2.愚痴から辛い原因を考えよう
今日、月曜日。本当に辛い。驚く程に辛い。自然と涙を流して、頭の中で人間関係を錯綜して、考えてはいけないと何かに打ち込み、また考えて、辛くなって、涙を流す。
孤独が好きだったけど、今は孤独の闇から手が出てきて僕を闇へ引きづってくる。今は少し寝て、落ち着いてきた。明日、明後日、また人と関わる。今。ここで何かしら正解を出さないと前には進まない。
だから、愚痴から考えよう。
マジで愚痴ります。僕はボランティアをやっていて、畑仕事をしているのですが、耕運機を動かして欲しいといわれた。他にも人がいるのに、何故か僕。それは都合がいいとかではなく、多分僕の今までの功績。小さい耕運機を動かせるから、皆は僕に頼る。でも、今の僕の心は荒んでいるし、とても苦しい。ボランティアなど行きたくない。僕が金曜日に参加するかしないかと電話で曖昧な言葉を喋ると、自分勝手だけどやって欲しいと頼られる。
それはそうだ、予定が空いているのに参加する有無をあやふやにするなんて、ただ迷ってるようにしか見えない。僕は僕を隠すのが得意なんだ。辛いとか思っていても、いつもと変わらない僕を演じられる。まあそこはまた考えておこうとした、その後に女の子から電話がきて木曜日にご飯に誘われた。それは僕と彼女だけではなく、他の人も存在する。来て欲しいって言われた。僕はそこでもまたあやふやな回答をして、電話を切る。なんで皆は僕をこんなに誘うんだって、ウザイとも思った反面、心が軽くなった気がした。何故か、軽くなった。何故? そして何故僕はあやふやにさっきから回答してるんだ? 辛いと思うなら断ればいい、断れないのはただ行きたいという気持ちが少なからず、辛いと同等の力を持っているからだ。
そして、今そのあやふやになっている理由の旨(今ここで悩んでいることを物凄く抽象的に)をLINEで伝えたら、心配の電話がかかってきた。心配してくれる友達がいてくれるだけで、僕は幸せ者だ。だからこそ、早くこの悩みに決着をつけないといけない。この問題は僕の人生を縛っている。小4の頃に今みたいに悩み、物凄く苦しんで、またその苦しみと同じ痛みが心を襲っている。だから、僕は愚痴から考える。
今問題なのは、何故辛いのか、何故電話で心が軽くなったのか、何故ボランティアやご飯に行きたいのか。
何故辛いのかについて考えていく。
辛い理由が本当に分からない。電話をして楽しいし、会っても楽しいし、話しても楽しいし。前話で話した差が生まれるとかもあると思うが、その辛さではない。途方もない苦しみ。僕は今、何かに人間関係を苦しめられている。
ある人に言われた。自他境界があやふやだって。他者に寄りかかりすぎていて、辛いのではないかって。自分と他者の明確な境界がないんじゃないかなって。僕はその時、ふっと辛さの原因が見えそうだった。「自分と他者の境界」がない。ここから考えてみる。
まず自分と他者の境界ってなんだ? 自分とはわたしだろう。自分の考えと、自分の発言と、自分から始まる事だ。他者とはなんだろう。それは他者だ。相手だ、人だ、それ以外を形づくるものはない。僕にとって他の人のことなんて、何も分からない。疲れているのか、楽しいのか、苦しんでいるのか。だから他者を考えないといけない。他者を考えるから、人は他者を知っていく。
……僕はそれが他の人よりとにかく強い傾向にあると思う。どこにいくにも、その人の顔を見て、その人が思っていることを考えて、常にどこに人がいるか確認して、一人ぼっちで暇そうにしてたら声をかけにいく、相手が必要としている言葉を言って、相手を傷つけないようにして、全員と対等な関係値を保ちたくて、だから相手から嫌われないように努力して、いつの間にか僕は僕を考えていなかった。自分と他者の境界がなくなった瞬間だった。僕は僕のことを考えないで、他者ばかりを考えていてしまっていた。それを長所だと思っていた、人間観察が好きなんだと思っていた。違う、全部違う。いいことで片付けるな、何かを忘れてたんだ。それ僕は僕を大切にしなきゃいけなかったんだ。他人単位で考えるのではなく、自分単位で考えなきゃいけなかったんだ。自己中でなければいけないんだ。
だから、僕は仮面を被ってるとか、キャラを演じるとか、アイデンティティの喪失が起こってたんだ。他者に合わせていたから、僕はそこに居なかったから。なんだ、なんだよ。ただそれだけだ。僕は僕を考えていなかった、僕を大切にしてなかった。他者が大切だったんだ。他者を考えれば考えるほど、自分をチクチクと傷つけ僕は傷だらけになっていたんだ。
そうだ、僕は僕を大切にしなきゃいけなかったんだ。他者を考えるんじゃなくて、僕を考えなきゃダメだったんだ。
だから、LINEをみて返信するのが苦痛だったんだ。他者を考えなきゃいけないから。だから、好きな人たちのことを考えても辛かったんだ。僕は彼女たちのことを考えすぎていたから。
僕はやっと、部屋の隅でうずくまってた僕を発見したんだ。小4ぶりに、僕に気づけたんだ。当たり前のことだけど、その当たり前が出来てなかった。そうなると色々辻褄があってくる。僕の辛かった人生の辻褄が。
辛い原因が分かった。僕は生きていいんだって僕に認められた気がした。何回も腕を触った、視界が開けた気がした、世界の色が濃くなった気がした。
多分この先も他者を考える癖は失われないけど、僕は僕を考えて大切にするよ。
では、次の何故電話で心が軽くなったのか。そんなのは簡単だ。他者を考えている時に、他者の肉声を聞こえるから、だから考え事が減っただけ。楽しいという気持ちもあるが、電話をすると他者のことをあまり考えなくてすんだ。だからだ。
次に何故ボランティアやご飯に行きたいか。それはただ楽しいんだ。考えるのは辛いけど、その人たちのことが好きだから行きたいんだ。
辛い原因が分かると、色々分かる。
今日僕は生まれ変わった気がした。このサイトに出会わなければまだ悩んでいた、この小説を書こうと思わなければまだ悩んでいた。
悩みが解決した時にGet Wildが流れたように、神が僕を導いてくれた気がした。やっと。僕の世界が動き出した気がした。
今日はここまで。今日はぐっすり眠れそうだ。驚きのさぶいぼに囲まれて。