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ドアの世界~少女は異世界ゲームで名を揚げる。~  作者: ゆめみじ18
第3章「ザ・ユニティ」西暦2037年11月19日〈水〉

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第33話「起・無力なままでは終われない⑧」

 ♪――二度と無い、全力魅せる、歩くため、一緒に歩く、果てなき道を――♪


 戦場に雰囲気をぶち抜いて歌声が響いていく。


 戦局・戦場が拡大し続けている。絵描き泣かせな状況だとは思うが、そういう戦争だと理屈で押さえ込むしかない。


 何せ各戦場で戦闘は開戦しているが、倒す数より増える数の方が速いのだ、しかも増えるエネルギー源は現実世界の金星のエネルギー、この戦場に限ってはほぼ無限と言っても差し支えない。エネルギー源は破壊出来ないし、常識的に言えば破壊しない方が良い。


 ただの雑魚が凄いスピードで増えるのなら、今までの戦闘経験値からいって何とか搦め手で対処出来るが、アナザーな自分が倒す速さより増える速さの方が速いというのが今回の戦場の大きな特徴だった。


 何とか湘南桃花が過去へ吹き飛ばされて戦場に〈永続罠〉を展開してくれたが、戦場全域ではない、一部のエリアの敵の増幅を防いだだけだ、増えてしまった敵は減らないし、特殊能力や効果を封じたのは戦局を大きく左右する重要な役割をやってくれたのだが、さっきも言ったとおり全域じゃない。


 世界線変動でフィールド全体が書き換わったが、その場にいたプレイヤー、モンスター、NPCなどの位置や記憶、持っていた武器はそのままに、フィールドだけが一部書き換わった形となる。

 

 どちらかというとアリスが展開・設置した〈不自然な光水の灯台〉は、この戦争の後、戦後でじわじわと効いてくる〈永続罠〉となっている、そういう意味では桃花はこの最未来歴2年後の未来を救ったことになるが、ほとんどその実感はない、なにせさっき設置したばかりなのだから何もやっていないような変化に感じるかもしれない、じわじわと効いてくるのを待つしかない。


 それほどこの運命論に関する変化は根深いものとも言えるかもしれない。


 護衛艦あきずきに乗船して休憩している湘南桃花は体力回復していて〈ほとんど自然自動回復のようなもの〉彼女は「まだ何もやっていない、まだ動ける、私も役に立ちたい」という。時間関係問題で起こる、行動した結果による世界の変化を彼女自身が実感していない状況下にあると言える。


 1番弱いオーバーリミッツが彼女を止めるが、桃花自身が何もやっていないのは事実なので、自分がやったことを受け入れるのに時間がかかるだろう。状況が解っていても、興奮と焦りと期待に答えたい、みたいな感情が入り乱れている状況下だ。それでも今の所は止まっている、留まってくれている。


「あとは〈信じる心〉だよ桃花!」

「……ええ!? そこまで戻るの!?」

 一瞬、桃花は長考したが〈元ネタ〉が解っている上で〈原因〉が判ればあとは対処が可能だ。

「枝葉の根本を切る、というより育てる方向を間違えたのかもね」

 と、アリスは桃花に言う。


「ええっと、つまり〈信じてるルート〉を通れって事なのだろうか?」

 桃花にとっては記憶が昔に戻りすぎて超今更な感じはするが、どこかで〈信じてないルート〉に入っていたことは間違いない。


 何にしても、記憶が過去へ目を向けているので、今の戦場では始祖の闇の思う壺。という事になるのだ。

 それでは未来に目を向けられない。


「あーもう、だいたいわかったから未来に目を向けるわよ!」

 内心呆れながらも、しかして原因をしっかり捉えた上で桃花の思考は今に戻り、未来へ目を向け始めた。


 そこまで長考して。

「……でもさ、定期的に信じてる信じてるってフラグ立てて裏切られたらサギにならない……?」

「そこはほら〈信じてよかった〉って想ってくれるよう努力すれば良いじゃない。元より悪いことはしてなんだからさ」

 そういえばそうだった、根っからの悪ならどうしようもないが、元が善人なら信頼に答えれば良い。


「ふむ、読者の面白いとはちょっと毛色が違うが、まあ〈信頼の件〉については後でじっくり考えるよ」

 そう言うと桃花は少し落ち着いた。


 今度は、もう一回長考した桃花が意趣返しするようにアリスに指摘する。

「だいぶ色んな物をコントロール出来て来たけどさ……、今度はアリスがコントロールする番じゃない? アリスの〈人形と言う名の器〉アレ結構勝手に動いてるよ?」

 そこまで聞いてアリスは「ああアレね」と知ったかぶる。

 そこで忘れちゃいけないのは運命の糸の時間が流動しているということだ。この糸は機械のように一度完成したら迷わないと思われる。


 スズちゃんのゴーレムとは別件だが、ある意味似たような使われ方をしているのだけは解った。

 使われ方としては無機物という名の器に心が宿っているという使われ方だ。


「あと桃花、自分のアストラル体が今だけでなく未来や過去にも飛んでる事を覚えておいて」

 オーバーリミッツは、流石に今教えて今すぐコントロールして、というのも酷な話なので心に留めて覚えておいてと教えてくれた。


「……それは、流石にクールマに教育案件だな~……」

 人間すぎる湘南桃花はある意味〈今〉にしか居ない。〈行った気分〉にはなれるが本当に行けるとは思っていなかったので。願いを叶えすぎてしまう世界種クールマに対してのルール作り、もっと柔らかく表現すると子供用の教科書みたいなものを作る必要があると思った。


〈アストラル体が未来や過去に行った時の叶え方〉とか……。


「いずれにしても厄介な問題児が居ることだけは解ったわ……」

 最果ての軍勢だけでも手一杯だったのに、それ以上の問題児がこの世に存在するとは思っていなかったので、教育係の先生として流石に頭を抱える湘南桃花だった。


 今の戦場のマップ状況も見ようと思っていたのに、こっち側の問題というか、ほとんど非理法権天の問題で時間を消費してしまった。


 状況確認と長話でこのターンは終わってしまった。


 始祖の闇のエネルギーが枯渇するまで残り6分00秒。

 

 ♪――鈴の音を、無力なままで、終われない、未練と懺悔、叫んで飛ばす――♪

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