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ひなた  作者: ひまじん
17/19

真ギターとマシンガンと女の子

 カチ、カタタタカタ。

「、、、っと、なんだっけ、、、調合?あ、間違えたえっと、、、わ、。てん、!!!!!!!!!!!!!っと、これで、!!、、、、うん、終わり!!、、、!!!!!!!!!」

 坂口浄介は、寄り添う桂に言われるままに、ある書類を、作成中だった。宛先は、鯨類研究所。タイトルは、<要請書~和名シャチ/マイルカ科に関する一般教養、流通されるすべての、その種類に関する書物への、内容更新要請~>隣りに、小さく、あなたたちは皆間違えています。と添えてある。


 三頭目のイルカ


「かみさま?ちゅして?」

 ちゅ。

 カバンを持って、ネットカフェを出る坂口浄介と、その男子高校生の、肩のアクセサリーのように、ひっつく、ミュージシャン<ギターボーカリスト>バンド<ユウホドウ>所属、名字不明、愛称はKEI。未だ、披露していないが、この宇宙(真面目に言う)の、トップに君臨する、エモーショナルギタリスト、その正体、非生物である。プロギタリスト、Jimi Hendrixの念悦に住み着いた、惑星守護色期巫天、炭素担当、阿修羅桂である。

「かみさま~あと二回ちゅうしてっ?そこ、曲がったあとと、う~ん今!今してお願い!」


 OMEZA



ギターと


マシンガンと


女の子



「やっぱ今、全部して?」


「マシンガン!わたしは、怒ってんだって言ってっぺ!?」

「かっかするな、CDプレイヤーなど、減るものでは、ないわたし<電化製品>マシンガン、定価2300円様が、いつでも再生してやるではないか、お前が号泣した、あの曲また聴かせてやってもいいぞ?」

 ぽこん!けいに殴られるマシンガン。

 実は、ここ陸上ではない。眩し過ぎる太陽は、人々に笑顔を与え<散らし>ている_遠くでは、カモメがバレリーナごっこを_遥かかなたには茨城の、何の変哲もない景色である。

「あ!まだ、話終わってないのに!」

「せっかく旅行に来たのだ、楽しむのが仕事だ、兎瓦けい、わかるな!?」

「わかんねえよ、チビシャチ!」

「それは、おれへの宣戦布告と取って構わんか?」

 ちなつは、どこからか買ってきたサンドウィッチを、マシンガンと自治医大と鹿沼とあと、なんだっけ、小山に与えた。

「ちょ!あん、、!今、あたしの名前忘れてたでしょ!!」

「誰に話してんだ?小山ちゃん。なあなあ、この前よ?小山ちゃんに聞いた続きをよ?あの、女装趣味変態スケベの介に聞いたんだけど、よ?小山ちゃんのが、百倍説明上手くてよ?やっぱなんにしてもよ? 男より女のが、これ、頭いっつかさ~、うちのサトシもよ?頭よええからよ?これ、なんっつかさ?わたし、どっかに<男馬鹿説>と題してよ?小山ちゃんの、Law Of Threeと一緒に提出したら、よ?これ、お金がっぽがっぽよ?もう、マシンガン的なこんな安っちいのだったら、百万個買えるくらいのよ?」

「誰が、女装趣味変態スケベの介だ!腐れマ○コ!」

 ばちち!マシンガンが、隣りの小さいカエルに電気を送る。

「たった今、非常に不適切な発言があったな、月。撤回しろ!」

「月と呼ぶんじゃねえ!!!!!!!」

 ここに誰がいるかと言うと、順に説明して行こう。その前に、ここは苫小牧行きのフェリーの上である。豪華客船とまでは、いかないが、十分広く、十分新しく充分接客もよく、十分、風呂や映画観賞室があるなど設備も、充実し、充分快適で、なんとビュッフェもある。OH~ with this love so sweetである。しかし、残念ながら、事件は起こってしまうのだ。

「ねえ、けい。この前さ、わたし宝くじ当たったって、言ったっけ?」

「いや?聞いてねえよ?くれんだべ?それ」

「あげるかよっ。ふっふふ~。、、、。」

「え??自慢してそれで終わりかよ?なんか、今まで迷惑かけた礼とかよ?いっしょに、ニューヨークさ行くべ~普通。」

「どんな普通だっ。だいたい、あんただろ、いつもあたしに心配させてんのはっ。」

 デッキの上、窓にもたれかかって、PARCOの空気と全く変わらない感じで、喋り倒すのは、私服の女子高生。ファッションの感じを説明すると、兎瓦けいは、ざっくりと、水面に広がる波紋を、手触りのいい木製スプーンですくう感じ。三日月ちなつは、ミニロンドンである。おそらく、まったく伝わらないと思う。適当に、あとは2人の足元で遊ぶ、カエルと、シャチ4頭とか5頭とかそんぐらいである、さて、声がするではないか。

「ねえ、レノン。本当にこれで、バンクーバーまで行けるの?」

「行けるぜ、かや。なんてったって、このおれの頭上のフクロウが、こう、あれだから、な?」

「全然わかんない。いつか殴るから、あたし、あなたのこと。」

「がっはっは。そのカウンターでお前、内またで、一本取ってやるぜ?あ知ってるか、内またってこうやって、、、」

「触んなよガチャピン!弟を実験台に使う兄的に、触らないで、ムックとやってなよ!」

「ガチャピンじゃねえ、ピアノ線地味すっとぼけアホ毛スーパー無能女!てめえ、おれの才能に嫉妬してんじゃねえよ。つまんねえ声張り上げて、響かねえギターちょこちょこやりやがってよ!知ってっか?桂ちゃんギター弾かねえの、お前がとなりで貧弱な演奏してっからだぞ、ってごめん泣くなよ!」

 サンドウィッチをくわえるちなつと、けいは、変な恰好の、惑星巫天をあっけに取られる感じで、見ていた。2人は、船内に入って行った。一体、何しに外に出て来たのだろう。

「なんかテレビで見たことあるかも、あの人たち。」

 けいは、レタスを引き抜いて、カエルに与えた。

「あ?なんだこの恵比寿は、、、?いらねえよ、兎。」


 太陽神・神岡浄介は、この世で一番、真面目な話をしていた。だが、周りは聞く様子ではない。仁美、それからプロミュージシャンSteve・Jettoes・神岡である。

 浄介のほっぺをつまむ、スティーブ。

「すげえ!どこまでも、伸びるな、すげえ!」

 加えて、仁美は笑顔をキラキラさせて言う。手なども叩いて、調子に乗っている。

「あっはっは、、!じょうちゃん、ほんとにかわいい声!あたしが今まで聞いた声の中で、これ一番かわいい声よ!」

 となりには、梅酒があったので、酔っていたのかもしれない。崖の上で、神岡浄介は、困った。ポリポリと頬を掻いた。

「う~ん。」

 弱気な響きだった。ちなみに、この方は、惑星守護色期巫天<鉄>及び、<マグネシウム>及び、<塩素>つまり、全<体ETIAGXN>または、時間および、音担当の、超えらくて強いヒトなのである。

「で、頭は、見事なまでのスキンだな、これ(ぱんぱん) おれも昔ドレッドと、スキンやったんだけど、結局長髪に落ち着いたんだよな~。」

「聞いてないから。」

 すごいヒトなのである。


 トイレである。

「気付いたか?月?」

 答えるのは、わずか、数cmのアマガエルである_。

「わざと言ってんな、、、?次におれを月と呼んだら、鯨肉にして安く仕入れさすぞ?少女のおもちゃに成り下がった、マシンガンちゃん?」

 男子便所内で、何やら<コト>が起こっていた。マシンガンが、カエルを睨む。

「ふはは。その威勢の良さ、頼もしいことだ、柚宇よ、さて本題だ。気付いているか?」

「どっちの話だ?」

「馬鹿め。この船に偶然居合わせた二頭の惑星巫天では、ない。こっちが何もしなければ、奴らが、事件を起こすことは、ないだろう!」

「はっは。今や、奴らもプロミュージシャンだからな。おれに言わせりゃ、求喰川に住む、あの貝かぶった、<はづ>とか言うシャチの方が、いいセンスしてるがな。」

「は。お前も幼稚な、価値観を持ったものだ。この時代で、あの力を出せているのだぞ?やはり、真の惑星巫天の力は底知れん。あの<はづ>は賢いだけで、生意気なだけであろう。おれは、<こころ>派だ。」「は、あのガリ勉、ハコ娘シャチかよ、もう、誰もついていけてねえだろ、この会話!」

 バン、ドアを尾びれによって、開けるマシンガン。便器から、追いかけるカエル。

「さっきから、この船に付き添っている、不気味なイルカの正体を探るぞ、月。」

「、、、!本当に、<アシュラゴロシ>に戻ったら、焼き殺してやるからな?マウヅ。」


「今回は、どう考えても、兎瓦けいの手には負えん。わかるな、柚宇。」

「は。いや、わかんねえぞ、マウヅ。なかなかいい女だ。ガキだが。」

「柚宇。兎瓦けいに手を出したら、このおれが許さんぞ。やつには、奈良さとしという生涯共にすべき相手が、いるのだ。」

「重えんだよ、おめえは!おれだって心の中は、反蛇求喰様一色よ!彼女のためだったら、死ねる!」

「趣味が悪いな、月。」

 二匹は、今、駐車場に来ていた。フェリーの最も、下の階、階段で降りられるそこは、小さい窓が、点在してあり、外の、つまり水面の景色が、この中では最も、海原に近いアングルで確認できるのだ。

 船の真下にいる、マイルカが、一頭で、たった一頭である。この一頭、現在、上の、カエルとミニシャチに感づかれては、いるが、現在、真上にいる全ての乗客及び、惑星巫天を殺す計画を、もう8時間、練り続けているところだった。


「で」

 ばん!

 スティーブが、手を崖の<地面>においた。もう一方の手で、仁美の肩を抱き寄せようとしたが、無言で避難される。構わず、用意していた台詞を吐く。

「王になるってのは、どういう意味だ?」

 太陽神は、口を開けた。

「レノンとかやは、どこまで説明を?」

 にこやかなたれ目は、人気キャラたれパンダのようである。スティーブは、答えた。

「いや、何も。」

 表情が固まる、神岡浄介。

「どうした? 神。」

「何も言わず、ここに連れられてきたのですか?スティーブ。」

 声は、幼稚園へ行けば、全員が、ついてきそうな、見事なアニメ声である。緊張感のかけらもない。柚宇と同じ感じの和服姿に、見事なスキンヘッドの女性である。ただ、目が特殊で、(ここが非生物を思わせる)、黒目と白目が逆なのである。ちゃんと、想像できたろうか。目の玉の方が、白く。外が黒いのである。不気味な、眼光を持っていた。

「いや、ヒマ潰しをしろって。」

 ぱら、スティーブの裏で、崖の先が崩れた。風も何も吹いてなかった。その太陽神、よく見ると手も足もなかった。目をこらし、何かに呼ばれるように、上を見た時、スティーブは夢に出そうなものを目撃した。悪い意味で、である。

 太陽に

 足と

 巨大な手が

「ダメな子。」

 生えていたのである。ステイーブは、目を太陽神に戻すと、背筋が凍った。

 神岡浄介は、ほんのちょっとだけ、怒っていたのだ。


「ど~こ行ってたんだべか、このアホガエル!」

 ぽこん。

「気安く触んじゃねえぞ、馬鹿人類!てめえ、最近調子に乗り過ぎだ。ゆしの声なきゃ、何にもできねえハゲのくせしてよっ。」

「ハゲじゃないもん、わたしっねっちなっちゃん?♪」

 兎瓦けいは、このあと、彼氏のさとしには、おそらく一生言えない体験をすることに、なる。悪い意味で、である。

「、、、ねえ。けい。地球様って信じる?」

「、、、?」

 死ぬほど驚いたことを笑顔で隠すけい。ここは、船内ビュッフェである。いい感じに空いている。やはり、旅行は平日に限る。あの、猛獣事件以来、学校がなくなっているので、皆休みたい放題だ。だが、佐々木先生が、見回りでしょっちゅう街を歩いているため、街ではそこまで遊べない。

 そこで、今回の旅行を計画したのである。

 けいは、返した。

「わたし、その話はさとしに止められてて、、、。」

「、、、。なんか変わったね、けい。変わってないんだけど、変わった。奈良に対してだけ。ま、いいや。いやね?お母さんに話したら、飛びついてきてさ?なんでも、<雷神様>っているじゃん?いるっつっても、言い伝えだけど(笑)さ」

 そのとき、近付く影が在った。ガチャピンである。

「地球様って雷神様の正体って言われててね?ほら、家の家系ってそんなん関係のばっかじゃん?ウチ、寺だし。」

「知ってるよ、うん。」

 けいは、泣きそうである。

「あ、なんか、ごめん。さとしに怒られるんだよね。そうだよね。」

「あ、いや良いんだけど、よ?」

「兎瓦けい。」

 けいは、呼ばれた。

 誰もいなかった。

 ちなつも、誰の声だと思った。50m先で、テレビで見たバンドのドラマーガチャピンが、こっちを見ている。

 まさか、この距離で聞こえた声だったのか?それは考えにくい。けいは、震えていた。


 個室である。なんの個室だろう。用途がわからない。マシンガンも他のシャチもカエルも、居なかったことをいいことに、ガチャピンは、一人の女の子をここに連れて来ていた。

 女の子が、叫び声を上げた時点で、それは犯罪である。ちなつは、実は、部屋の外で、耳を澄まし、いつでも警察を呼べるようにしていた。

 シャチ達とカエルは、デッキに出て、風を当たって気持ちよくなってる演技をしながら、マイルカについて会議をしていたのである。

 その海豚<イルカ>

 全生物調教組合FINE紅一点、最大の生物シロナガスクジラを、仕切りこなす、色気の悪魔、名をOMEZA と言った。

 、、、、。ちなみに、求喰川の、鯨類男子による、メス人気投票で不動の一位を現在獲得中の、超美人イルカである。

 イルカである。イルカなので、人間から見たら、ただのイルカ♀である。鯨類にとっては、オードリーヘップバーンである。ただマシンガンのタイプでは、なかった。駄文を続けて、申し訳なく思っている。

 さて、かやはどこにいるのだろう。なんと、マシンガンの背後にいた。さっきの、バンクーバーに行こうとして、偶然間違ってこの船に乗ってしまったというのは、嘘である。

 かやは、惑星巫天中、最も賢い最悪の策略家であった。


「よう。改めましてこんにちは。兎瓦けいちゃん。かわいいね。」

 レノンは、女好きだった。

「ど、どうも。あの、ユウホドウのヒトっすよね? ははは、すげえ有名人に呼ばれたべ、これっ。」

 さえぎる、レノン。

 最低の行為を実施した。けいは、これ以上、レノンとしゃべることはなくなる。このあとは、レノンが一方的に、しゃべることになる。声帯を抜かれた、けいは、レノンにキスをされた。5秒間。天才<塩素>担当惑星巫天レノンは、人類に、サキュバスと呼ばれたことのある、究極の最低色魔で、あった。

「、、、、?ぁ ぁ ぁ」

 いくら、耳を澄ましても、ちなつの耳には、けいの悲鳴は、届かない。

 レノンは、けいに囁いた。けいは、ひざまづいて、自分の喉の何かを、夢中で探している。いくら、探しても、その何かは、見つからなかった。

 レノンは、こう囁いたのである。

「糞無能人類ドモノ、音楽ゴッコ二本気デ付キ合ッテルワケジャネエンダヨ。今度オレヲミュージシャンナドトノノシッタラテメエノ舌抜イテ、サトシチャン二提出スルカラナ?イシアガン。」

 カモメは、本当に、楽しそうであった。


「何しに来た?<酸素>かや。」

 マシンガンが、水面を見たまま、呟いた。背後のかやが、返事をする。愛らしい娘である。

「うん。邪魔しに来た。あんたらを。なんか調子に乗ってるから。」

 ぴん、とかやが指を弾くと。

 ばたばたん。

 デッキに居た全ての人間が、気絶した。構える、小山、自治医大、鹿沼、~ 求喰柚宇はそういう風では、なかった。小声で、「ちちくせえガキが。」と、おれの聞き間違いじゃなけりゃ、聞こえた。

 かやは、説明した。

「酸素濃度を下げました。マウヅ様。そこらにいる周りの人間の、呼吸器付近だけ。一瞬。」

「つまらん説明だな、かや。これ以上、ガキの遊びを続けると、柚宇が黙っておらんぞ。」

「てめえで、やれよ。」

 カエルが、不機嫌そうに返した。ふう、と息を吐く、かや。

「まあまあまあ。べつに。もう、あたしがやることないよ。」

 ちなつも、呼吸困難で気を失っていた。

「あとは、あのガチャピン馬鹿が、下のイルカを惨殺してくれる。」


 けいの耳を舐めるレノン。けいは、本当に殺してやる、と思った。

 レノンは、窓を開けた。振り返った。

「けいちゃん。説明してやるよ。あのキリン事件。あれ、出したのおれなんだよね、えっとね。やっぱ、めんどくせえや。けけ!」

 けいは、本当に殺してやる、と思った。


 マシンガンは、今思い出した。

「、、、。」

 しかし、驚きは外には、出さなかった。

(けいが危ない)


 柚宇は、ムカついていた。せっかく、ただ楽しもうとこの時代に、やってきたのに。それもこれも、あのワカメをぶら下げたシャチのせいかと思うと、ムカついてしょうがなかった。

「さとざくらめ。あんま、ゆしを困らせないで、くれよ?」

 おれには、何のことか、解らなかった。


 神岡浄介は、説明し終わると、けろっとしていた。

「と、言うわけで。仁美さん、貴女はスティーブの妻になるのでございます。そして、子供を産むので、ございます~ぱちぱちぱち。」

 スティーブは、半笑いで、仁美は、崖に飛び降りる準備をしていた。

 太陽神は、まったく空気を読めていなかった


 OMEZAは、水面に出た。上にいる、マシンガン達に気付くと、余裕でウインクをし、それはマシンガンを意外な、気分にさせた。

<気付かれている、と知っていた?>

 声を上げた。

 くるくるくるくるるるるるるっるるるるるるるうるるるるうるるるるる

うるるるるうるうるるるるるるうるるるるるうるるるるうるるるるるるるるるるうるる

るるるうるるっるる

「長えな」(柚宇)

るるるるうるるるるるるるるるるるるうるうる

っるるうるるっるるるうるるっるうるるるるるるる!!!!!!!!!!!!!!

 その時である。

 船の目の前に、(船は、軽く200mはある)、塔が出現したのである。

 船長は、なぜ気付かなかったのだろう。

 気を失っていたからである。

 だが、それだけでは、ない。

 たった今、浮上してきたからである。たった今、水面を割って出て来たからである。

 マシンガンは、叫んだ。

_「勝負だ、シロナガスクジラ!シャチ様が相手だ!」

 重さ200t。長さ22mのその動物は、今、尾びれを振り上げ、船に立ちはだかったのである。

 OMEZAは言った。

「やっぱね~きゃっははっははははっははははっはSimple is chestでしょ?イシアガンども!」  それを言うなら、Simple is best。


 惑星守護色期巫天モティ と 調合惑水反蛇巫天ヨウフ? 坂口は、桂に聞き返した。

「悪い。おれ生物は、見るのは好きだけどさー。頭悪いし。」

 桂は答えた。

「でも、わたしに敵がいるって言ったら、それについて興味持ってくれるでしょ?」

 坂口の部屋で、桂は、自分の胸に、坂口の二の腕を押し付けた。

 どうしようもない、空気が流れていた。いや、まあ、いい意味でね?


 くるううるるるrkるるるるるるるるrkるrくrくるくrくrくるるるるrくるるrくrくるるくるうるる

 OMEZAは、引き続き、声を上げるのみである。柚宇は、言った。

「どうした、早く振り落して来いよ、その尾びれ。その時点で、けいを、ぼこぼこになった船内から、助けてやるよ。レノンも殺しゃしねえだろ。」

 柚宇には、すべて聴こえていた。

 尾びれは、間もなく船にぶつかる。 


 けろっとして、レノンは喋り続けている。その手は、執拗に、女子高生の股を探っている。

「けいちゃんさ。これから起こることをさ。おれにさ。予言させてさ。欲しいんだよね。」

 ガァン。

 なんだ。船が何かにぶつかった。けいは、ば、と立ち上がり、レノンから離れ、窓から外を見た。半泣きで、原因を探るその目は、美しい流線形の動物が、世にも恐ろしい破壊行為を、スーパーミラクル実施中だったのである。

 けいは、近付く、レノンにギターを持つ恰好をした。

 なんと、レノンはびびった。が、手元にギターがないことがわかると再度けろっとした。

<このクズが。>と、殺意の塊を、レノンにぶつけ続けた。しねしねしねしねしねしねhしねhしねしねしねしねしねしねしね

 しかし、レノンは、死ななかった。信じたのに、死ななかった。マシンガンのウソツキ、とマシンガンを恨んだ。がば、とけいに再度キスをするレノン。言った。

 ガァン。

「まずね?けいちゃん。」

 ガァン。

「この船がね?」

 ガァン。

「このシロナガスクジラをね?」

 ガァン。

 シロナガスクジラは、執拗に、尾びれで、船の斜め下を叩きつづける。尾びれから、大量の出血だ。対する、船は、メッキがはがれているだけで、大した損傷は、見られない。クジラ如きで、人間様の発明の結晶を

 ガァン。

 ぶしゅ

 クジラの、尾びれが、断裂した。クジラは絶命した。だが、自分の背骨を犠牲にして、今、穴を開けたのである。レノンは、続ける。

 二頭目のシロナガスクジラが、真横にいた。

 くるるるるるるるるるるるるるるるるるるるくるるるるるるるるるるるるうるるうrr

くるるるるるるrくるっるるるうるるるるるるるるるっるるううっるうるrrkる

 声が止んだ。

 OMEZAが叫んだ。

「ち!!!!!」

 真っすぐ退散するマイルカ。何が起きたのだ。レノンは、続ける。

「この船がシロナガスクジラをね?けいちゃん。」

 ガァン。

 二頭目が、尾びれを打ちつけた。

 マシンガンは、船が沈むまで、待っているようであった。

 かやは、口笛を吹いている。Metallica の「Until It Sleeps」であった。かやは言った。

「この曲ってね。両親、あれ、片親だったかな、をガンで殺されたヒトが作った歌なんだって。」

 可愛らしい顔が、変貌した。かやの、ピアノ線が、一つに集結し、目がつりあがり、背中から、焚火のような、炎が上がった。

「この惑星のガン細胞、全人類にふさわしい歌だと、思わねえか?マシンガン。」

 ガァン。がぷ。

 何かが起こった。何が起こったのだろう。レノンは、けいにウインクをした。

 目が腐る、とばかりに、それを弾くように、顔を振りほどく、けい。心が折れていない。やはり、並の精神力を持った女ではない。

 音が止んだ。

 何かが、振り返った。表現がこれで適切だと、思う。船が、前方、30mの部分だけ振り返らせた。

 けいは、

「殺すぞ、てめえ!!!」

 自分で、声帯を取り戻した。原理は、解らない。

 彼女は、すでにヒトを超えていた。待ってました、とばかりに、それを見つめるレノン。手を広げた。

「この船が、シロナガスクジラをね?くくく。ね?(ぼそ)重力は、この船。反発は、哺乳類アフリカスイギュウ。音は、オレ様の体でね?」

 けいは、心臓が飛び出そうだった。見た窓に、目がついたのである。目の周りは、金属のようだ。この船と同じでできているっぽい。、、、、。この船だったのである。

「今、この200mのアフリカスイギュウが、ちっちゃいシロナガスクジラを食べちゃったんだよ?けいちゃん。」

 窓の目は、そこから離れると、雄たけびが聴こえた。まるでを取っ払って、この船自体が、雄たけびを上げたのである。

 けいは、気を失った。

 レノンは、そのけいを「よ」と抱きとめ、ゆっくり床に下ろした。レノンは、言った。

「キリン事件パワーアップ版!さあ、けいちゃんにどうやったか、解るかなあ?ははははははははははっは」

 笑い声が、いつまでも木霊した個室だった。

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