人の王、中国人の王、南アメリカ人の王、北アメリカ人の王と契約することになる。つまり国境線や年代は関係ない。……蒼葉は存在自体が不明過ぎてどうなってるのか知らない」
本当に蒼葉は例外中の例外なんだなと思いながら、姫の話を聞いて咲は考える。
「てことは5人の生徒に関して、能力は常識の範囲内で執行出来る形になるのか」
ファンタジーサイドとノンフィクションサイドで別れているわけだ。
王道サイドと覇道サイドとも分け方が違うのでどう区別すれば良いのかわからないが、そこは慣れていけば別れて行くだろう……。
「てことは、次の授業の流れとして。まず契約する国王を決めて、風景画をお絵かきしてもらい、最後に数字番号や方位記号を書いてサインとする。って流れかな?」
「たぶんそうなると思う」
姫の反応に咲は更に考える。
「じゃあ名称を決めよう、理を入れると理由に結びついちゃうからちょっと困るので。王道と覇道サイドの小枠に〈空想の法〉と〈事象の法〉を別けると呼ぼう」
姫はそこまで決まったらあとは本当に契約する王をどう扱うかを検討する、なにしろノンフィクションなので実在している王と契約することになる。
「まあ〈事象の法〉の契約する王はたぶん故人の方が良いだろうな。現代人の王だと間接・または直接的に影響が出まくるぞ?」
咲は更に深堀りして思考する。
「別に未来の事象の王でも良いんでしょ? だって今現在、子供の頃のおもちゃが未来で仮面ライダーになり、現在でアナザーライダーになったとか有るし……」
経験したくない事象だが、あったと言えばあった。
「……初心者にそこまでやらせるか? 基本に忠実に最初は故人でいいよそこは」
「わかった」
姫は初心者にそれは難しいと咲に促す。
そこまで言い終わってから、さっきまで言った精霊王の定義を言い換える。
「精霊王っていうか空想王だよな? それと事象王になる」
「……まあそっちのほうが単純かな」
教室内で話し終わったので、その流れをしっかり聞いていた6人の生徒達の方へ顔を向ける。
「というわけで、今から5人には事象王と契約してもらいます、蒼葉くんは風の空想王との契約ね?」
「なるほどわかりました!」
蒼葉とともに。
ウオヤ、カナイ、カミムシ、タネドリ、イヌゾウも納得してくれた。
というわけで、咲は〈王と契約の定義〉についてまとめた紙を配る。
そこには先程まで出ていなかった文章も書いてあった。それは〈心源〉についてである。
蒼葉が咲に聞く。
「この心源って今出来るんですか?」
「出来るかもしれないけどやらないほうがいいわね、たぶん心源力で言ったら湘南桃花先生が一番高いけど……あなた達の場合まず絵や文字を書く前に、ちゃんと線を引けるようにコントロールしなくちゃ、感情を込めるのはその後の話ね……」
言って、生徒達は風景画を書く作業に取り掛かった。
「ちなみに出てきそうな質問だと思うので先に言うけど。心氣と心源の違いは、気持ちで描いてるか手で描いてるかの意識の違いもそうだし。何より自分の為に描いてるかと読者のために描いてるのか、で大きく違うからね? 体質もそうだけど、心源は読者第1主義で成り立ってるから」




