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異能者の学園に潜入したので、異能を使わずに学園最強を目指します  作者: sei10


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15 震えて眠れ

最終試合も終わったことで、Live配信では表彰式が行われていた。ちなみに、表彰されるのはポイント上位3名で、メンツは生徒会長と生徒会書記にCクラスの人物という感じだった。


ぶっちぎりの一位が生徒会長なのは当然として、二位がCクラスなのは意外だったな。いや、でもABクラスのことごとくが生徒会長に蹂躙されていたので、まともに試合が出来たCクラスのトップが表彰されるのは当然と言えば当然か?


「....で、だ。どうする?」


表彰式と閉会式を見終えた俺たち四人は、リビングのテーブルで改めて話し合いを始めた。


「哲郎。お前は作戦の(かなめ)なんだ.... 不本意ながらな。で、そんな奴が良い所のボンボンにちょっかいをかけやがった。どうすればいいと思う?」


「知らんッ!」


「コロス? コロスぅ」


「ちょっと光輝が怖いんだけど... どしたん?」


「頭湧いてんのかお前」


そこから一時間、獣になった光輝を抑えながら話し合いを続けたが、哲郎(バカ)は10文字以上の文章が理解できないらしい。とてもじゃないが有意義な話し合いなんてできなかった。


「はぁ..... もういい。取り敢えず、作戦への参加は決定事項だしな。お前が居なきゃ輸送がどうしようもなくなる。哲郎は、なんとかあの二人に許しを乞うて来い」


「....ん?」


「お前、あやまる」


「誰に?」


「こいつら」


テレビの録画で哲郎が不意討ちしている場面を見せると、やっとバカは自分のやるべきことを理解したらしい。


よし、取り敢えずは様子を見よう。そして、一週間のあいだに事態が収拾できることを祈ろう。夜襲を掛けられるならまだいいが、監視を付けられるのは一番マズい。あとは光輝が落ち着いたら、そこら辺の立ち回りについても相談しなきゃなぁ.... あー怠い。


「とりあえず、目下の最優先目標は来週の任務だ。それまでに、哲郎は今回の件の清算。守はまぁ.... 英気を養っといてくれ。今回お前が相手にするのは八剱の片割れ、規格外(EX)の領域に在る異能だ。当日に腹痛とか訴えたら、内臓総入れ替えだからな。覚悟しとけ」


「....ハイッ! 了解いたしましたぁ!」


「あと、お前は哲郎と距離を置いておけ。最悪の場合、コイツは捨てるかもしれんからな。お前も巻き添えを喰らいたくなければ注意しろよ」


「え? 捨てるって.... おれ?」


戦闘後でIQが著しく低下していた哲郎は、命の危機を察したことで知能が再起動したらしい。顔を青くして、先ほどの発言の是非を問うてきた。


「ま、切り捨てられたくなければ必死になれってこった。俺はもうお前の尻拭いはしないから」


「..........」


やっと今回の自分がやらかした事の重大さを理解した... 訳はないか。こいつはただ、自分が罰を受けることを知ってその未来を挽回したいだけだ。自分が何をやらかしたのかは全く理解していない。


こんなバカが、なんで【開錠】なんていう便利で頭を使うような異能を授かったんだか... 全く、(バカ)に真珠とはこのことか。


「とはいえだ。今は俺がこの場を仕切ってるけど、現場指揮官が光輝なことに変わりはない。今は精神をヤられたせいでおかしくなってるけど、寝て起きれば復活するだろ。今日は俺が部屋まで面倒を見るから、お前ら二人は震えて眠れ」


それだけ言い残して、俺と光輝は部屋を後にした。少しふらついている光輝に肩を貸してやり、光輝の部屋に到着する頃には時計の短針も6時を指している。


「飯は.... 今日はいいか。明日は休日だし、そこで良いモン食おうぜ」


「.....ぉう」


やっとまともな返事が出来るようになったらしいが、それでもまだダメそうだ。光輝のポッケをまさぐって、見つけた鍵でドアを開く。どうやら、光輝のルームメイトは部屋にいるらしく、玄関には脱ぎ捨てられた運動靴があった。


「すんませーん! お邪魔しまーす!」


とりあえずの断りを入れておいて、光輝と一緒に部屋の敷居を跨ぐ。部屋には服が散乱しているなんてこともなく、間取りは俺の部屋とほとんど同じ構造だった。


「よっこらしょっと... ふぅ。明日の10時頃には迎えに来るから。それまでには復活しとけよ」


「ぉう... すまないな。面倒かけちゃって....」


「気にすんな。ぜーんぶあのバカが悪い」


「はは... 違いない」


ベットに寝っ転がった光輝は、肉体と精神の疲労からか糸が切れたように眠りについた。そうして音を立てないように寝室を後にすると、こちらに近づいてくる気配が一つ...


「あれ? 御剣じゃん」


「んぉ? 神楽木か!」


そこで鉢合わせたのは、同じEクラスであるはずの神楽木だった。しかし、なぜ神楽木が光輝と同部屋なんだろうか? 神楽木はEクラスで、光輝はCクラス。一年生は部屋のグレードがランクの違いで大きく変わらないとはいえ、一つ飛ばしで離れているこの二人が同部屋というのはいささか気になる。


「どうして御剣はここに?」


「あぁ、彼とは昨日の昼飯の時に知り合ってね。飯友になったんだ。しかし、そこでばったり会った時にどうにも気分が悪そうだったから、肩を貸したんだよ。今日の試合がけっこう堪えたのか、一瞬で爆睡したみたい」


「あー。Cクラスの戦いも、ABほどじゃなくても結構すごかったしな~ 天野も善戦していたとはいえ、疲れは溜まってるものなんだな」


「そう言う神楽木はどうだったんだ? 今日の試合は」


「三人は倒せたんだけど、最後の一人がかなり接戦でね。剣を射出して仕留められたんだけど、隠れていたヤツに漁夫られちゃった。ちなみに.... 御剣の方は?」


「俺は霊気戦闘術において、一年では最強の男だからな。最後までしぶとく生き残ってやったさ」


「すごいな」


「これでも刀剣式には自信があるんだ。しかし、乱戦はかなり気を張るからか、俺もめっちゃ眠い.... 今日はメシも風呂も抜きでさっさと寝ようかな」


「試合の後なんだから風呂は入っておけよ~」


「いんや、実は北区の実地訓練場にはシャワーがあってだな.... 試合の直後に浴びているのでした! 流石に汗かいたまま寝るなんてことはしねーぜ」


「良いこと聞いたよ。俺も今度使ってみよう」


「おう。じゃあ、俺はそろそろお暇するわ。んじゃな」


「おう。おやすみ」


「おやすみ~」


その会話を最後に、俺は部屋を後にした。

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感想     歓喜

レビュー   狂喜乱舞

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