表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

バブリーシャッフル


1997年の年末が近づく頃

三の宮駅にある会社で吉田もとみという

プログラマーが働いていた


ある日、ネット検索をしていて

ハイテク株のIPO記事に目を止めた。

アジア通貨危機の影響で、

2年前に脚光を浴びたネット関連銘柄は暴落したが

まだ5年前くらいの昭和バブル崩壊後の

底値到達なんかは、ありえなように思えたので

上場したばかりのハイテク株を買った。


吉田は崩壊してからITバブルと呼ばれる事になった

インターネット好景気での仕事に追われていた


月曜日


 新神戸駅から新幹線に乗車して

 東京やら名古屋やら福岡やらに本社がある

 ユーザー本社のシステム部へ出かけ

 昼間というか残業できるギリギリまで仕事をした後、

 会社が予約したビジネスホテルにチェックイン

 ビジネスホテルで ”どこでも仕事ネット”にログインして

 本社にいる管理職に今週予定と先週までの進捗報告


火曜日から水曜日まで


 ビジネスホテルへ仮眠しに何回か戻る以外は

 昼も夜も無く進捗を進めるために作業をする日々


 ”気合い根性で やれ 出来なければ やめろ!

  同業者に負けたら 生き恥を さらさずに やめろ”


 と掛け声だけは立派で何も作業をしない

 昔は有能な働き者だったが

 今は有能な怠け者な管理職の


”人間関係円滑化のためのコミュニケーション”


 という名目の噂話や悪口や昔話を聞きながら

 連絡があった作業項目と作業手順の通りに作業して

 その通りにしても作業が進まない場合は試行錯誤

 作業が完了したら作業手順を書き換えて報告


 木曜日の夕方までを会社に指示された作業場所と

 ビジネスホテルの往復で過ごす


木曜夕方


 毎週恒例の進捗会議が開催され

 今週完了予定の作業項目が終了していない作業担当者は

 土日も作業現場に残って作業するように指示される


”御前等は、今週、金曜日が82時になる事が決まった

 管理職が来週月曜に出社する10時までに

 今週完了予定だった作業を終わらせろ


 無事、今週予定作業を終わらせた君達、ご苦労だった

 良い週末を過ごしてくれたまえ”


 というような管理職の挨拶で会議が終わる


金曜日


 午前中、週末居残り組みになった人に


 ”ついでに この雑務もしてくれるかな?

  作業が遅くて居残りで会社の金を使って

  ビジネスホテルに継続宿泊して

  休日出勤するんだから当然だよな!”


 と依頼して、今週分作業をクリアした人は午後の新幹線で帰る

 今週は居残りする側にならないで済んだと安堵しながら


土曜日


 三宮駅近くにある会社へ戻って、管理職に今週の状況報告

 報告終了後は同じ会社の同じ部署の人々と

 親睦会とか勉強会とかいう名目での雑談会からの夜の飲み会


日曜日


 夜になってから、”どこでも仕事ネット”にログイン

 居残り組みの人々が、どんな報告作文で誤魔化して

 実際の所、どこまで作業が完了してるかをチェック


 本社にいる社内政治家で作業をやらない管理職に

 どんな口裏合わせで連帯責任を逃れるかを

 オフレコの内輪チャットで打ち合わせ


「我々は同じ会社の同じ部署で同じ仕事する

 社内人間関係と、職務遂行のためだけに生きるのだ」


 というような掛け声を内輪で言いながら、

 正月もGWも盆も夏休みも無いに等しい

 仕事だけの毎日に追われていた。



年末年始ころの12月になると週末、忘年会でドタバタしたり、

年末年始を一人で過ごしたくないし田舎に戻りたくもない人々と会ったり

”出来ちゃった結婚”する人が発生して3月頃とかに送別会があったり

4月になると新しく配属になった人の歓迎会があったり

と、年末年始、年度末年度始などは内輪の飲み会が仕事の合間に入る

それが唯一の鬱憤晴らしというか息抜きだった。


”職務に関係の無い事は、どうでもいい

 個人での持株の株価いくらに、なっているかなんて どうでもいい

 社員持ち株会で株を抱えている我等も、株価なんか、どうでもいい”


と気にする時間を作る余裕すら無い内に時は流れ

ハイテク株を買ってから2年半が過ぎた2000年の2月

2000年問題とかがテレビでも話題になった大量作業が一段落した頃


少しだけ暇な時間ができて持ち株の株価をチェックしてみると

200万ほどで買ったハイテク株は株式分割で4株ほどに株数が増え。

一株単価が1億5600万になっていた。

何も考えずに、仕事の忙しさが落ち着いた記念で売り払い。

2年くらい前の200万円が、6億円になった。


その頃まであった10%の源泉徴収所得税で6000万円が消え、

翌年の住民税、社会保険料などで総額1億円ほど目減りしたものの

2001年頃、吉田もとみは残りの一生を遊んで暮らせる

5億円という金を手に入れ


同業者内の権力と決定権を持つ偉い人々に

影では“可哀そうな口無し作業奴隷”と蔑まれ

表向きは ”会社と仕事のために生きる会社員”と賞賛される


”18歳から35歳くらいまでの若年労働者生活”


という日常から抜け出す事にした。


・・・


1997年の年末が近づく頃

三の宮駅から梅田駅に向かう阪急線沿線の西宮市内に

吉田ますみという暇な女がいた。


月曜日から木曜日まで

 平日が休みな客商売店員などをやってる知り合いと遊び


金曜日

 夕方 ”職務中の我々”の世界から

 休憩しに出てきた週末夜遊びが好きな知り合いと遊び


土曜日

 元町近くで土曜夕方から一晩中

 男に飲み食い代を持たせて遊び


日曜日

 ”我々の職務中だから、部外者の御前等なんか、どうでもいい”

 と週末だけ関わってる男に言われる一週間が始まるので

 週末が忙しい月曜日が休みな客商売をやっている

 知り合いの所へと転がり込んで、明日は休みでしょと遊ぶ


という年中無休で誰かの金で誰かと遊びたおす

という恐ろしく自堕落な日々を過ごす女だった。


違う角度で見てみると、もう一回、会って見たいとか

もっと一緒に遊んでみたいと思わせるという才能がある異才

というようにも言えるのかもしれないが・・・


年末年始ころの12月に

普段は部外者立ち入り禁止の作業場に拉致軟禁されている人々が

仕事の合間に会社の外の人間とも遊べる時期になると


同じ私立大学付属の小中高・大学と一緒に過ごした

元同級生の内輪で飲み会が開かれて噂が飛び交う


誰それが、”出来ちゃった結婚”して住宅街の奥様になって

義理のお母様と過ごす事になったから遊べなくなったとか


”性格が才能な宴会主役な女王様”が、

”使えるリーダー”と判定され、”有名大企業”の主任様になったから

もう遊んでくれなくなったとか


新しく内輪に紛れ込んだ人に、今年は、どんな嘘を仕込んで

その思い込ませた嘘を事実にする引力を作るの打ち合わせとか


同じ年代の人々が語るのと同じように


”やっぱり、有名大学を出て有名大企業に入社して出世

 誰もが羨む高級住宅街の住人になった人間が

 この世は動かしているんだから”


といった世間話を建前というか挨拶のようにした後


子供を私立大学付属の小中高・大学に

通わせられるくらいに金がある親の中でも

ずば抜けて金を持っている

同族会社オーナー一族な親を持っている人々が

共通の世間話を語りだす。


若いうちは普通に会社員をするとして


”ワシは隠居するから、今までやっていた

 先祖代々から続く家業を御前やれ”


と親が言い出したら、どうする? ってな話が始まる


先輩の誰それは、こうしたらしい

ああしたらしい こうするつもりらしいとか諸々が語られる


ますみは、一緒に飲み歩いて遊んでいた人々のように

親がオーナーなワケでも同族会社経営者一族なワケでも

先祖代々、有名人が輩出されている名家や資産家の御家柄なワケでもなく


たまたま、小学校に入学する頃に亡くなった爺ちゃんの遺産で

16年間、私立大学付属の小中高大学と通えるだけの金が手に入り


大学卒業直前に発生した阪神淡路大震災で両親が死んで

その遺産や保険金を相続した一人娘として

つつましく暮らせば一生を遊んで暮らせる金が手に入り、

その金を取り崩す形で遊んで暮らしているだけなので


内心、まだ親が生きていて、老いていく親が

本当に耄碌しだしたら、どうするとか言っている人が

少し羨ましくもあり、もういないから関係ないなあとも思えていた


複雑な心境に陥りながらも、内輪の多数決が醸し出す場の空気で

多くの人が同じような事を感じている世間話を聞いていた。


たまに、”金が無くなったらどうしよう”

というような言葉が何度も脳裏をよぎる


 なんとか親の遺産が全て無くなってしまう前に

 普通の結婚生活を送れそうな男を探し出して

 普通の住宅街で主婦の奥様生活に突入しないと駄目なんだ


というような事を漠然と思い浮かべていたが


平日、一緒に遊んでいる客商売や水商売の店員な男は

遊ぶには楽しいけれど、色んな意味で馬鹿な

一生、底辺労働者のままだろうから

結婚生活をもし始めても、惨めなものでしかないのが見えていたし



週末を一緒に過ごしていて、平日、うっかり関わると

”同じ会社の管理職に文句言われるから近寄ってくるなあ”

と言うだけな会社内で立場の弱い社畜に至っては


週末、遊ぶためのサイフにはいいけど

一緒に結婚生活を送る事になったら地獄が待っている事が見えていた


平日の昼間、社宅で目立たないように言われないように

息を潜めて、直属の上司とか同じ職場の先輩とかに言われないように

する毎日に、つきあわなきゃならないのも嫌だから


互いが結婚相手が見つかるまでは一緒に遊ぼうねという

割り切った関係に近いのだと考えていた。



ノストラダムスの大予言で世界滅亡が予言された頃

小中高一貫の私立大学付属校の同級生が尋ねてきた

そいつは今、証券会社の営業をしている事を言い

たまたま儲かった客の成功例を語りだす


「TVでも、やってるでしょうハイテク企業とかの特集。

 インターネット関連株なら、何を買っても儲かりますよ」


1996年頃、インターネット関連企業という名目で

どこぞのヤクザの企業舎弟のような会社も含めて大量発生

好景気が発生して、昭和バブル頃に増えた街金とかサラ金

怪しい立ち退かせ専門の地上げ不動産会社とかがあったあたりに

携帯ショップや、プロバイダ契約仲介ショップ

とかが並んでいた頃だ。


最初は警戒心から断ろうと想ったが

小さい金額で少し取引してみる事にしてみたら

少し下がっても我慢していれば

直前高値を更新して利益確定できたので

勧められるがまま、そそのかされるままに調子にのって

取引ポジションの金額が大きくさせてしまい

ITバブル絶頂期に高値で全財産を元手に信用買い


”今までのように多少は下がっても

 また騰がって高値を更新する”


と思い込んでいたので損切りもせずに買いポジをホールド

ITバブル崩壊下げに捕まり強制ロスカットされ

全財産を無くして遊んで暮らす事が不可能になった


証券会社の営業をやっていた奴は

雲隠れして音信普通になってしまい文句すら言えない


パニック状態になって

小中高一貫の私立大学付属校で同級生だった友人に

電話して相談すると凄い勢いで語りだした


「え? 仕事が無い? 仕事が無い?

 なんと仕事が無いんですかぁ?

 仕事が無くて金が無くなった? 大変ですねー

 なんとしても今すぐにでも仕事をして働いて金を稼がないと


 投資家に戻る?

 投資家? 馬鹿げた事を言っちゃいけません

 どこの世界にいる空想上の生き物ですか?

 競馬で家を建てた人間がいないのと同じで

 株取引とかで生活できる人間なんていませんよ

 北浜の住人でも金持ちになっているのは

 取引する道具を売っている人なんですから


 投資なんてね、暇な金持ちが、暇つぶしに

 金持ちにとっちゃ無くしてもいい小銭で

 遊びでやるギャンブルですよ


 それに今まで関わっていた昔ながらの株屋ですか


 縁を切って関わるのをやめた方が人生が幸せですよ

 昔ながらの株屋って店頭取引の時と同じで

 客が損した分が店の利益になるんですから

 奴等は何人自殺に追い込めたとか

 精神病院送りにしたとか

 そんな自慢話をしている危ない業者ですよ


 ”仕事なんかしてしないで

  私の経営するパチンコ屋で遊んで金を使って

  パチンコをして遊ぶ金、欲しさのバイトをして下さい”


 とパチンコ屋オーナーに言われて

 その通りにするようなものですから

 今すぐ、その株屋の教えられて

 やるようになった事を全部やめないと

 何回も同じ失敗を繰り返すだけですからね


 年金生活に無事に突入した親戚

 一生、遊んで暮らせる先祖代々

 金持ちな一族に所属する元同級生

 そういう人々と同じような心理状態になって

 怠けるようなものですよ


 彼らは何もしなくても金が入ってくる

 打ち出の小槌を手に入れているんですから

 そういったものを手に入れていない貴方が

 同じ事をしようとするのは無謀ですからね


 そんな証券会社の歩合制外務員の口車に乗って

 仕事もしないで御客様になるだけで

 時間の無駄使いしてちゃいけません


 何もわかっていない素人なのに

 パチプロになれると思い込んで

 パチンコ生活をするような血迷った真似です

 そんな事をしないで地道に働きましょう


 さあ、今すぐ職業安定所へ行って

 中小企業に面接へ行きましょう

 どこでもいいから雇ってくれる会社を探しましょう

 誰も、やりたがらない過酷な仕事でも

 貰える金も少なくても、人間関係の破綻会社でも

 我慢して働けば金になるんですからぁ


 嫌でも、そういう職場でしか雇ってもらえないでしょ

 学校を出てからブラブラと遊んでいて

 職務経歴とかが無いんですからぁ

 しょうがないですよねぇ?


 貴方のような労働者を使って

 儲かった中小企業のオーナー経営者もいますよ

 ワンマン・オーナー社長が

 何から何まで指示して手足として使っている会社

 というのが多いんですから

 要は、どうやったらオーナー社長に気に入られて

 いい想いができる椅子に座れるかなんですから

 気にいられたら、いい椅子に座れるし

 嫌われたら、生き地獄を味わうような椅子に座らせられる

 そんなもんですよ


 同じ職安で作業用職人を探している

 地域密着型の同業者団体の採用担当の人とかの

 人づきあいや内輪の暗黙の了解もあるでしょうから

 未経験の初心者じゃレベルが低い会社にしか

 相手にされないでしょうが

 探せば仕事はあると信じて、仕事を探しましょう


 今時、居心地のいい人間関係を

 社内に築けている会社なんて無いので

 人間関係には甘い考えを持たないで

 仕事に必要な事だけを話すものだと

 割り切って働くのが正解です。

 相手の情に訴えるような事は言わないで

 相手の損得勘定に訴えかける事を言いましょう


”私と関わればメリットがありますよ”


 というような事を、最初は嘘ですが

 事実になるように努力しましょう

 それしか、ありません


 仕事に必要な事だけを考えたい

 そして仕事に必要な事が自然に口から出てくるようになりたい


 そういうような事を同期入社にでも言って

 自分に言い聞かせて


 ここらへんの大都市圏の商工会議所には

 そういう会社オーナーさんや経営者さんが多いですからぁ

 ぼやぼやしてると、あっという間に御客様にされて

 自分の仕事が、どうでもよくなってしまいますからねぇ


 会社の業績管理上、どういう業績を挙げられる人間が必要か


 人的資源会計で、どういう人間がプラスで

 どういう人間がマイナスと計算しているか


 今まで地域密着型の同業者団体内で

 オーナー店長している人とかと関わって

 少しは理解しているでしょう?

 自分が店長じゃないから見えてないかもしれませんが


 自分が理解している限りで相手のメリットを予想して

 人材採用都合、同業者団体常識、会社都合を可能な限り理解して

 事実上、何歳くらいの人間で、

 どんな経歴の人間なら雇える会社なのかも考えて

 自分の年齢で未経験でも使ってくれる見込みのある会社へ

 面接をしに行きましょう


 今すぐ 探しましょう 断られても無視されても

 なんとか働かせてくれる会社を探しましょう

 税金、社会保険料、家賃、食費などの生活費を稼ぐために


 雇ってくれる中小企業を見つけたら

 毎日、言い聞かせるように思い込みましょう


 ”我々の職務に必要な事だけを考えなければ


  職務に関係ある同じ会社の同じ部署で同じ仕事をしている

  直属の上司の指示内容や、同僚の業務連絡を良く聞いて

  自分の勝手な思い込みで作業手順を判断せずに

  指示された通りの作業手順に従う問題の無い作業員と言おう


  人生で一番大事なのは仕事だ。

  仕事が、うまくいかないと全てが無くなる

  仕事を任せてくれる会社に必要とされるために

  もっと仕事が出来るようにレベルアップしないと いけないんだ。


  どうしたら優秀な働き者として会社に必要とされるかが全てだ”


 何もせずに天から幸運が降ってきて

 この世を支配する神の指示によって働けるわけでは、ありません


 優秀さを発揮できるように努力し

 勤勉な我々の一員として認められるように日々を過ごし

 屈強さをもって仕事に含まれる過酷さに耐え偲び

 我等の誇りを維持するための信頼を信用を向上させ


 栄誉ある会社と仕事のために生きる社会人としての日々を手に入れ


 ”誰もが、貴方のような人間に成りたい

  貴方や貴方の周りにいる人々の仲間に成りたい”


 そう尊敬され羨まれる存在に、いつかは成るために

 まずは気合と根性で今すぐに自分の住む地域の中小企業の

 経営者や採用担当の人々に自分を売り込んできましょう」



”派遣コーディネーター”という名目で

地域密着型の同業者団体を回って

人材派遣社員取引をしている会社の営業をしているので

職業安定所に行って駄目だったら

いくらでも仕事を紹介しますよと説明する


”会社と仕事のために生きる勤勉な会社員”として

生きる事は素晴らしい事ですよと賛美して

貴方も、そうなりましょうと説得され


結局、職安へは行かず。

そいつの勧めるイベント会社へ事務派遣として働く事になった。



そして今まで関わっていた暇な金持ち一族に所属する元同級生には

全く相手にされなくなった。


内輪で、“可哀そうな口無し作業奴隷”とか

”一生、底辺労働者”とか呼んで蔑み

関わらないように嵌りこんだ堂々巡りに引き釣りこまれないように

しているのだから無理もない


一族によっては、


「我が一族の所属する者が、自分で作業してはならぬ

 どんな事が仕事に必要かを理解して

 職務把握能力を高め、作業指示をするのは許す

 何も考えずに指示された作業をするだけの

 無能な働き者と同じ事をしては ならぬ」


とか言いきかされていると言っていたのだから

今の自分は奴等からは無能な働き者に見えているのだろう。


そして今までとは違う日常を過ごす事になった


新しく一緒に仕事をする事になったのは

卒業した学校のイジメや仲間ハズレを職場に持ち込んで

ひたすら足の引っ張り合いだけをしているようにも見える

18歳から35歳くらいまでの若年労働者な人々


コンサート会場やイベント会場に機材を搬入するのと

その機材設置やメンテナンスをする力作業を繰り返しているので

プロレスラーや、ボクサーのような体育会系な人々ばかり

その人々との日常を生きていく事になって数ヶ月してから

営業仲介が電話をしてくる。


「いやあ、良かったですねえ。

 中小企業の正社員になれましたかあ

 毎月、給料が貰えて良かったじゃないですかあ

 何も考えずに指示された通りに

 作業していれば、いいのって楽でしょう?


 自分の学生時のアダナって覚えてますかあ?

 覚えてますよねー。一回、そう呼ぶにが当たり前になると

 群れの中の最後の一人が死ぬまで、

 ずーっと、一生そう呼ばれるでしょう?


 でも、なんで? そう呼ばれるようになったんでしょうねえ?

 名前で呼ばないで、そのアダナで呼ばれるようなったのは?

 ずーっと卒業まで、その侮蔑的で

 差別的なアダナで呼ばれるようになったのは?


 同じ群れに所属する、差別する側になりたい人や

 暗示をかけて面白半分に躍らせたい人が

 ターゲットにするような態度とか? とってませんか?

 何人かの人間が集まっていると

 いつのまにか、そうしている

 クセのようなものが?あるんじゃないですか?


”全く これだけ言っても

 まだ わからんのか? 言っても無駄なのか?

 勝手な自分の思い込みだけで作業するな

 何故、駄目なのかを理解しない限り、一生、言われるぞ”


 とか言われないようにして下さいね?


 たぶん、それが何なのかは

 誰も教えないので自分で気づきましょうね

 そうしない限り、たぶん名前でなんか呼ぶ人は、おらず

 馬鹿な小学生が自分が馬鹿にされたから

 誰かにも同じ苦しみを味合わせたいって馬鹿な理由で

 変なアダナで呼ばれるでしょうから


 一旦、そういう態度や発言をすると

 永遠に言われるような態度や発言って、あるもんです。

 きっと貴方の前任者にも、あったはず

 同じ椅子に座って、同じ人間を見ていると、

 いつまにか口にしてしまう発言が

 でも? 前任者が椅子を取り上げられたのは?

 それが原因かも?


”前任者とは違います。そんな事は言いません”


 という態度が正解な場合もありますからね


 頑張って中小企業が集まった

 地域密着型同業者団体の中で生き残るために頑張りましょう


 言われないように身の程をわきまえて

 目立たないように直属の上司の指示を聞いて、

 わからない事があったら全て理解できるまで

 教えてもらって作業をしましょう


 いつも通り、今まで通りに、

 必要な作業項目を作業手順通りに作業するにも

 なれていない当たり前な常識を知らないんだから

 常識や礼儀や最低限これが必要だ

 という事は理解してから作業しましょう


 とは言っても、中小零細企業の職人親方でしょうから

 作業項目とか作業手順とかを考えた事すらないので

 誰かに説明や指示なんて、できないと思うので

 なんとか作業を見学させてもらって

 何をやればいいのか理解しましょう

 たぶん、その親方職人も、


”気合と根性でやれ、できなきゃ やめろ”


 と言われて頑張って生き残ってきたのだから

 同じように頑張りましょう


 え? 主要業務の作業担当じゃなくて連絡係?

 じゃあ大丈夫ですよ。少し働いてみて理解できたでしょ?

 結局は会社って人間が集まって作られているんですから

 どうやったら決定権や権力を持っている人間に

 気に入られるかが全てですしね


 後は要領ですよ。誰がやっても同じような作業を

 誰に金を払って頼むかって言ったら

 気に入ったのに頼むでしょ?


 仲間ハズレにされないように、イジメられないように

 人づきあいを上手にすれば、やっていけるんですから」


こちらが何か言う前に用意していたらしきセリフを

カラオケでも唄うかのように、たたみこむように

言うだけ言って電話は切れた。


たしかに実際は、連絡係というか電話番で

お茶くみや、取引先の偉い人の俺様話を聞きながら

相手の気分的なものが丸く収まって

良い気分になってくれそうな嘘を

毎日、言うだけで過ぎていっている日々


あーあ、あの時、株なんて

馬鹿なシロモノに手を出さなければ・・・今さら遅いかぁ

その時は気がつかないモノなんだよねー。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ