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ドアの世界~少女は異世界ゲームで名を揚げる。~  作者: ゆめみじ18
第3章「ザ・ユニティ」西暦2037年11月19日〈水〉

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第20話「結・ザ・ユニティ」

 精霊石を調べるはずが、また寄り道して村人に情報を聞き出す咲。

「え、この道の先には海があって〈伝説の海賊〉が居るの……?」

 咲が第7の街で聞いた一般の村人の情報によるとそうらしい。


 どうやら第8の街に行くためには〈古来の深海図書館〉を通らなければならないが、そこを大海賊が根城にしているらしい。

 それは反対側の道〈未来の宇宙図書館〉も海に面している関係上両方とも彼らの〈縄張り〉らしい。


「そういえばこの世界では海賊の強さなんてモブモンスター同然だったな、ちゃんと描写してなかったや……」

 姫にとっては、この世界での海賊の情報が身近すぎて完全に忘れ去られていた。

「え、お姉ちゃんってこの世界の海賊と仲いいの?」

 考えた事の無かった咲からの問いに姫は微妙に悩むが、ありのままを言う。

「まあ、仲は悪くは無いし、友達だが……ごく一部は友達って表現になるのか? 確か描いてはいないがジンベイザメと交流があった時に接したとか……まああの時は世界を視て回っている途中で、今は忙しいっていう状況下で〈手に負えない〉状況下だったから後回しにしたんだよな」


「……ん? 何を後回しにしたの?」

「えっと、正直に言うぞ? 海賊への勧誘」

 まあ今でこそ自称〈自由の悪神〉と名乗っている姉だし、その体質上歓迎・勧誘されるのは解らんでもない咲。

 咲はもうちょっと姫に対してその海賊の情報の深掘りをしてみる。

「えっと、まずその海賊って。プレイヤーなの? NPCやAIなの?」


「詳しくは聞いていないがトップはまず間違いなくプレイヤーだろうな。小耳に挟んだ程度だが、魔法科学高等学校の卒業生らしいぞ?」

 てことは魔法にも科学にも精通しているプレイヤーが現在、通せんぼしているみたいな感じか……。

「へー、じゃあ科学の塔をクリアしたってこと?」

「聞くところによると、科学の塔も魔術の塔もクリアして卒業したらしいぞ?」

 そんな奴が何でこの異世界ゲームに潜伏していて、更に未知の海の図書館を根城にしているのか疑問が尽きない咲。


「そこまで凄そうな経歴なら最果ての軍勢か非理法権天の関係者かしら?」

 咲が予想出来る範囲の勢力を口にするが。

「いや、どうやら四重奏関係らしい」

「え!?」

 王道サイドじゃん、と、咲は無意識に呟いてしまった。その上で戦空の友達関係かな? と予想を立てたが……。

 で、もったいぶっていた姫が記憶を掘り出して思い出した結論が一言。


「桜愛夜鈴の父親らしい」


 咲は、いつものようなエンジョイプレイで何とかなるようなモブキャラだと思っていたが、その余裕がどんどん緊張感へと走り、次第に顔面蒼白になった。

「……え? は? え?! ここに居るの!? この世界に居るの!? ヤベーじゃん!? いや待ってそれはマジでヤバイ!? そんな奴がこの先の道で邪魔してくるの!? てか何で居るの!?!? えええええええええええ!?!?!?」


「だよな~……、この先の道に進むには倒して通らせて貰うしかないよな~……」

「何でお姉ちゃんそんな人の勧誘蹴っちゃったの!? 仲間にするチャンスだったじゃん!?」

「だからその時は忙しかったんだって! めっちゃ混乱してたの! てんやわんやだったの! お前は知らないじゃろうがー!」

 生まれてないのに知ってろというのは無理がある。


「ま、まあ解った。そこまで重要な人物なら後から聞いてもどうせ情報出て来るよね……、で、……名前は?」

 もっと聞きたい情報ではあるが、この先イヤでも耳に入ってきそうな予感がしたので。情報を聞くのを思い止まって、とりあえず名前だけ聞いて心を落ち着かせようという判断にした咲。


桜愛神武(さくらじんむ)。紛うこと無き、生まれながらの王だ」


 後にこれか起こる事件の名を〈ザ・ユニティ〉と呼ばれるようになるが。

 この時、咲も姫もこれから起こることを想像や思考・考える事も出来なかった。

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