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ドアの世界~少女は異世界ゲームで名を揚げる。~  作者: ゆめみじ18
第3章「ザ・ユニティ」西暦2037年11月19日〈水〉

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第39話「転・無力なままでは終われない⑭」

 繋がりの山脈。


 天上院咲は信条戦空の影の中に魔法で守護天使のバフをかけた、ソレ(・・)に対して戦空は怒鳴る。

「おい! なんだこの影!? こんなもんいらねーよ! 殴ったら終わりだろ!?」

「うっさいわね! 今の対戦環境じゃこれくらい強化しないとあんた戦えないのよ!」


 戦空の声に対して桜愛夜鈴は呆れて咲に返す。

「計らずも、戦場のバフデバフコントロールをやってるね、咲ちゃん」

「本当だよ!? もっと気軽なエンジョイプレイを目指してたのに!?」

 確かに魔法剣士だしオールラウンダーを目指していたが〈違う、こうじゃない〉という感情は溢れ出てくる咲。


 真城和季はドンマイとフォローするが同情は隠せない。

「不憫だなおまえ……まあ俺は自分で決断して軍人になったが……」

「くぎゅくぎゅくぎゅw ちゃんと魔法剣士やってるくぎゅ!w」

 キャビネットは普通にただ笑うだけである。


 名前◇大守護天使パーン

 希少◇SSR

 分類◇天使族_守護霊の牧場主_ギリシャ神話_絆値3

 解説◇信条戦空を主とする守護霊の牧場主。創世源種(オリジナルアーク)で異なるギルドの名称の違う3体の絆が必要。想子の追尾効果、主が攻撃を受けた時、影転移召喚による自動反撃効果。

 効果◇①このモンスターがフィールドに存在する限り、味方側の効果ルールによるコストが0になり、条件による素材・政治による財源が0でも発動可能。大型の〈自然〉〈AI〉〈政治〉〈光闇〉タイプのコントロール権を得る。②反撃対象者が大物の時に発動、〈呪詛纏身(じょそてんしん)〉効果が付加され、ルール違反が発生した場合、物理的に大災害・大戦争・大裁判による〈天罰〉が下る、この効果は術者が解除を宣言するまで忘れても解除されない。③可能性の光を連結(コネクト)した時に発動、臨機応変な攻撃で主を随時強化。④全てを証明するために全てを叶える、ではなく、夢を守りながら適材適所で叶える。に部分変更する。エネルギー源は太陽。


 GM天上院姫も唸る情報だった。

「なるほど、大災害は今までもあったが、大裁判の判決による分岐イベントも天罰で逃がさない戦略か、考えたな」

 最高裁判所での判決は後の法律や法廷に多大な影響を与える、いわばルールという名の大災害だ。多少のルール変更を加えたところで最高裁判の判決は覆らない。だからこその天罰である。


「大審判が下った後、そこから先の個人の人生は固定されるかもだけど、その法廷のルールは他の裁判所にも影響する、間接的にでも……考えたな」

 流石にこれは人間個人の影響力を超えた魔法だった。姫の貰った情報により導き出される咲の解答に、GM姫は花丸をあげた。


 言語化論的には正しいので戦空にくっ付けるのは正しいが、戦空本人がめんどくさいと嫌がるのは感情論である。ぶっちゃけ有った方がもっと動きやすくなる代物、咲の善意である。

 戦空はやらないが、咲がやるのは自由である。



 護衛艦あきずき。


「ちょっとまてまてまてブロードおおおおおおおおおおおお!?!?」

 心が叫びたがっていたので叫んだ湘南桃花先生。


「なに? 呼んだ?」

 真名はブロードこと日曜双矢は呼ばれるがままに来た。桃花は自分自身に呆れながらお互いの知見の齟齬の確認をする。それはもう恐る恐るに……。


「もしかしてお前高校生から時間軸止まってる……? 今高校何年生……?」

 桃花先生はそれはもう確認したくなさそうに聞いた。

「記憶はないが高校2年生ぐらいかな……?」

 これで全ての辻褄が合ったと桃花は確信した。


「う……恨むぞ高校2年生だった頃の私……てゆうかクールマ……」

 昔っから願いを叶えに叶えまくっていたクールマ。

 そこにオーバーリミッツは世界種クールマを養護するように言う。

「桃花、クールマも世界中の皆も、この世界を守るためにやってくれたんだよ? そりゃ流石にガンマ線は亀さんの甲羅でも厳しかったみたいだけどさ……」


 とはいえ、当時高校2年生だった桃花に大学生活の想像なんて出来るはずがなかった。そう、つまりこれは、通るべくして通った道、起こるべくして起こった現象ということになる。

「つまりまとめるとこういうことだな……? ブロード、お前が今まともに入れる大学が、そもそも選択肢として存在していないってことか……?」

「それは……考えてもみなかった」

 桃花は大学生としての記憶がある、だが〈まともな大学の描写〉は、ほとんどしていない。

 そもそも、少年漫画が描きたかった人物にとって。主人公が中学生や高校生なのは当たり前なのだ。

 となると、ドラマや実写映画の都合上、リアルタイムな人間にとっては大学に入れないか退学という道になってしまう。

 だって元の世界という名の原作には存在しないのだから。時系列という名の物語はそこで終わってしまうか、止まってしまうことになる。


 もちろん、高校2年生当時の湘南桃花にとって、言葉通りの経験不足だったのでわかるはずもないし出来るはずもなかった。

 そして、今までの経路も、天上院咲が言語化してくれた道も、全ては無駄になっていない。考えてくれたから今があるのだ。

 つまるところ、彼は高校を卒業するというルートは存在しないということになる。少なくとも今は……。

「……誰も教えてくれないわけだ……そして私が一杯いる理由も解ったわ……」

 桃花先生は一般人の人間、大学生活と大人、社会人経験を積んだ唯一の人物となる。そりゃ実写映画で一杯居るわけだ……と辻褄が合った。


 つまるところこのEWにはまともな大学は存在しないことになる。

 

「オーケー、解った作ろう、大学。もちろんブロードもリスクも咲も真城も、そこの大学に入れる、思いっきりぶっちぎりの合格点だ……ただ困った事に、私の体が足りない……」

 こればっかりは大人たちのチームである非理法権天の手を借りるしか無い。


「どうせゲーム会社で働いている天上院姫ちゃんは社会人担当で良いとして……問題は大学と高校の教師かな……教員が足りないな……」

 普通に考えれば難しい勉強を教えるのは桃花の方が良いのだが、彼女は中学や高校の教師を希望していた。となると消去法で大学はレジェンドマンの担当になる。

 だが、となると中学生の担当教師は誰がやる……? という話になってくる。


 一番問題児が集まるのは当然高校だろうこともあるけれど、だからって中学の教師がゼロ人も困る……。


 ここまでで、実績があって、人徳も良く、社会一般常識が有り、何より常識人で有ることを考えると……年齢とか関係なしに……。

「天上院咲ちゃんかな……」

 真城和季も候補には上がったが中学生に軍事学を教えるのは違うだろう……。

 リスクやヒルドでも良いかもしれないが正直ガキ過ぎる……。


 ブロードも冷静でいい感じかもしれないが、いかんせんまだ教える側というより学ぶ側なイメージが強い。

 秘十席群もアリなのだが彼には清掃員という真面目な職業があるし無理だ。


 神道社所属の社員、EW運営陣、魔法科学高等学校1年生科学科、中学校担任教師、天上院咲(てんじょういんさき)。という凄い肩書となる……。


 皆で手分けしてやるとしても、ギリギリの人材配置となる。


「じゃあ、公式発表としてはこれね」

 と言って、桃花は日曜双矢達に、今提示出来る限りの情報を提示した。


 中学校、担任教師、天上院咲。※中学校名はまだ不明。

 魔法科学高等学校、担任教師、湘南桃花。

 ルーキーズ相関大学、担任教師、レジェンドマン。

 社会人ビル群担当、星明幸、ミュウ、天上院姫。


 アリスが確認のために桃花に聞く。

「最果ての軍勢の学校はどうなるの?」

「ムリムリムリ手が足りない、ルーキーズ相関大学の中だわ、統合とか吸収じゃなく、純粋に手が足りない、同じ敷地内って事にして。学校が出来上がった年代は今のところ全部不明でお願い」

「ふむ、わかった」


 名前◇ルーキーズ相関大学

 希少◇SR

 分類◇大学_常識非常識_卒業免許の重要性

 解説◇地球の国連管轄の創世源種(オリジナルアーク)を正しく教育するための大学。担任教師はレジェンドマン。

 大いなる力には大いなる責任がともなう。国際間の平和、紛争や混乱を未然に防ぐため、科学と魔法、そしてすべての知識体系を統括的に扱うべく、国連の主導で設立された。

 結局のところ社会人になってからが本番、という考え方の多様性と他種族、多能力についての知識と経験を平等に学べる大学。大規模すぎる大学だが、大学の名前は質素。

 魔法科学高等学校で学んだ科学と魔法学に加えて、常識非常識学、異世界学、ゲーム学、モンスター学、持ち物学、存在学、神仏精霊学、陰陽五行学、政治経済学、道徳学、量子物理学、純化読解学、センス学、多層時空間学、思想子学、種族学、体質学、などの〈相互関係〉について理解していないと卒業できないし、創世源種(オリジナルアーク)の潜在能力がアース018の外界にとって、とてもじゃないが理解・熟知していない状況下で社会人として世に出すには危険すぎる。実際に超能力などを自分で出来るかどうかは置いておいて、創世源種(オリジナルアーク)は知識として知っておかねばならない義務教育に入る。


 この大学の卒業免許には社会的な常識と非常識を身に着けている証となる。未成熟な知識が招く力を十分に理解していないと、一国を滅ぼしかねない危険性があるから。

 ちなみに湘南桃花先生は、普通の大学を卒業したが。全部の学科の危険性の道を踏み抜いた経験からこの大学を創設した関係者、現在は魔法科学高等学校の教師。

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