第42話「承・無力なままでは終われない⑰」
♪――誰がために、天国と地獄、夕焼けの、世界樹の下、秘密が眠る――♪
古来深海図書館。
名前◇災害の蜘蛛竜ポリアミン
希少◇SR
分類◇悪・ドラゴン族_空間_虚裏闇歴
解説◇時間軸により枝分かれしたルート分岐を大規模災害で0にしてしまうし、その時間軸で小型のポリアミンが好き勝手に暴れる、暴れても結果が変わらず大規模災害に収束するので、その後に調査しても破壊される運命しか残っていないので発見されない。大量に良質な木をその場所に植えたとしてもそのあとを追うように事件が発生するので何も残らず、痕跡を消している。
発生したあとの痕跡としては自然災害、人為的隠蔽工作、人権侵害弾圧裁判。
人々が存在を忘れた時に行き着く虚裏闇歴で食事空間の〈蜘蛛の巣〉を作り悪食を楽しみに待っている蜘蛛型の大型ドラゴンモンスター。
時間には存在せず、空間のみに存在ししているモンスターなので、過去や未来がいくら伸びようとその銀河やブラックホールごと空間を悪食してしまう。
分類としてはヴェノム。名前はオニグモから分泌されるポリアミン系神経毒素から来ている。
退治する専門家は美食家。
現在この戦場には3匹の大型モンスターがいる。
闇の探求獣イベルタル。
元滅種サクリファイス。
蜘蛛竜ポリアミアン。
月角獣の鋼仮面の青年は剣を持ち、この三匹の眼前に立ちふさがる。まるで何かを守るように……。
「他の戦場に比べれば大した敵ではないが、野放しにすると大惨事になるモンスターばかりだな……」
名前◇月角獣の鋼仮面ANEDU〈アネドウ〉
希少◇SR
分類◇ヒーロー軍団_巫家の門下生_光の守護者
解説◇聖性と悟性を兼ね揃えた、真面目な男。服は白マント。守護者長として、エレメンタルワールドの正典とも呼ばれる〈原文書物EW第1巻〉の内容を知っている者。〈基礎の一門〉と呼ばれる家系の巫家に所属している流派の門下生。空手の帯の階級が冠されており、色帯〈オレンジ〉に属されている。アネドウは魔法科学高校3年生、主である京学文美は高校2年生なので上級生にあたる。
ここで1つおさらいしておく。
現在このEWで社会的地位や階級は存在しないが、中学生、高校生、大学生、社会人で何年過ごしたかによる階級は存在している。
全員を羅列するのは難しいが、重要なキーパーソンである人物の学年をおさらいしておく。今回の羅列は年齢基準ではなく階級基準である。
BIG4から信条戦空は高校1年生、湘南桃花は社会人2年生、真城和季は高校1年生から飛び級で大学1年生、天上院咲は高校1年生、天上院姫は高校1年生。
桜愛夜鈴は高校1年生、日曜双矢は高校2年生、京学文美は高校2年生。
レジェンドマンは社会人4年生、桜愛神武は社会人4年生である。
◇
最未来歴2年、護衛艦あきずき
――治してはいません、歩けると、信じ込ませただけです。
――支点が出来る、別々のスパゲッティーを交差させることになる。
――ゲイツがここで迷ったらあの未来に辿り着いてしまう。
湘南桃花は理解して、オーバーリミッツもそれを感じ取った。
「そうか……、スズちゃんの所が支点になってるんだ、オーバーリミッツやるよ!」
「いいの? 本当に大丈夫……?」
オーバーリミッツは姿も場所も時間も違う所で同じ行動をやり直す、その記憶もある、でも〈その悪技〉をやってからじゃないと見られない景色があるんだ!
桃花は決意を込めて言う!
「正直、時差とか衝撃波が凄いと思うけど! でも今の私達なら出来る! 仲間達が助けてくれる! この先には素晴らしいものが有るから! お父さんが見られなかった景色を! 私が見るから! だから信じて! 最未来歴2年から今現在歴2025年に吹き飛ばす! やって!」
オーバーリミッツは桜愛夜鈴に確認の連絡を飛ばす。
「心の準備は出来てる? 夜鈴ちゃん」
『状況は解った! だから私は信じて桃花が作ったルートを進んで歩くよ! 迷わずに!』
「じゃあ……、行くよ!」
そう言ってオーバーリミッツは、迷わずに湘南桃花の左胸を殴って吹き飛ばした――。
――ドクン!!!!
その時、信じられないほどの衝撃波がザ・ユニティ戦局全域に拡大する。
「ぎゃああ!」
「何だ!?」
「もの凄い衝撃波だ!?」
「空間が!? 今まで居た地面が吹き飛ばされてる!? 地面も!? 空も!? 海も!? 浜辺も!? 狭間も!?」
「何が起こってる!? 何が起こってる?!」
「判らない!? うわ! うわああああああああああああああ!?!?!?」
繋がりの山脈。
桜愛神武はその事に気がついた。
「こ、これは!? 時間じゃない?! 空間が消し飛ばされている!? 復元していた空間が逆崩壊しているのか!? この〈迷わずの一撃〉は!?」
崩壊がの逆ということは再生されていることになる。
今度は、オーバーリミッツと湘南桃花を支点に。
皆が今まで築いてきた最未来歴2年が今現在歴2025年9月8日〈月〉に、肉体と精神が吹き飛ばされた。
今現在歴2025年9月8日〈月〉
ザ・ユニティ戦局図は最未来歴2年から今現在歴2025年にステージを丸ごと移した。
そして時間は迷わず歩き始める。
その瞬間、この一瞬を待ってましたとばかりに! 今現在歴2025年に居た皆が援軍に駆けつける――!
始祖の闇のエネルギーが枯渇するまであと2分00秒……?
始祖の闇は景色が突然変わったことに驚き硬直してあたりを見渡し状況確認を優先する。
この時、マルチバースの暴走化と運命論の暴走化が止まった……。
「暴走が、止まった……? しまった! 元のエネルギーを絶たれたか!?」
神武が気付いた時には時すでに遅し。
咲が姫に合図を送る!
「姉ちゃん! これ以上ないくらい今だよ!」
「オッシャー! 悪食噛み砕くううううモグモグモグモグウウウウ!!!!」
刹那――神武が動く!
「させるか! 刹那!」
さらに刹那を重ねる信条戦空――!
♪――それでも好き、闇の中の灯、絶やさずに、輝くために、迷わぬために――♪
天上院咲が戦空に合わせる。
「ムダだよ! 真夜ノ剣! 全記憶開放ぉ!」
景色が満天の夜になる。
「可能性の光――全展開――!」
戦空が星空の光を満天に咲き乱れる。
「ムダはお前だ! 私は闇の全てだぁー!!!!」
その時神武はパルパティンみたいな電撃を放つが、別の〈光〉に阻まれた。
それは闇の刀が輝く、蒼光の勇者の証。桜愛夜鈴だった。
「私こそ! 光の全てだぁ!!!!」
♪――今、この一瞬に全てを込める、全部輝き全てを繋げ、全部まとめて飛ぶキミへ――♪
「皆との光を――連結――!」
光と光が繋がる――。
「まだまだまだまだあああああああああ!」
桜愛神武が技を出せずに悪あがきをする。
「悪く思うな! 先へ進ませてもらう! 始祖の闇! 悪食完了!」
天上院姫が悪食を完了させる。金星の力とのエネルギー源が途絶える。
桜愛神武と信条戦空が犬神のように吠える。
「私は! 私は先へ進むべき者だぁあああああああーーーー!!!!」
「だがお前が邪魔だぁああ――!! ――ザ・ユニティ――迷わずの一撃!!!!」
とてつもない衝撃波が桜愛神武に迸る――!
皆の想いと願いが1つへ繋がる――!
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?!?!?!?!?!!」
森と山、繋がりの山脈で衝撃波が轟いた。
マルチバースから分裂された軍隊・モンスター達が、塵と消えていった……。
「……――!」
桜愛神武はついに、力尽きて大の字で倒れた。
真城和季が伝令する。
『こちら和季、……皆、終わったよ……以上、作戦を完了する!』
♪――私の太陽、光そのもの、ちゃんと聞くから、永遠のキス――♪
スズちゃんズの唄とダンスの幕も閉じて、ライトアップが消えた。
◇
エピローグ。
湘南桃花には感覚がなかった。
まずは手探りで確認を初めた、心臓は動いているのか? 呼吸はしているのか? 血脈は動いているのか? ここは地面なのか? ベットの上なのか? 魂は精神は心はあるのか? 肉体はあるのか? 時間と空間は大丈夫か?
ここはいつ、どこで、だれが、何をしたのか判らなくなった。
やがて自分は心神喪失していた事に気づき、意識をマドロミから現実へ引き戻す。
目覚めの時だった。あとはもう何もわからない、あとで考えようと止まらない思考加速をゴミのように捨てた。
とりあずここは今現在歴2025年だと認識しておけばいい、あとはどうとでもなるし、皆に頼って手を動かさなくてもいいんだ。と実感する。
確かにわかることと言えば、結局また、黄泉還ったんだろうな、という事だけだった。
「ふー……」
叩き起こされるのはもう勘弁だと思いながら、彼女は再び瞳を閉じて、自分で安眠を選択した……。




