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新メンバー ヤマト教授とXO(エックスオー)を加えたOVV(オーバーヴァンガード)は着実に遺跡を攻略し、深層部へ向かっていった。


また、深層部に近づくに連れ、強敵のもつ禍々しい気配も大きくなってくる。


そして大きな部屋にたどり着いた。他の冒険者パーティは見当たらない。どうやら1番乗りみたいだ。注意書きが目に入る。


[風のクリスタルの間:許可なきものは入ること禁じる]


(この大きな扉の先に強敵がいる)


「何かいる。みんな気を引き締めて行こう。」


扉の先には、大きな結晶体(クリスタル)があった。しかし表面は禍々しい色に覆われ、明らかに異常があることが見て取れる。おそらく風の結晶体クリスタルが侵食されているのだ。


そして、結晶体クリスタルの前に禍々しい瘴気を纏った妖精のような生き物が佇んでいる。


「こいつが、風の大精霊シルフ!!」


シルフはおぞましい声を上げ、敵意を剝き出しにしてこちらを見ている。明らかに正気ではない。ポキンチに風が吹かなくなった原因はこのおぞましい瘴気にあるとすぐにわかった。


「みんな。やるぞ!」


俺の合図でヤマト教授が先制を仕掛ける。

土になる権利(グラビトン)!」


動きが鈍った隙に、ギイヤとXO(エックスオー)も畳みかける。俺も続いてハンマーで応戦する。


順調にダメージを与え、優勢に立てていた。このままいけば勝てる。全員が勝利を確信していた。


だがこの時俺は、思い出したのだ。HPがいくらか減った強敵は、必ず何かを仕掛けてくるということを。


シルフが叫び、その周囲にとてつもない勢いの風を纏う。


「まずい、大技が来る!みんな一旦下がれ!」


油断していた。俺たちはシルフの放つ風の刃(エアスラッシュ)を受けて大ダメージを負った。


ギイヤもヤマト教授もXO(エックスオー)もみんな倒れている。俺は責任を感じていた。


(俺のせいだ。タンクがみんなを守れなくてどうするんだ。)


だが幸いなことにシルフも大技の反動なのか、動きが鈍っていた。時間を稼げばみんなが体勢を立て直せる。


そこからはしばらく俺とシルフの泥仕合だった。


「よく耐えた!」


体勢を立て直したギイヤが竜神刀でシルフに応戦する。俺は防御、ギイヤは攻撃に回り、2人でシルフと渡り合った。


気づけばシルフはかなり弱っていた。もう少しで倒せる。そう思った矢先、シルフがまた叫びをあげ風を纏い始めた。


(また大技が来る!次に風の刃(エアスラッシュ)を受けたら、今度こそ全滅だ。)


ヤマト教授とXO(エックスオー)はまだ膝をついている。何としても攻撃を阻止しなければ。

何か止める手はないか?


(あれをうまく使えば!)


大地破砕(ハンマークエイク)!」


俺はハンマーを地面に思い切り叩きつけた。この技は、衝撃波が前方に向かって地面を伝い、敵を怯ませる。しかし、宙に飛んでいるシルフには効果がないのだ。


だが衝撃波は俺の狙い通り、シルフの後方にある支柱へあたった。俺はその支柱の根元が風の刃(エアスラッシュ)によって削れていることに気づいていた。


そして狙い通り衝撃を受けた支柱はシルフに向かって倒れこむ。こちらを警戒していたシルフはそれに気づかず直撃した。


「グギャア!?」


シルフが怯んだ。纏っていた風が周囲に散らばる。ギイヤは器用にその勢いをもった風を操る。


「好機は今!」


俺の掛け声で、ギイヤと体勢を立て直したヤマト教授・XO(エックスオー)が仕掛ける。ヤマト教授の重力魔法でシルフの動きを封じ、ギイヤの風は追い風(スピードブースト)となり、XO(エックスオー)は受け取った竜神刀で縦横無尽にシルフを斬り刻んだ。


合わせ技、ヤマト旋風刃が決まり、俺たちは遂にシルフを倒した。

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