第38話「承・無力なままでは終われない⑬」
♪――さよならは、転調させて、こんにちは、凍らない歌、情熱の歌――♪
最未来歴2年、繋がりの山脈、森林と岩肌の中。
始祖の闇と桜愛神武、BIG4は地上へと全員降りる、今度は地上戦だ。
天上院咲と天上院姫の気配が変わっていることは桜愛神武にも読み取れた。
流石に影の中の存在が違うことは読み取れる……。
だがその本質はあくまで本体の補助で、力技でゴリ押せば突破できるほどの難易度に設定されていることは理解できた。
名前◇合想獣・前熊
希少◇SR
分類◇幻想種_門番族_水星の力
解説◇天上院咲の護衛用大型モンスター。天使の翼の月の輪熊。この前熊は主の指示が無い時は想子の追尾効果が発動している。
効果◇この効果は主が攻撃を受けた時に自動反撃する。前熊が主の前方に距離を問わず影召喚され、2体の妖精が左右に特殊召喚される、この妖精は万能札であり、現代スマートホン2個分の存在力である。この妖精2体は物理的なガンマ線を通さない特殊な高密度コンクリートの門を左右に展開する。相手はこの門を攻撃する優先度が最大値になる。この門を破壊出来なかった場合、対象相手はこの門を攻撃し続けなければならず主にヘイト値が向かない。前熊は倒されても魔法によって死亡扱いにならず想力は主の元に還元される。エネルギー源は現実世界の水星の力。
名前◇合想獣・後熊
希少◇SR
分類◇幻想種_XYZ族_水星の力
解説◇天上院姫の護衛用大型モンスター。悪魔の翼の月の輪熊。この後熊は主の指示が無い時は想子の追尾効果が発動している。
効果◇この効果は主が攻撃を受けた時に自動反撃する。後熊が主の後方に距離を問わず影召喚される。①後熊は無意識・法則性のない攻撃への特殊障壁を展開する。②後熊は反撃された時、相手の攻撃力と防御力は0になり、実行された攻撃や特殊効果は、成功したし発動したが何も起こらなかった状態として結果ダメージがスキップされる。この効果は後熊に、時間カウンターを1つカウントする。この効果は時間カウンターが3つカウントされている場合、発動できない。現実世界の午前零時を迎えた時、時間カウンターはリセットされる。エネルギー源は現実世界の水星の力。
GM天上院咲はウインドウのコメント欄を流し見する、そこで姫は普段は拾わないが良い感じの褒め言葉があったので咲に伝える事にする、極限の集中力がいったん途切れる事になってもだ。
「練習で強いんだ、本番でも強いに決まってるだろってコメントされてるぞ、咲、良かったじゃないか」
「……そりゃあ本気で思考の迷子になったからね、努力の時間だけなら桃花先生にも負けてないよ……ただ方向性を間違っただけで……」
というわけで、脳筋漢ズの放った時差ボケスーパーパワーの衝撃波が一周した。
衝撃波が終わった後の自然を見る咲、木の位置、木の葉の揺れ加減、風の向き、暖かさ、川の流れ。そのうえで、桜愛神武に要注意危険人物に認定されている天上院咲は放課後クラブの仲間へ指示を飛ばす。
『シャンフロ、ちょっとフォローして』
「おおっと、ついに出番か?」
シャンフロは待ってましたとばかりにスタンバイフェイズに入っていたようだ。
『アセンブラくんの盤面に駒を設置して、あの汚染想子に関しては私達だけじゃ対処出来ない、もう根深いことは解ってるけど邪魔すぎる……。思想の毒、エレメンタルワールドの外界に散布された変質した世の中の膿……、汚染想子の対処をお願い。あんた達なら出来る、その〈信頼が有る〉からお願いするわ。何なら皆で手伝っても良い、クエスト発生させたり、神武海賊団も使っても良いし』
「解った、つまり俺の好きにして良いって事でオーケー? 何なら全部殲滅してもいいと……?」
『そうじゃなきゃつまらないでしょ? 神ゲー期待してるなら全部やって』
「無茶振り言うね~あ~もう全くもって無茶苦茶だ、アース018の地球全土の今までの信仰は誤解でした、誤字でしたっていうのか? 正気の沙汰じゃねえぜ……!」
シャンフロは、今回新しく提示された手がかり、即ちセンスタイプ極大や想子の浄化方法はステータス画面で確認済みである、情報は頭の中に入っていて実際に出来るかは知らないが……。
『ここまで来れたんでしょう? ならあんたなら出来るわ、ここまで追って、付いてきて、むしろこれで出来なきゃおかしいでしょ? あんた達じゃなきゃ出来ない、私達には出来ない、それともやっとここまで来たこの状況下で尻尾巻いて逃げる気? オーケー?』
何でも出来る、そう思っていた、少なくとも非理法権天はそう思っている。だがそれはエレメンタルワールドの内側の話で外側まで射程範囲には入っていなかった。やろうと思えばたぶん出来るんだろうが、それって違くね……? という疑問文が頭の中に入る、これは創世源種の問題じゃないからだ。外国の問題みたいなもんである。
「了解リーダー、神ゲー期待して待ってるぜ!」
そう言って、天上院咲とシャンフロとの通信は切れた。
◇
古来の深海図書館。
闇の探求獣イベルタル戦
非理法権天、獣人族、エルフ族、ヒーロー軍団。
この場に湘南桃花とレジェンドマンは居ないので、残り3人、クレープ、アルテマ、ユウニコが全体の指揮を取っていた。
アルテマが言った。
「新しいモンスターが出てきたぞ! 皆気をつけろ!」
名前◇元滅種サクリファイス
希少◇SR
分類◇闇儀式_永続効果_心変わり
解説◇創世源種1体を生贄に捧げ儀式召喚、その創世源種は墓地へ送られる、このモンスターが倒された時生贄だった創世源種は元に戻る。①このサクリファイスが戦場に存在する限り、一部の相手は攻撃できず、特殊能力も発動できない。②このサクリファイスは指定した2体に一部位に装備されそのコントロール権を得る。③このモンスターが魂の残滓である想子に装備された時、汚染想子の思想の毒となり自身はそのコントロール権を得る。①②③の効果は、このモンスター装備が破壊された時、コントロール権を失い、このモンスターを破壊する。
登場した元滅種サクリファイス、まずはめぼしい創世源種を物色もとい見定める……。
「さて、どいつに寄生して心変わりした方が面白いかな……クククク」
始祖の闇のエネルギーが枯渇するまであと3分30秒。
♪――流星に、流れにのって、突き抜けて、逆転せずに、光風にのる――♪




