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異能者の学園に潜入したので、異能を使わずに学園最強を目指します  作者: sei10


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10 明日はバトロワ

無事に朝のホームルームに間に合った俺は今、眠気まなこで大教室のスクリーンを見つめている。


光輝の言っていたバトルロワイアル。その説明会が一年生全員を集めて行われていた。話はバトルロワイアルの振り分けやルールから始まり、それが今後の進退にどう繋がるかが先生の口から語られる。


とはいえ、入学早々に対人戦闘があるというのだ。全ての生徒は動揺を抑えられず、その喧騒はだんだんと大きくなっていく。そこで、しびれを切らした先生のうちの一人。自己紹介で学年主任を名乗った先生が生徒たちを一喝した。


「貴様らは我が校の生徒であるのと同時に、国防軍の未来を担う訓練兵であるッ! その自覚を持ていッ!」


霊気をふんだんに込めた一喝に、大教室は静まり返る。あのハゲ、学年主任と紹介されるだけあって、かなりの手練らしい。そうしてフンッと鼻息を荒げたハゲは、元の教員席に戻っていった。


そうして説明が再開される。とは言っても、その話の大半は昨日のバカ2人が言っていた内容と相違ない。途中から殆ど話を聞き流しているうちに、いつの間にか説明会は終わっていた。


「では、各自の教室に戻って、帰りのHR(ホームルーム)が終われば解散して結構です。明日の新入生歓迎戦に向けて、存分に英気を養っておいてください」


そんな言葉で説明会は締められた。その後のHRは可もなく不可もなくといった所。


早々に帰り支度を終えた俺は、寮ではなく学園北区の広い公園を訪れていた。そして、その一角に建てられた東屋(あずまや)の椅子に寝そべり、瞼を閉じる。


「おう、昨日ぶり」


「先輩二人は?」


「すぐ来るでしょ」


瞼を開けた俺の前には、四角いテーブルの一辺に腰掛けた光輝が待っていた。そして、少し待つと先輩二人も暗闇から姿を現す。


「はぁーあ。なんでわざわざここでやらなきゃいかんのですか」


「盗み聞きされたら一瞬で指名手配だぞ」


「へいへい、まったく。あいも変わらず薄気味悪い空間だぜ」


「ま、さっさと話を終わらせようよ。ご飯を食べに行きたいからね」


夢の世界にケチをつける哲郎と、作戦よりも食欲を優先させる守。そんな二人が席に着くと、光輝が話を始めた。


「まず、来週の回収作戦については、侵入経路を全知が送ってくるそうだ。なので、各自で研究区画の周辺を歩き回って地理を把握しておいてくれ」


「「「了解」」」


「で、だ。俺たちに課せられた任務の二つ目。八剱を継承するために、明日のバトロワはかなり重要だろう。そのために、先輩二人が知り得るEクラスとCクラスの強者(つわもの)を教えてくれ」


丁寧な説明を聞いた二人は黙り込み、少しの思案の後にまずは守が話を始めた。


「Cに関しては、突出したのがいる印象はそこまでないね。生徒会も全員Bクラス以上だし。まぁ、()いていうなら一部の華族や士族の連中なんだけど… それくらいは光輝も把握してるでしょ? だから、僕から話す意味は殆どないと思う」


「でも、Eクラスは曲者が居るぜ? それも、とびっきりのがな」


「へぇ.... どんなのだ?」


随分と期待させる言い方をするじゃないか。と、そんなことを思いつつも、俺はその詳細を哲郎に尋ねた。しかし、対する哲郎は驚いたような面持ちでコチラを見る。


「健人… お前、頭でも打ったのか?」


「なんでだよ」


「いや、戦闘狂(バトルジャンキー)なお前の事だから、初見で闘い(やり)たいとか言うと思ったんだが」


「なに、俺にとっては任務のほうが重要ってだけだ。特に、公衆の面前で戦うってんなら、異能縛りの剱技だけで戦うしかないからな。その状態で初見の異能者相手に食い下がるのはキツイし、変に目立つのは流石にタイミングが悪い」


「らしくねぇな」


吐き捨てるように言った哲郎は、そのまま黙りこくった。そして、今度は代わりに守が口を開く。


「じゃあ僕から話そう。その曲者ってのは2年Eクラスのやつで、実力だけを見ればAクラスに匹敵するってもっぱらの噂だよ。特徴は実体の無い狐の尻尾が四本生えてるところで、なんでも複数の異能を使うんだとか」


「何それ。チートじゃねぇか」


「今の所で確認されているのは、身体強化と感知系と火を飛ばす異能だ。尻尾の数とは合わないから、もう一つの隠し球もありそう」


「うへー」


「そんな強いなら、なんでEクラスに甘んじているんだ? そいつは」


光輝が疑問を呈すると、すかさず守が解説を挟む。


「それがね? なんでも、クラスを上がるたびに暴力沙汰を起こして降格処分になっているらしいんだ。華族の腰巾着が毎回ボコられてるんだって。多分、突っかかっているのは腰巾着の方からだろうけどね」


「自分たちよりも上にいるのが気に食わないって感じか。馬鹿らしい」


とりあえず、そいつと鉢合わせたら逃げるべきだな。そんなに実力があるなら危ないし、逆に倒せたとしても目立ってしまう。


そうして俺たち四人は話を詰めていった。また、今回のバトルロワイアルは三学年のEクラス... 人数にして90人が結界内で乱戦を繰り広げるという物であり、そこで10人程度を目安に狩ることが決まった。


やろうと思えば20人や30人でも素の刀剱式で狩れるだろうが、任務の都合上あまり目立つのも良くない。なので、10人がちょうどいい。


あとは、Eクラスにお貴族様がいないのも幸いだ。変に手を出せば、確実に因縁を付けられる。そんな理由で任務に支障をきたすなんてまっぴらだ。


そうして俺と光輝のバトロワでのノルマは決定できた。二年二人はもう慣れてるので問題ないらしい。


「よし、こんなところかな。明日は守と哲郎の部屋で観戦しよう。Eクラスが初戦だっけ?」


「HRでそう言われたな」


「EからAまで、逆アルファベット順だ。ケンちゃん(健人)コウちゃん(光輝)、僕とテッちゃん(哲郎)って感じ」


「.....なぁ、哲郎と守ってクラスはなんなん?」


「俺はA」


「僕はBだよ」


「「マジかよ」」


二人とも、かなり上位に食い込んでいる。流石... と言いたいところだが、どこか抜けている二人のことだ。やらかしていないとも限らない。


「異能は隠してるんだよな?」


そう問うた光輝に、二人は不敵な笑みを返す。


「「それは明日のお楽しみ」」


相も変わらず、息ぴったりなバカ二人だ。








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レビュー   狂喜乱舞

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