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ひなた  作者: ひまじん
18/19

レノンとマシンガンと女の子(名前はけい)

「は!はははははははははははは!行くぞ、かや」 

 レノンは、姿を、タイコウチ、水生昆虫・体長はその本来の生物通り___にして、船から投身自殺のように飛び降りた。 普通_水牛と化す前の客船と言う意味であるが_通常通りに安定した海原の、旅を続けるそれから、同じように、カマキリも飛び降りた。

 帰ってきたけいは、ちなつを背負っていた。目がギラギラと、怒りを激しく称えていた。

 何気ない、日常(快適な船の旅)満喫中を、引き続き、無理があるが、演じ続けるマシンガン、小山、鹿沼、自治医大、求喰柚宇は、その怒りに気付いていたが、それを表には出さず、近づいてくるけいの足音を、ただ聞いていた。

 ああ、本当にいい天気である。

 お、下を見れば、何かが通った。

 あれはオットセイでは、ないか?かわいらしい姿態をしている。

 けいは、言った。

「小山ちゃん。今から、クソ惑星巫天全員の名前を教えてくんろ。」

 くんろ、は栃木弁では、なかった。それほど、頭は回ってなかった。柚宇は、反論しようとしたが、今まで一番怖い兎瓦けいだったので、止めて、口笛に没頭した。

 本当にいい天気であった。


 4頭目のイルカ


 桂は、言った。

「さとしの、ね?坂口~?彼女いるでしょ?」

 坂口浄介は、ものすごい嫌な予感のまま、桂を見た。口には、だらしなくシュークリームがこびりついている。このあとの、桂の言葉は聞き逃した。

_地球様とは_

「と、あのちっこい魚ども。」

 桂は、白目をむいた。奥に、WE LOVE HUMANと出た。Times New Romanのフォントである。

_神岡眞弥様のことよ_

 桂は、言った。

「ワレワレノテキダカラッ!!」

 席を立った、浄介は、さわやかな顔で、CDプレイヤーの前に座った。今までの、彼女の話は聞いていたろうか。聞いていた。浄介は、今から言う言葉をあとで、自殺するほど後悔した。

「わかった。」

 

 MAKOTO


 レノンとマシンガンと女の子(名前はけい)


「ねえ。」

 ちなつは、明るい顔で、ば_と振り返った。けいも、笑った。

「意外とヘボいね、札幌時計台!ふっは。」

「ほんっとだべ期待はずれも、いいとこだべこれ。なあ、カエルキョンシ-?」

「カエルキョンシ-では、ないから!何パターンあんだよ!」

 マシンガンは隣で、珍しくモロにウケていた。

「がは!月よ!お前も、ヒトのことなど、言えぬではないか!兎瓦けいにいいように、飼育されているようにしか見えんぞ。」

 カエルは、真面目な顔でシャチの背中に乗った。なかなか、ファンシーな画であるが_

「マウヅ。本当。あともう一回、おれを月と言ったら。本格的に、この求喰川全JETTOES担当の尼李柚宇様の、力を拝むことになるぞ?半端生物。あ?」

「望むところだ。」

 マシンガンの背びれは、三本になり、それぞれの背びれにはETIAGXN/KANSMARSS/JETTOESと示しだした。

「お~い、何ケンカしてんだ、ばか!この札幌バーガー食うか?ハゲシャチにエロガエル様?」

「調子に乗るなと言ってるだろが、バカ人類」

 そ。

 カエルは、手ですくい上げられ、耳打ちをされる。けいは、女神のような笑顔で、カエルにつぶやいた。

「マシンガンがイライラさせた部分は、わたしが全部体で払うか・ら♪」

 珍しく、顔を紅潮させた両生類であった。

 マシンガンは、ぐひひ、と気味の悪い笑みを浮かべた。はっきり言う。可愛くはなかった。

「ねえ、ちなっちゃん。ちょっとこっち来て。あたし、漏れそうで。」

「いやいやいや一人で行きなさい!あんた何歳?」

 けいは、時間を止めた。乳をせがむ赤ん坊の目で、ちなつを見た。

「お願い。」

 けいは、ちなつの胸で号泣していた。

 ちなつは、

「ああ~、お気に入りの服が~もう売りに出せねえよ、ばか~。」

 手は、太陽のようにやさしく、友人の背中をさすっていた。けいは、しきりに同じことを口にしていた。

「怖かった!怖かった!、ぐ、怖か、、、ぐ」

 けいは、泣いていた。カラスがこっちを見てる気がしたので、トイレの中から、鳥にしし、とちなつは、やった。

 本当は、ちなつの方が、傷ついていた。


「MAKOTO?」

 小山は、マシンガンに聞き返した。

「というか、あなたがわたしに喋りかけてくれるってどういう風の吹きまわし?マウヅ」

 小山は、歩道橋の上で、謎の時間つぶしをする一行の中で、マシンガンをいぶかしげに見た。いつもの小山ではない。

「小山。お前の力は認めているつもりだ。ただ、あれだ。苦手なのだ、お前が。」

 ふ、と自嘲気味に、メスシャチは吐き捨てた。

「べつに言わなくても、いいだろ本人に。」

 本当にいつもの小山ではない。生理だろうか。きゃっきゃと、一体何十万年喋り倒すつもりなんだろうか、と思うほど、喋り続けるけいとちなつ、それから黙りこくった、かっこつけカエルをほっといて、マシンガンは続け、用件を説明した。曰く!

_「おそらく、FINE中、一番タチの悪いイルカが、来るが、、、お前一頭に任せていいか?求喰川秘密要塞<紫陽花>頭領<おいた>。」

 名前っぽい響きであった。おいた、と呼ばれた小山は、口に歯をぎらつかせ、答えた。Kansmarssが、反発、魂、意識思考が彼女の担当である。それと同時に、

「誰に口聞いてんの?マウヅ。あたしに敵う鯨類なんて、いねえよ。」

 惑星の全<液体>担当。


「たっはあ!ちなっちゃん、もう一回やって!」

「やだよ!二回目は、絶対つまんねえの!そういうもんなの!」

「やっぱ、ちなっちゃん、お笑いの才能あるっぺよ。テリー伊藤もう一回やって!お願い、お願い!もう一回だけ、、。!あっはははははははははっはははは もう一回!」

「もう、やんねえよばかけい!」

 ホテルに着いた。やたら、安いホテルだったが、この清潔感なら、女子共は特に文句はなかった。

「おれが払う」

 と言い放ったカエルに、けいとちなつは愕然とし、トイレから出てきたカエルは、3万円を、自分の粘液で頭にこびりつけて帰ってきたのである。

「ちゃんと働いて稼いだ、金だぞ!」

 ちなつとけいは疑った。


 レストランに地球様が、居た。

 けいは、地球様の見た目を知らなかった。

 ちなつは、知っていた。

 ちなつは、手を振った。

 けいが、船の上で、不吉な顔をしていたのは、つい忘れていた。

「眞弥じゃん!ええええっ!?(ばしばしと頭の岩石をもむ)何でこんなとこで働いてんの???住み込み?」

 その女の子。ホテルを、出た札幌駅近くの、<こってりんこ>と呼ばれる、レストラン(イタリアン)にて、バイトをしていたのだった。見た目は、けい、ちなつと同じくらい。短髪で、耳当てをし、よく見えないが、石のようなものを、後頭部に埋め込んでいる。誰も怖くて聞けないのだが、脳みそは無事なのだろうか。笑って答える眞弥。

「うん、、、あ!?いや、わたしつい前に引っ越したの!前、さとざくら君って来てるって言ったでしょ?あの人、寒いとこによく現れるから!」

「現れる!?ぎゃはははhっはははh、あんた野生動物とでも、友達なの?」

 うん、と言おうとした眞弥を呼ぶ声が。

「おい、新入り!な~にくっちゃべってんだ!ここ伝票間違えてっぞ!あとで、三好オーナーに告げ口すっぞ!コラ来いよ、早く!丹野と純に教えてもらってる途中だろが、岩石頭!」

 なかなかに馴染んでいる様だ、ちなつは安心した。パーティ中、安心しているのはちなつだけだった。席に戻ると、あれだけ地球様というフレーズを怖がっていた、兎瓦けいは、実物を前にして、何も恐れていないが、変な周りの空気は察知してぎょっとしていた。

 マシンガン。

 柚宇。

 小山。

 鹿沼。

 自治医大。

 全員である。全員、小便ちびりそうなほどびびっていたのである。柚宇は、同僚のはずであるが、どういうわけか恐れている顔つきであった。

 地球様は、古くから伝わる雷神様の正体である_。この惑星を含めた、全宇宙の(特にこの銀河<東通アズマドオリ>においての)カルシウム及び全生物の姿<念悦>を、後天的ではなく、生まれた時から授かった、正真正銘の、惑星守護色期巫天スリイのうちの一人_神岡眞弥だったからである。


 MAKOTOは、礼文島と呼ばれる島の周りを泳いでいた。

 その海豚<いるか>_種類鯨類最速のスピードを誇る楽天破壊神_イシイルカ_犠牲者数最多の極悪鬼_MAKOTO、であった。


 木村優美は、四つ葉のクローバーを、旧眞弥邸の近くで、探していた。_見つからない。惑星守護色期巫天<鉄>担当と同時に、魔王さとざくらの妻_避雷針_木村優美である。

「あれえ?ないぞ~」

 ちっともイライラした様子は、見られないがもう6時間ぶっ続けである。


「やっべえ、忘れてたべよ!これ!」

「ちょ!けい!うぷ、速い!ちょっとちょ、スローダウンプリ~ズ!」

「だめだ、ちなっちゃん!あたしあああああああ、なんでこんな大事なこと忘れてたんだべ!」

 ばん、とドアを開け、ホテルである_テレビをつける。何事か、とけいに追いついて、部屋のベッドに倒れこむ、他のメンバー。

 はあ はあ

 けいは、息一つ切らせていない。心理状態で、何もかも制御できているとしか思えない、超人女である。マシンガンが、枕の下から、生意気な<かわいいアピール>でもするかのような、恰好でけいに、言った。

「ふん。兎瓦けいよ。テレビなど、わたしがいつでも見せてやるではないか。」

 機嫌が悪そうな、マシンガンであった。けいは、言った。

「、、、、。」

 言ったつもりになったが、心の中で完結していたのだった。けいは、ブラウン管のスレイブになっていた。けいには、好きなミュージシャンがいる。今日は、金曜日。あの番組が、夜8時からある。けいの好きなミュージシャンとは、ケツメイシであった。

「歌詞がいいんだって~。」

 ちなつは、もう耳タコである。好きでも、嫌いでもなかったが、椅子取りゲームのような感覚で、けいがあまりにも好きというから、逆に聴かなくなっていた。

 マシンガンは言った。

「ほう。」

 なんと、人類のセンスに感心しているではないか。柚宇が、隣でほざいた。

「もっと、ゲイン足さねえと、求喰川じゃ通用しねえな。」

 の割りには、食い入るように見ていた。マシンガンと柚宇は、その中の(三人の中の)一人に特に感心している様だった。さて、誰でしょう_。


 レノンは、椅子を蹴飛ばしていた。納得いってなかったのである。

 ここは、スタジオ<HURRICANEPUSH>。かやは、横から声をかけた。

「ガチャピン。ふてんなよ。完璧なんてないんだって、世の中。」

 かやは、がば、とレノンを自分の膝に乗せた。見上げるレノンは、最愛の人の笑顔を確認した。 

「、、、、。本当は、一頭目のシロナガスクジラの時点で、終わらすつもりだったんだよ!ち。やっぱ、着ぐるみじゃ、本気だせねえな。」

 かやは、黙っていたが、レノンのそれは、大口でも負け惜しみでもない、事実だと知っていた。自分以外に、レノンを理解している人間など、いないと知っていた。


 さとざくらは、帰っていなかった。

 つぶやいた。

「焼酎。」

 今、焼酎と言ったのだろうか。

 シャチが水面で?

 おれの聞き間違いだと、思う_。


 ツチノトは、礼文島で待っていた。目の前に、浮上するMAKOTO。なんて愛らしい顔をしているのだろう。オスでも、セックスしたがる程の魅力的ロリロリフェイスである。だが、声には毒があった。

*ツチノト、協力してくれるって本当か*

 壊れたラジオのような、不快としか言いようのない、濁音ボイスであった。

 ツチノトは、答えた。頷いただけだった。


 礼文島は、日本最北端。高原植物咲き乱れる、緑と風と海に育まれた、永遠のイーストパラダイスである。山は高く連なるが、老人でも歩けるような手頃で、スケールのでかいトレイルを内包し、目の前、お隣の利尻島そびえる利尻富士は、三井観光ホテルのレストランから絶好の眺めでウォッチング出来る、快楽の観光スポットである。寒さを除けば。

 フェリーターミナルから、出たけい一行は、まずお土産屋に向かった。

 _全部ほしい。けいは、思った。ツボだった。彼女の趣味にぴったんりんこ100%だった。文句がないとはこのことだった。この2行_すべて、けい自身の口から発せられた言葉になった。

 ちなつは、となりで引いている。

「どった?」

 マシンガンは、シャチのキーホルダーを見つけ、こんなものOrcinus orcaでは、ないとそっぽを向き、カエルは、そのあとで、「いや、そんなもんだろう。」と悪態をついた。

 柚宇は、一人で、お土産屋を出た。キョンシ-になる。

「長居し過ぎだ、あのバカ眼鏡、、、!」

 ちなみに、フェリーに乗ってる最中、<メガネの方が、かわいいのに、>と言われたことを思いだしていた、けいは、甲板に出たあと、帰ってくるとともに、休んでいる一行の前に行き、カエルの前で、へっへーと言ったのだった。メガネをかけていた。カエルは、なんだこいつ、きもちわる、と言った。


 MAKOTOは、すぐそこまで来ていた。

 船、多くとまる港内で、ふつうに堂々と浮いていたのである。どの動物を調教しているのかは、まだ謎に包まれていた。

 

 手頃な木を見つけたキョンシ-は、セクシーな瞳を、葉っぱに向けた。

 この男性は、植物を愛していた。花男というあだ名は、態度には出せないが、嫌いではなかった。

 ひとつ、注意してほしいことが、ある。あくまで、柚宇は、男性である。だが、キョンシ-になった時だけ、見た目は、女になる、と度々、申し上げた。

 顔。まったく、同じ顔なのである。誰と?木村優美の顔とまったく同じなのである。かもす雰囲気が、ただ余りにも対極のため、見間違えるが、つくりは、コピーであった。これが、どういう意味か、のちほど説明するとしよう。


 惑星守護色期巫天_ツチノト_。

 <水>担当_。


 惑星は、なんて素晴らしいのだろう。

 木々は、なんて頼もしいのだろう。

 住む動物は、なんて個性的かつ魅力的なのだろう。

 風景は、そのすべては、なんて果てしないのだろう。押しつけるつもりは、ないが、何も作る必要など、ないほど、この惑星はあるがままの姿こころで、充実してはいないだろうか。ストーリーに話を戻す_。

 けいは、二個目のアイスクリームに手を伸ばし、ちなつは、「太るよ」_世のほぼ全女性を恐怖に突き落とす魔の呪文を唱えたのだった_

 兎瓦けいに3000のダメージ!_。

 マシンガンは、言った。

「なんだ、あれは。」

 ワカメだった。

 瞬時に_。

「にげろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

 マシンガンは、叫んだ。The Rolling Stonesの<Jumping Jack Flash>をBGMに現れたのは、魔王だった。

 ここは、港である。さっきまで、いたMAKOTOは、いなくなっていた。

 すでに、食べられていたのである。


 キョンシ-は、ぞく、とした。まさか、と思った。そんなはずはない、と思った。帰ったはずだろ、と思った。しかし、その対象を恐れてはいなかった。友人だった。


 ばきん!

 がりがり!

 逃げまどうシャチ達と女の子二人を陸上で、コンクリートを削りながら、執拗に追いかけるのは、一頭のオスのシャチである。_ここは、陸上である。

 けいは、目の前の電柱をかわした後、叫んだ。 

「なんか、前もこんなことあったべマシンガン!」 

 ちなつは、は、はと青白い顔で、もう、一言も発せられない。

 ヒトが走るスピードより、遅いので、本気で走れば、この変なシャチに追いつかれることは、なさそうだ。マシンガンは、けいのパーカーのフードをくわえたまま、(ひっついているだけである)言った。

「そうだな、けい。」

 なぜ、けいもこのシャチもあっけらかんとしているのか、ちなつは完全にエイリアン目撃中的に、理解不能であった。シャチに追いかけられているのだぞ、と思った。

 小山が、叫んだ。

「MAKOTOってこいつ???」

「たわけが、おいた。こいつのどこが、イルカなのだ。さて、、、どうやら、手間が省けたらしい。」

 ちなつは、視界の斜め上を見た。

 眞弥だった。

 眞弥か?ずいぶん、いつもと違う顔をしている。まるで、

 まるで、

 まるで、

 鬼。

 マシンガンは、ぶるるっと震え、胸ビレから、毎秒、植物を出し、それを足にしながら、追いかけてくる不気味な生命体に、笑顔を向けた。

 マシンガンに、求喰川にて、大けがを負わせた者である。

 名を、さとざくら_チョウ_火の鳥_うぐいす_アサリカリン_吾朗_他、幾多もの名前を持つ、最強の肉食獣。

 植物鯨類_月の使い手_魔王とみたゆうか。

 今、スピードを遅めたマシンガンを捕食せんところだ。

 けいは、叫んだ。

「だめマシンガン!」

 笑ったままのマシンガンは、ばりり、とわずか30cmの体を、垂直に上げた

「喰らわしてやるぞ、さとざくら!この前のお返しだ!!!!!!」

 もう、3m手前に迫っている。

 雷が落ちた。が、意外なところに落ちた。マシンガンは、は、とした。魔王は居なくなっていた。気付いたら、沖に出ていたのである。はや。背びれが今、消え、平和に戻った?と一同が勘違いしたそのとき、

 ずぎゃんんんんんんんんんんん、、、、、、、、、、、、、

 見上げる丘の上で、地球様が雷を吸収していた。立ち止った、けいとちなつは息を切らしながら、ひとつのことを思い出していた。

「雷神様が地球様の正体」


_が、見事に緊張感など、なかった。

 ばしばし、と叩かれる、地球様の頭。

 冷や冷やしている、マシンガン他シャチ合計4頭。

 柚宇は、遠目に、相変わらず、木から「眞弥ちゃんだ。」と呟いたのみ、偶然、眞弥の好きな<ソーダ味>チュッパチャプスを、ちゅぱちゅぱと堪能中だ。なんか、この男、舐め方が、見事にエロい。それにしても、こいつは、どっからものを出すのだ。けいに、ドラえもん花男_でも、何でも、あだ名を増やされそうである。_さて。太陽神は、いかがされていましょう_。


 太陽神は、泣いていた。気まずい雰囲気にしてしまったことを、本気で悔いていたのである。

「もう、あたし死ぬ」

 あんたが死ねば太陽系がはい、終幕である。

 スティーブは、太陽神神岡浄介の肩に手を置いた。そして、言った。

「お前は何も悪くねえ。お前は何も悪くねえ。」

 仁美は、なぜか、水着に着替えて、正座をしていた。どうしよう。少し、目を離していた隙に、破滅的に、状況判断が不可能になっている。なんで、崖の上で、水着なのだ。

「おい、仁美。考え直せ。死ぬのなんて、バチ当たり。神の前で。」

 黙った仁美。

「、、、、。なら、舌を噛み切るわ。」

「お前、大奥かよ。そこまで、嫌がられているおれの身にも、なれよ。」

「うう、、、。」

 普通に、目を腫らして、号泣している太陽神。気まずい雰囲気にしてしまったことをよほど、悔いているようだ。太陽神は、気ぃ使いぃだった。

 スティーブは、発言した。胸をドン、と叩いた。

「ラップ聴いてくか?おれの。」

「、、、ぃぃ。」

 仁美は、落ち込んでいるのが二人になったのを、確認するのみだった。

 さて、地球様_。


「地球様ってこんなかわいかったんけ!?なんつーか、これを心配して損したって云うんだべ~な~。」

「ずいぶん、感慨深い瞳するんだね、あんた。けい、はっきり言う。あんた、老けた。」

 兎瓦けいに、6万2千のダメージ!

 バンバンといじられながら、眞弥は、は、とした。

「さとざくら!」

 見てなかったのだろうか。とっくに、帰還済みである。太平洋の遥かかなた。イスカンダルである。とりあえず、噴気が今上がったのが、それを認識できるのは、ここにいるメンバーでは、求喰柚宇くらいのものであった。

 眞弥は、言った。

「けいちゃん。こんにちは」

「がっははっはさっきから、挨拶しか、しねえな!このコ、、、ぬふ!」

 もんぞり打つ、けい。

 ちなつは、どうしてしまったのか、とけいを見る。どうやら、ウケている。めちゃくちゃにウケていた。そうなのである。

 兎瓦けいにとって、地球様の<キャラ>、いや失礼だ、これでは。地球様の<おキャラ>は、120%ど真ん中ツボだったのである。

 もう、眞弥が何を言おうと笑えるのだ。失礼の極みである。惑星をなめている。

 そんな女が、また口を開く。

「だ、だめ!う、、は!腹が」

「けい。あんた、眞弥ちゃん、泣いてるよ?」


 目を見張った。そこに、いる全員である。柚宇も、含める_奴のもう決まり文句_「この時代で?」を口にしながら。目の前に、突如として現れたのは、鳥と芋虫である。違う。今、貴殿が想像したようなスケールではない。芋虫の方は、体長15m。鳥は、翼を広げたら、全長_おそらく30mになる。道路から、ななめにいや、斜め上に走る、高い丘を見上げる一行は、今、いきなり現れた、この2頭の動物を凝視、いうなれば、観察していたのである。

 けいに、掴まれたまま、眞弥は相手の手をゆっくりどけて、促す。

「けいちゃん。話が。」

 目の前で、目を反らし、笑い始める兎瓦けい。

 こいつどうしようもねえ。


 真面目な話になった。広大な、景色は、まるで原始地球である。礼文島の、山々は神秘的で、歩いていると、心が洗われていく感がある。

 もらえる。

 自然は、私たちに、無料で、喜びをいつだって配達<済>である。ベンチに腰掛けて、海を眺めながら、一行は、眞弥に視線を集中させる。地球様が、おしゃべりになる。マシンガンは、いつになく、喋る感じではない。他のシャチも同様である。柚宇は、いつのまにか加わっていた。言い訳を始める。

「ああ、眞弥ちゃん。あのさ、いや、さとざくらを追い返すっつう、眞弥ちゃんのさ。話は、全部ちゃっかり100%スリーセブンで、聞いてたんだけどさ、この兎瓦けいっつうガキのお守で忙しくて、ね?」

 浴衣の青年は、けいに睨まれた。

「はあ? 頼んでねえし」

「頼んだろうがよ!てめえ、おれ居なかったら、あん時、絶対死んでたんだからな?」

「わたしにはマシンガンがいるもーん、ね?マシンガン?」

 やれやれ、と言った顔のマシンガンは、引き続き、眞弥に集中している。

 眞弥がしゃべり始める。

 マシンガンは、地球様の命でここに来た、と以前言った。マシンガンは、彼女を尊敬していたのである。けいは、その横で、喋りそうになる眞弥を見て、また、どぅふ、と笑いをこらえていた。


 ようやく、泣きが解けた、太陽神は、「じゃあ、、、料理でもしますか」と言った。

 神と一緒に料理、、、。なにか、とっても食べるのが、口に入れるのを緊張しそうである。


 桂は、言った。

「ふ。」

「どうした?桂。いきなり笑うなっつってんだろ。意味わかんねえからっ」

 川辺で、桂が頬を膨らました。

「ああ!意味わかんないって言わないで!傷つくって言ったじゃん!」

 桂を無視して、喋り始める。

「ここ、思いだすなあ。ここなんだよねえ。あの、変なネッシーと初めて会ったの!あいつ桃に入ってたんだよなあ。」

「それ、しほ失敗だったって言ってたよ!あれは、恥ずかしかったって。」

「なんだそりゃ。動物に恥じらいなんてあんのかよ。」

 葉が、舞った。桂は言った。

「ねえ、浄介。わたしのこと動物だって罵って?」 

 やばい女である。

 浄介は、例のぴょんぴょん跳ねる、水面石投げをやった。おれは、あれはできない。全然。浄介は、そして桂を見た。

「は??」

 バカにした。もーーーっと桂が怒る。マジでいらいらする空気である。川に落ちろ。

 桂が言った。

「あのクソ太陽神、マジで燃やす。」

 浄介は、また何か言ってると思っただけだった。桂は、この上なく、<かわいいでしょあたし>顔を続けていた。


 柚宇は、説明した。眞弥が言ったことをそのまま繰り返しただけである。ただもっと具体性を持たせて。けいとちなつには、眞弥の言葉、内容は日本語にもはや、まったく全然、ひどいほど、聞こえていなかったのである。小声で、ちなつはけいに言った。

「おもしろいでしょ?このコ」と言い、けいは、真顔で「もう、わたしこのコのファンだから、」と言った。惑星をなめている。お前らも、あのナンパしてきた男みたいに、ちゃぶされろ。

 眞弥は、困りながら、柚宇を見た。もちろん、悔しかった。

「だからな?えっと。眞弥ちゃんが今言ったのは___うーん。いいや、ちょっと省くぞ?けい!」

「はい!」

「おう。前に、サメ出したとき話したろ?三つある、と。」

「どっちかっつうと、小山ちゃんの説明のが、記憶に残ってんだよね。」

「ガキ!こいてんじゃねえ!いいから、聞けよ。マジでむかつくメガネだな、お前。」

 もっとむかつく顔を、けいがした。

「ち。だからな?この2頭。」

 眞弥が、指を鳴らすと、見事な連携で先ほどの、芋虫鳥タッグを出したのだ。柚宇は、次の瞬間、言葉で空気を止めた。

 けいは、もう笑わなかった。

「鳥を、能幹のうかんこの芋虫を借農しゃくのうと呼ぶ。てめえら、生物全員が飼っている動物だ。」

 けいは、わあ、と思った。映画のラストを見てるみたいな、感動を覚えた。柚宇の次の言葉を待った。柚宇は、果てしなく、かっこいい笑顔をつくった。

「けい。恩返しってのは、この2頭を使いこなして、この惑星を救う事なんだぜ?」

 ふん、と柚宇は顔を、その顎をななめに上げ、決まったぜ、と実際に言った。

 ちなつは、ふーん程度だったが、けいは、おお、おおと興奮した。けいは、言った。

「そうなんけ?マシンガン」

 ギロ、とけいにマシンガンが振り返った。

 けいは、悟った。これから、死ぬほど悲しい別れが来るかもしれない。でも、来ないかもしれない。でも、そんな選択を迫られるだろう、予感がした。

 すでに、泣きそうになっていた。

 マシンガンは、おもむろに口を開けた。一度、地球様にしゃべった。

「大変_大変光栄でございます_神岡眞弥様。わたくし、古代の鈴音求喰川にて、及ばずながら、眞弥様と同じく、JETTOES念悦を担当させて頂いている、マウヅと言います。調合惑水反蛇巫天ヨウフのリーダーでございます。わたくし、ただ今より、地球様の前で、己の恥を顧みず、この無礼な口をしばらく聞くことになります。 失礼は重々承知でございますが、どうか、ご了承くださいませ。」

 ば、とけいに顔を向き直した。

 けいも真面目な顔を、始めた。ちなつは、もう自分は、どっかに消えたあげた方が、いいんじゃないか、と思った。けいは、昨日フェリーで、マシンガンのことと、日常は別だと言ったのだ。きっと、自分は、日常のゾーンに区分されている人間なのだろう。

 ちなつは、立った。

 がし。けいは、ちなつをつかんだ。

「ちげえよ?」

 何が違うのかはわからなかったし、けいに心を読む超能力は使えなかった。が、ちなつはそれを喜んだのである。違ったのか、と喜んだのである。マシンガンが口を開ける。けいは、ああ、泣きそうだ、ちきしょう、と心で叫んだ。

「よいか、けい。 聴くがよい。シャチには、3種類、存在が許されておる、団体捕食生物が、確認されている。」

 ちなつも黙った。黙ってシャチの話を聞いた。

「よいか? 珍しく耳を傾けておるではないか感心の、限りであるぞ?兎瓦けい、 これからどちらのシャチにつくか選んでもらう。もし、我々と道を違えるようになれば兎瓦けい!わたしは」

 けいは立ち上がった。マシンガンを殴った。

 けいは言った_。

「マシンガン、!誰が何と言おうとよ?あたしは、お前と一緒に行く! でも、よ、?」

 けいは泣いていた_。

「でも あたしはお前に何されたって、恨みはしねえ。」

 けいの涙はマシンガンの小さな背ビレを、ふやかす程濡らした。

 眞弥は、手を合わせた。

 けいは声を変えた。 女の子の持つ、ゆりかごに似た音だった_。けいは言った。

「マシンガン?もしなんて言わないで?あたしはあなたに食べられたって構わない。」

_マシンガンは、眼を腫らす程、号泣した。

 鳥<能幹>は、その豊かな厚みを持った、羽を広げ、並々ならぬ、岩石と飛沫と雲と、夕焼けの空をあおいだ。風が起こったわけでは、なかったが、そこにいる全員は、地球の持つ、神秘と、潤いと、抱く母性そのものに、感謝したのである。ヨウフの間では、シャチは、謝地とも、云う。大地に感謝する、ということを知る者達である。という意味である。

 神岡眞弥は、さとざくらを想い、はーあ、わたしも泣きそうだ、と思った。

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