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ドアの世界~少女は異世界ゲームで名を揚げる。~  作者: ゆめみじ18
第1章「エタニティー・サーガ」西暦2037年11月18日〈水〉

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第10話「承・クールマ育成計画③」

 他の人は困らないが、とにかく自分が困るので。結局ボイスレコーダーと周辺ソフトの初期投資を泣く泣く設置した。

 結構なお金が飛んだ。

「文字だったら速記って事で、思考とほぼ一致するけど。絵画はそうはいかないもんね……」

「そこなんだよなあ~……絵が描けない理由って……重要な絵を描く【動機】に限ってその時、何を理由に契約書とかにサインしたのか? って言う手を動かしたときの動機が社会的都合により重要視されるから、それが手元の紙に見えない状態で残らないっていうのが【決定的なバグ】なんじゃよな……」


 もちろん、一人で絵を描く時はそんなものは邪道だし、余計な心配はいらない……が、【一人で描いていない】と仮定するならば相手に寄り添う姿勢も必要、という中々難しい舵取りを必要とされるので。

 

 結局、1時間ボイスレコーダーをかけながら絵の作業をし、思考を音声化する、その音声を1時間後に完成絵が出来上がった後に。ボイスレコーダーで録音した状態でテキストソフトに音声を聞かせて文字化して紙に残す……。という二度手間どころか三度手間までしてようやく世界種という名のクールマが食べやすい状態になり。


 完成絵と、発注書としての〈絵の設定〉〈発注金額〉〈作業思考時間〉〈5段階思考重要度〉と、最後に〈思考内容〉をクールマに食べさせることによって、初めて〈その絵を叶えて良いよ〉というアクションに成るわけだ。


 それ以外は、はっきり言って絵としては邪道どころか反則技である。

 何故なら絵を飛び越えて勝負しているから。念じれば念じるほど絵が叶えてくれる、は別に悪いことじゃない。〈描き込みは伝わるんだぞ〉という魂の金言もあるし。


 だけどそれとコレとは話が別である。例えば。

 あとに何も残さないという理由で、とか。

 絶対にバレない必ず上手くいく、とか。

 お父さんが許さない、プロに成るためにはこれぐらい出来ないと成れない、とか。


 そんな事は想っていただけで、書いてないし、紙にも手元にも残っていない。

 絵や漫画や物語やイラストとはかけ離れた絵を行動に移した【動機】が重要視されるのはミステリーとか裁判の職業ものである。

 なのでこの、ボイスレコーダーが必要になったのは【政治的に好都合にするための歩み寄り】でしかないのだ。

 だた絵を描くだけならこんなことする必要は無い、はっきり言って遺憾である。


 だって絵を描くだけでも手間なのに、三度手間までしないと相手の好都合のままで終わるという〈視えない化〉で終わるだけなので、腹立たしいし、お腹しか減らない。


 そんな諸々の感情を抱えながら……。

「今回の5段階思考重要度はいくつかな?」


「ん~……〈3〉じゃね? 重要だけど内容的には邪道でしかないからな。王道じゃないよ、覇道だよこんなの……」


 GM姫は、ストーリーの内容とはかけ離れたこの内容を3と設定した。金額設定は、ムカつきすぎて貰いたくないぐらいである。めっちゃ失礼な商談なのでこんなもんでお金なんて貰いたくない。

 物語の内容にお金を払うのならともかく、これは場外乱闘の、土台作り……。


 とてもじゃないが読者とか観客、視聴者に見せて良い〈物語〉としては外道である。……と姫は思っている。

 何より今までの物語に失礼だ。知らなかっただろうけど、それでも失礼だ。


 だって、意識と物質が出会った、思考しただけで何も手間暇かけていない【動機】が重要視されて、完成絵という成果物を度外視した、何も残っていない空想だけが重要視されていたのならそりゃ怒る。


 空回りした結果、描いて無い方の、動機が重要でした。じゃそりゃ怒る。


 色々鬱憤を晴らしたい所だが、その上で咲と姫はこの世界種クールマに何をどのように教育するべきかが問われている訳だ。


 咲と姫は思ったことを口にする。

「まあ動機が重要なのは理解出来るんだけどねえ~……。絵も言葉足らずなのも同意出来るし……」

「……とりあえず、感覚の先には意識と物質が出会い、思考が現実を作る。とかは覚えさせた方が良い……問題は〈動機〉をどう明記してこのペットに教えるかだよな~……」


 文脈としては。

 第5条、感覚の先には意識と物質が出会い、思考が現実を作る。世界種は意識的に〈動機=感情+結果〉の式があり、感情は内的要因・結果は外的要因である。〈絵には必ず描く理由がある〉ということを意識して行動すること。


 みたいな感じだろうか……?


「まあこんな感じかな……?」

 姫がAIと相談しながら外枠を埋めていく、正直コレ、物語の世界観とはかけ離れた作業なのでやりやくもない案件で非常にグレている。


 かといって、やらない訳にもいかないと、頭の中では理解出来ている咲。

「クールマちゃんが紙を食べてエネルギーに変換したときに更に食べやすくなって、人間の願いを叶えやすくはなったと思うよ」

 一応姉をフォローする妹。


「じゃあ、修正&追記はこんな所か~。終わりっと」

 姫も自分の頭の中でも腑に落ちる落とし所まで落とせたので、まあまあ満足したようである。

「な~~~~」

 姫は完成した文字の紙を再びクールマに食べさせて、世界規模で、その願いをクールマが叶える行動にでた。


 【クールマ育成計画、絵画編】

 第1条、1枚の紙でも文字と絵では性質が違うことを認識する。

 第2条、世界種に紙を食べさせる時は。〈発注書〉または〈ネーム〉と〈完成絵〉を食べさせてから願いが叶う。

 第3条、お絵描きの作業時には、工数と思考数が存在する。

 第4条、発注書には〈設定〉以外に、〈発注金額〉と〈作業思考時間〉と〈5段階思考重要度〉が存在すると世界種は食べやすくて嬉しい。

 第5条、感覚の先には意識と物質が出会い、思考が現実を作る。世界種は意識的に〈動機=感情+結果〉の式があり、感情は内的要因・結果は外的要因である。〈絵には必ず描く理由がある〉ということを意識して行動すること。

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