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ドアの世界~少女は異世界ゲームで名を揚げる。~  作者: ゆめみじ18
第1章「エタニティー・サーガ」西暦2037年11月18日〈水〉

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第15話「転・ハイファンタジーでもゲームはできる」

 もうお忘れかもしれないが、この物語の主人公は天上院咲である。

 彼女は天上院姫のゲームをエンジョイプレイしたいがために、このゲームをプレイしている。

 よって、それ以外は後付けの邪道であり王道では無い。それが咲の曲げられない忍道みたいな感じだ。


 真っ直ぐ自分の言葉は曲げねぇ忍道とは根本から違う。

 折れったっていいし、割れたって良いし、何なら千切れたっていいが、それでも楽しければ彼女の勝ちなのだ。

 彼女自身が家族の善神として君臨しているのだって、結局楽しんだ結果論で、おまけでしかない。メインは楽しむこと、それだけ。

「まあ色々語ったけど、VRゲームからハイファンタジーに横断したって結局お姉ちゃんのゲームさえ出来れば万々歳な訳よ私は」


 ありのままを受け入れてありのままを楽しもうとしている咲の姿は、GM姫にとってもはや呆れるぐらいイカレタ我が最愛のゲームプレイヤーと育ってしまった訳である。この子何やったってついて来る気だ……。

「まあ少なくともゲームクリアか高校卒業までは面倒見てやるよ、流石に高校卒業したらもう〈少女〉じゃないからな」

 あまりにもくっ付いてくるので照れくさく突っぱねる姉。


「で、次は何のゲームやんの? オリジン世界線の100年歴史書? 第七の街破局した街ノットから冒険再開? ドアの世界で現実世界経由してハ〇ーポッターごっこ? スズちゃんネットワークⅡの深掘りする? それとも第1の街ライデンをもうちょい散歩して様子見とかする?」

 彼女にとって道は1つではない、歩く道を作るのが咲と姫の役割なのだから、それを追尾してくるのは他の仲間達の仕事である。


「まーそれはそれとして友達増えたね!」

「ぶっちゃけ増えすぎ何だよな~……、思わぬ変転と共に開花の時を見たが……」

 毎日ネット投稿はやめた方が良いとは言ったが、毎日作品を書いちゃいけないとは言っていない。

 幸福は創造の敵。アイディアの自重は発想の敵でもある。

 ただ、ネット投稿は週1にした方が心に真のゆとりが生まれるよってだけだ。

 これで心置きなく6日間はじゃんじゃん作品を書いてストレス発散して、7日目に読者に発表してほんの少し刺激的な緊張をすればいい。

 今までのノリと勢いが異常すぎただけだ、常識を逸していると言ってもいい。

「つまり?」

「いつも通りの歩くスピードで問題ない。ただ発表のタイミングだけ気をつけるだけで、心の緊張が7分の1になる。今はそういうターンじゃな」


「わかりずらい、ポ〇モンで例えて」

「今までの、毎日コーヒー飲んでネット投稿を数年間やり続けて手が止まらない方針が素早さ種族値200族のレジエ〇キだとすると。通常剣闘士の素早さ種族値108のコ〇ルオンにする感じ」


「パラドックスのテ〇ノカシラは素早さ種族値98だよね? 下がったの?」

「テ〇ノカシラはクォークチャージ時だけを考えたら、98かける素早さアップ1.5倍がのるから、単純計算で素早さ147だな。コ〇ルオンは特性正義の心だから素早さ補正が入る余地がない」

 解るようで解らない例え話である。


「あー……良い感じに速くなるけどパラドックスは昼寝が出来ないね……」

 と、咲は自己再生能力の話をした。その時の気分で疲れ切ったときに自由に昼寝出来ない方が痛手なのだ。

 エレキフィールドのデメリットは未来人の咲にとっては大きな痛手となる。

 もちろんパラドックスならば、という話で。自然の野生のポ〇モンには該当しない。


 と、そこへ咲にある天啓が舞い降りた。

「あ、もしかしてひこうタイプになればエレキフィールドの影響を受けずに昼寝出来る……?」

 咲はどちらかというと戦空と差別化するために空を飛んでいなかった。むしろ空は飛べるけど飛びたくないという部類で、苦手意識を持っていた。

 例えるならば水場や川や海で泳げるけど、泳ぎたくないという部類である。


 むしろ〈風が強い、君なら解るはず〉や〈今あるものは進んで行く、風の中を自分としてどこまでも〉や〈謎の乱気流がひこうポ〇モンを守る〉とか色々世界の情勢を読んでゆくと。飛ぶことこそ〈勝ちパターンに入る〉のではないか? という憶測や予想が立てられる。

 つまり空を飛ぶものは何故か世界法則として守る対象となっている訳だ。

 そうと解れば空を飛ばない理由はない。


「まあ、地面はだいぶ見たから。空を飛んでも良いかも……?」

「お前の場合〈飛べない〉じゃなくて〈飛びたくない〉だから〈空を飛ぶ〉ぐらいは別にスキルとして覚えて良いんじゃないか? あまりに空を飛びたく無さ過ぎて逆にアイデンティティーに成ってるのはアレじゃが……」

 つまりだ、黒の剣士に対して〈逆張り〉をし過ぎた結果、不幸の渦を呼んだことになる。不憫だ……。


「あー、そっかー! じゃあ今日のゲームの目標! 空飛ぶスキルを手に入れる! で第1の街ライデンでイベント進行させます!」

「まあそれで良いんじゃないかな?」

 咲と姫、両方異議無しの進行だった。


「わんわん!」

「な~~!」

 咲と姫の使い魔である、犬のマイも亀のクールマも賛成してくれたらしい。

 そうと決まれば、街の散策へと歩き出した。



「ん~飛行タイプで有効な技か~」

 咲は空を飛ぶ準備、アイディア出しを始めた。さらっとポ〇モン飛行技、特性変化の種類を見てから自分がどういったスキルをビルドするべきか考える。

「画竜点睛は奇跡的に飛んでた攻撃だったからあまり参考にならないね、デルタストリームは参考になるけど」

「デスウイングも奇跡的に飛んでるってだけでやってることは一撃の型だもんな、そこいくと魔導大隊の空中浮遊とか参考にならないか?」


「あれ、飛んでるには飛んでるけど思念で飛んでるよね? てことは空を飛ぶは2種類に分けられる、エスパー系で飛ぶ特殊型か、普通に翅を使って飛ぶ物理型か」

 咲は妖精の翅で飛んだことはあるので、物理の翅もいけるし、神様属性もあるので思念で飛ぶことにはある意味一番慣れているといえば慣れている。


 姫は、それとなく咲に対して補足をする。

「咲は魔法剣士だし別に魔法で空を飛ぶのは全然普通だと思うぞ?」

「となると特殊型か……、でも両刀もイケるっちゃイケるよね?」

 咲の場合オールラウンダー過ぎて物理も特殊の空技、風技は出来る。問題はスキルの中身が決まっていないという点だ。


「職業に飛行士があっても良かったな……」

 とか姫は運営視点で呟く。

「現代知識で行くと、空を飛ぶってあの空飛ぶ鉄の塊ってことになるけど?」

「ん~、ツルギの舞いみたいな、空飛んでバフかけるのしか思い浮かばないな、素早さと防御力上げる感じの〈空飛ぶ舞い〉みたいな変化技」

 というわけで、1つ攻撃スキルではない変化スキルをビルドした。

 名前◇空飛ぶ舞い

 希少◇R

 分類◇変化技_ひこうタイプ_バフ

 解説◇スキル回数を1使って発動する。自分の素早さ、物理防御、特殊防御を1ランク上げる。


 あんまり目立つ技ではないが、色んなプレイヤーやモンスターに使いやすそうなバフである。

 

「あー! あと周りに居る皆を〈浮遊〉状態にする技とか良いんじゃないかな? 最近フィールド合戦激しいし!」

「あー、物理って言うかエスパー技だよなそれ、あとそれも変化技だ。いやアリなんだけどね、ダブルバトルで4人全員が浮くのは」

 天候やフィールド系というよりもルーム系の技に近いかもしれない。使用したら5ターンの間場にいる全員を〈浮遊〉状態にするとか。


 名前◇エアロルーム

 希少◇R

 分類◇変化技_エスパータイプ_バフ

 解説◇使用した5ターンの間場にいる全員を〈浮遊〉状態にする。


「次、何か他に攻撃系のひこう技無い?」

「ん~てきとうに言うけど〈パスカル砲〉とか?」


 とか空を飛ぶ方法を考えていたら、また姫は別の方向性から天啓が舞い降りてきて。アイディアが浮かんだらしい。


「話が急に変わるけどさ〈時間レベル制度〉とかどうだろうか?」

 初めて聞く単語だがどうやら姫の頭の中にはその完成形が出来ているらしい。


「何それ? 初めて聞く単語なんですけど?」

「ずっと考えてたんだよレベルデザインを、HP、MP、攻撃力とか一杯数字羅列しても解んないだけだからさ。最終的にインフレするし……、でもさ、戦闘力が53万とかで超サイヤ人、超サイヤ人2とかになったみたいに。一定数の経験値を超えたら進化すれば数字がリセットされても成長度合いが視覚化出来るじゃん? なら、秒、分、時で表現したらイケル気がしない? それが時間レベル制度。ただこれをやっちゃうと、自動的にどんどん数字が増えるのには変わらないから。例えばいくら経験値を貯めても、次のランクに上がるにはギルドで手続きするとかすれば良い感じなんじゃないかな?」

 姫は早口で自分の中で完結した理論をまくし立てる、初見のそれだけで説明を完全に理解するのは咲にとっては困難だった。


「いきなりいっぺんに全部言われてもわかんないよ……」

「よし、じゃあまず。レベル表記はこうなる、初めての試みだから皆レベルは0だ」


 天上院咲 時間レベル0時0分0秒


「んん……?」

「んで、このレベルを上げる定義をこうする」


 〈野生のスライムを1匹倒すと1秒経験値上がるとする〉


「で、分まで上がったらスキルが手に入って、時まで上がると進化出来るとか」

「進化って?」

「超サイヤ人2とか、ギア4とか」

 そこまで来て、咲は姫がやりたいことを何となくわかった。

「あー、まーなるほど。1時になったら姿や色や見た目が変わるのね」


「これなら数字のインフレがちょっとは起きにくいと」

「でも結局数字が増えてゆく一方なんだよね?」


「それでも単位の負荷がかかってるから簡単には年とかのレベルにはならないはずだよ。で、それを勝手になるのを防ぐために、毎回レベル60秒超えたらギルドに申請しに行かなくちゃならないとか」

 つまり、ギルドに申請するというワンアクションをしない限り。レベル0時0分120秒とか、レベル0時0分1500秒とか永遠に次のランクである分に上がらない訳だ。その分だって60回やらないと1時には上がらない。


「っていうレベルデザイン」

「ふーむなるほど~、ケタ違いになる方法が最初から2段階準備されてるのか……まあ、存在値53万とか、存在値57億とかになるよりかは解りやすいのか……?」

 最初からケタ違いが2つ用意されているのは評価出る。レベルデザインとしては花丸をあげても良いくらいだ、あとはその運用方法、技量や物語の演出レベルにかかってくる事になる。ここはGMの腕の見せ所だ。


「見た感じ問題無さそうだね……」

「だよなだよな! あとはGMの腕が試されるって結論になるよな!?」

 誰もやったことない方法論だから誰も答えなんて知るわけが無いのだ。

「じゃあやって試すしか無いじゃん」

「だよな、じゃあやろう」

 というわけで、第1の街ライデンの内側から、岩壁を抜けて外側へ、スライム倒しに草原へ出た。


《時間レベル制度が導入されました》


「何かさ~、〈レベルを1分上げるためには60秒経験値とお米1袋分を納品しないと上がる申請が出来ません〉てギルドの受付嬢に言われたよ」

 GM姫が作った時間レベル制度で早速レベルを上げようとしたらギルドの受付嬢から条件を突きつけられた、一種のクエストである。

「はへ~~……そうなるかクエスト形式だね」

「これさ、60回クエスト受けなきゃレベル1時に上がらないから相当ハードル高いね……」


「ん~、まあ長期連載形式だしライフワークだしそんなもんで良いんじゃ無いかな? ギア2に成るための必要時間って事でしょ?」

「あー、まあそうだけど。1秒経験値はすぐに貯まりそうだけど、前もって必要素材の明記はして欲しいなあ~レベル5分回ぶんぐらいまでさ、先に可視化して欲しい、何の素材が居るのか判らん」

 良い案だと思ったが思った以上に相乗効果があり1分にレベル上げする負荷が大変そうだったと感じるGM姫だった。


 クエスト内容、スライムを倒して60秒経験値を貯めろ。

 必要アイテム、お米1袋。

 報酬、時間レベル1分アップ、スキル〈エアロルーム〉、


「これ、時間レベル0時0分0秒だから、皆スタートダッシュいっしょだよね? てことは始めるタイミングとしては今じゃん、絶好の初心者スタートダッシュ期間じゃん」

 まあドアの世界に入ってからの長いチュートリアルを終えた感じなので、何だかんだで初の始まりの街の草原なのである。ザコモンスターは、何だかんだで結局スライム。その次にターゲットとなるのはたぶん〈ほこり妖精〉だろう……。


 最初だから機械種のアセンブルくんも呼ぼうかな、と思ったが、頭の処理が多くなるので最初の1ターン目は自分と姉の2人だけでやることにした。

「……、じゃ、始めますか」

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