ゲーム開始
僕、篠崎海人は自宅で漫画を読んでいた。
ガンガンと窓が叩かれる。
「おい、緊急事態だ!窓を開けろ!!」
「窓壊したら弁償だぞ!」
と、言っておく。
窓を叩いているのは隣の家に住んでいて、高校でも同級生の腐れ縁の英治だ。
「緊急事態なんだって!開けてくれ!」
こうなったら開けるまで帰らないだろう。しかたなく窓を開けてやる。
「やっと開けたか。早速だがゲームを始めるぞ。」
「は?」
いや、意味がわからないんだが。
「フフフ。これを見るがいい。」
そう言って英治はヘルメットのような機械を取り出す。
「おお!それはVRMMORPGにダイブするためのギアではないか。」
わざわざ説明しながら驚く。
「その通り。なぜ俺がこれを持っているのかというとだな…」
英治の説明をまとめると、Magic・Sword・Online略してMSOという新作VRMMORPGのβテストを以前していて、今日が正式サービス開始の日らしい。
それで僕を誘って始めようということらしい。
「で、英治がギアまで買ってくれたと。」
「まあな。感謝しろよ?」
「考えとくよ。」
そんなわけで僕はMSOを始めることになった。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
僕は早速MSOにダイブした。
まずはキャラメイクだ。
僕は巨大な鏡のある部屋にいた。
現在、鏡に映る僕は真っ黒だ。某探偵漫画の犯人みたいだ。
そんなことを考えていたら声が聞こえてきた。
「名前を教えてください。」
「じゃあ、ユウキで。」
「了解しました。」
あれ?絶対被ってるからダメって言われると思ったのに。
ちなみに、ユウキは僕の好きなアニメのキャラの名前でもある。
「種族を選択してください。」
目の前に半透明のパネルが現れる。
表示されている種族は十種類くらい。無難に人族を選択する。
「アバターを作成してください。」
パネルにはいろいろな項目が表示されるが、うまく作れる自信がない。
「ランダムで作ってもらったりできませんか?」
「可能です。ランダムで作成しますか?」
「よろしくー」
ということでランダムで作成した。
僕は出来上がったアバターを見て絶句した。
「美少女…だと?」
そう、完成したアバターは美少女だったのだ。十歳くらいかな?
でもこのゲームで性別は変えられないはず。
だから正確には少年か?
まあ、これも何かの縁。せっかくだしこれでやってみよう。
「ジョブを選択してください。」
剣士、重戦士、弓使いなどいろいろあったけど魔法使いを選んだ。
「最後にステータスを変更してください。」
HP 100
MP 100
STR 5
VIT 5
AGI 5
DEX 5
INT 5
MND 5
LUK 5
残りポイント100
とパネルに表示された。
魔法使いだからINTとMNDは多めかな。
HPが少ないのも困るな。
HP 150
MP 160
STR 5+5
VIT 5+20
AGI 5+15
DEX 5+10
INT 5+25
MND 5+25
LUK 5+0
残りポイント0
こんな感じにしてみた。
悪くないんじゃないかな?
これで決定!
「では始まりの町に転送します。」
部屋が光に包まれた。